こんにちは、梅澤です。
今回は「7つの習慣」のつづき。
第5の習慣、
「まず理解に徹し、そして理解される」
についてです。
人間関係がうまくいなくて困ったことは、
誰にでもあると思います。
第5の習慣を使えば
人間関係の問題を解決することが可能です。
私が父親との関係がうまくいかなかった
経験をまじえて、
第5の習慣の考え方と実践方法をお伝えします。
「7つの習慣」の記事は
こちらにまとめました。
主体的であること、刺激と反応の間~7つの習慣2~
ミッション・ステートメントが決められない理由~7つの習慣3~
時間管理のマトリックス、重要だが緊急でない領域が重要~7つの習慣4~
Win-Winを考える、勇気と思いやりのバランス~7つの習慣5~
「まず理解に徹し、そして理解される」~7つの習慣6~
違いを尊重することがシナジーの本質~7つの習慣7~
再新再生の4つの側面と「知性」と「精神」の違い~7つの習慣8~
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
「7つの習慣」はこちらの本です。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
についての章は、
医者が患者を診るときに、
診断をする前に薬を処方することはないですよね?
という当たり前の話から始まります。
患者にどんな症状があって
どんな病気なのかわからないのに、
治療ができるわけがありません。
まず「診断」が先にあって、
それから「処方」があるというが
正しい順番であって、
これを逆にすることは不可能です。
では、人間関係についてはどうでしょうか?
実は私たちは、
「処方」のことばかりを考えて「診断」をしない
ということがよくあるのです。
私は第5の習慣の章を読んでいて、
自分の父親との会話を思い出しました。
まさに本の中で指摘されている問題が
自分の身に起こった経験があるのです。
転職するときの父親との会話
私は大学院を卒業した後、
大手企業に就職しました。
しかし、その会社は自分には合わず、
3年ほどガマンしたのですが、
けっきょく転職をすることにしました。
私としても
希望にあふれて入社した会社を辞めるのは
辛い気持ちではありましたが、
これ以上のガマンは限界だったので、
思い切って決断したのです。
そのとき私は会社の寮に住んでいました。
この辛い決断について
父親にも知らせておかなければと思い、
私は電話をしました。
自分の苦しい気持ちを共感してもらって、
転職する理由を理解してもらい、
前向きにとらえてほしかったのです。
ところが、
父の反応は思ってもみないものでした。
私が転職するということを伝えたとたん、
「そんなことは絶対に許さない」
「ぜっかく大企業に入ったのをムダにするつもりか」
「とにかく会社は絶対に辞めるな」
といったことを
まくし立てられたのです。
父は怒って興奮しており、
私の話を冷静に聞いてもらえる状態では
ありませんでした。
だから、私が抱えている悩みや苦しい心境は
まったくわかってもらえないまま。
つまり、
「診断」にあたる部分はすべてカット
されていました。
それでいて、
父は「会社は辞めるな」「転職は許さない」という
「処方」ばかりを押し付けてきたのです。
これには私は本当にがっかりしましたし、
父に理解してもらおうとした自分がバカだったと
落ち込みました。
このときの会話で
私は父への信頼を一気になくして、
その後の父との関係にも
大きな悪影響を残すことになったのです。
「自立」による余裕が必要
私の経験のように、
「診断」より先に「処方」をしてしまうことは、
私たちの日常ではよくあります。
そして、
そうして「処方」を急いだことによって、
相手の心に大きなキズを残す
こともなりかねません。
だから、
本当に気をつけないといけないのです。
まず「診断」をする、
つまり相手の状態を知って、
相手の立場からものごとを見て、
相手の感情に心から共感するためには、
自分の側にそれなりの準備が必要です。
相手の感情や考えを受け止める余裕が
自分になければ、
いくら「診断」が大事だとアタマでわかっていても
それを実行できません。
そして実は、
相手を受け止める心の余裕のもととなるのが
第1〜第3の習慣で作られた「自立」
です。
「自立」した状態があるからこそ、
本気で相手の立場に立ったとしても
自分を保っていられますし、
自分が保てることがわかっているから
本気で共感しようと試みることができるのです。
だから、
「処方をする前に診断をしましょう」
というのは当たり前に見えて、
実際には本当の意味でそれができる人というのは
限られています。
「そうか、では私もやってみよう」
と本を読んだだけで
すぐにできるものではないわけです。
「7つの習慣」全体が見えてきた感動
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」は、
これまで語られてきた他の習慣によって
支えられる形になっていました。
まずは自分が「自立」できていてはじめて、
「診断」することが可能になるのだと。
こうして
ひとつの習慣が他の習慣とつながっている
ことをはっきりと理解することができて、
私は感動しました。
いままでは「7つの習慣」を読んでいても
「理想論ばかり書いてあるなー」
などと思っていたのが、
一気にパーっと視界が晴れて、
7つの習慣全体が見えるようになったのです。
それから以前のページに書いてあったことを
改めて読み返してみると、
一つひとつの言葉が
以前に読んだときとは
まったく違う重みを持っているように
感じられました。
それぞれの言葉が、
「7つの習慣」の他の部分を支えるために本当に必要
だからそこに書かれているのだ、
ということがわかってきたからです。
やはり「7つの習慣」が
名著だと言われるのはダテではない、
ということが実感できました。
残る習慣は
第6の習慣と第7の習慣だけですが、
最後まで読み通すのがますます楽しみです。
まとめ
- まず「診断」をしてから「処方」をしないといけない
- 私が父からいきなり「処方」をされて、がっかりした経験
- 「診断」には自分の心の余裕が必要
- 第1〜第3の習慣で作られた「自立」が心の余裕のもとになる
第5の習慣は
人間関係を改善できる実践的な習慣ですが、
小手先のテクニックだけで
使えるものではありません。
「自立」した自分を作ることができてはじめて、
本当の意味で第5の習慣が実践できるのです。
そのことがストンと腹に落ちて、
私は感動しました。
「7つの習慣」の記事は
こちらにまとてあるので、
合わせてどうぞ。