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「リボーンの棋士」7巻(最終巻)の感想~迷ったら苦しい方を選べ~

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「リボーンの棋士」7巻の感想

「リボーンの棋士」の7巻を読みました。

これで「リボーンの棋士」は完結です。

7巻もとてもおもしろくて、
全体としてすばらしい作品でした。

7巻と作品全体を通しての
いちばんのメッセージは
「迷ったら苦しい方を選べ」
ということだと思います。

この言葉そのものは
作品中に登場しないのですが、
主人公の安住や
他の登場人物たちの生きざまから
私はそのメッセージを感じました。

安住の姿は過去の私とも重なる部分があって、
感情移入できました。

この点を含めて、
7巻の感想を書いていきます。

ネタバレがあるので注意してください。

冒頭のイラストは
マンガをお手本として見ながら
自分で描いたものです。

「リボーンの棋士」については
こちらの記事もどうぞ↓

目次

「リボーンの棋士」の第7巻

「リボーンの棋士」の7巻はこちら↓

「リボーンの棋士」は
どうやら連載打ち切り
なってしまったようです。

登場人物が増えて
話も盛り上がっていたところだったので、
残念なことです。

やはり将棋マンガが連載をつづけるのは大変。

もっとたくさんの話を
読みたかったところではあります。

とはいえ、
最終巻となる7巻では
1巻分の限られたボリュームの中で
とてもうまく作られていました。

ストーリーを大きく進めつつ、
安住vs天才の五十嵐
というクライマックスの対局も用意されていて、
大満足の内容。

五十嵐のモデルは
言うまでもないですが
現実世界の藤井聡太さんですね。

7巻では安住と土屋のプロ棋戦の話が
メインだったなかで、
ラストシーンがアマチュア大会だったのは
印象的でした。

原点に戻った感じがして、
さわやかな良い終わり方
になっていました。

「リボーンの棋士」は、
「安住がプロになれるのか」という結果よりも
その過程を描く作品だと思うので、
このラストには違和感がありません。

むしろ、安住と土屋が
プロ編入試験まであと1勝
という状況にまでいたったことが
私は驚きでした。

ここまでくれば、
安住も土屋もプロになれるかはともかく
プロ編入試験は受けられそうだなと、
読者は想像して楽しめます。

迷ったら苦しい方を選べ

「リボーンの棋士」は
ストーリーがおもしろいだけでなく、
人生において大事なことを教えてくれる
作品でした。

中でもいちばんのメッセージだと
私が感じたのが、
「迷ったら苦しい方を選べ」
ということです。

7巻では安住の父親のセリフとして
「何が幸せかは人それぞれだ。
後悔だけはするなよ。」

という言葉がありました。

4巻では似たようなことを
片桐が奨励会に入るかを迷う川井に
アドバイスしています。

この言葉自体はその通りだと思うし、
「幸せは人それぞれ」
「後悔しないように決めろ」
ということに反対する人は
あんまりいないと思います。

でも、片桐も自分で言っていたのですが
「こんなの毒にも薬にもならない」
という言葉でもあります。

誰でも幸せになりたいし
後悔だってしたくないのは当たり前のことで、
「じゃあ具体的に何に決めればいいの?」
というのがわからなくて人は悩むわけです。

7巻の安住の場合だったら、
「アマチュアとしてのびのび将棋を楽しむ」
のか、
「プロを目指して再び苦しみながら将棋を指す」
のかが悩みどころでした。

こういった悩みに対して
どう対処するか。

「リボーンの棋士」の中には
言葉としては登場しなかったけれど、
登場人物たちの生きざまを通して
明確なメッセージが示されていたと
私は感じました。

それが、
「迷ったら苦しい方を選べ」
ということです。

安住にあてはめれば、
それはプロを目指すということ。

川井の場合だったら、
国公立の大学に行って
いい企業に就職をするのではなくて、
プロになれる保証なんてないのに
父親のもとを離れて
奨励会に入ることです。

どうして苦しい方を選ぶべきかというと、
「迷っている」という時点で
答えは出ているから

です。

それはなぜかというと、
誰でも苦しいのはイヤなので
ふつうは迷わないはずだから。

苦しい方の選択肢は、
そもそも考えるまでもありません。

にもかかわらず
苦しい方を選ぼうかやめようかなどと
考えているということは、
心の底から選びたいと思っている
のは苦しい方だということです。

プロを目指そうか迷っている安住の姿は
過去の私の姿と重なりました。

私は大手企業に就職したのですが
そこを辞めて転職をして、
さらに転職先も辞めて起業しました。

会社を辞めるのは大きな決断で、
当時は悩みまくったものです。

そのまま会社にいれば
安定して生活していけるのに、
わざわざ周りの人と違うことをする
のは勇気がいることでした。

でもそのときの私は、
自分が心の底からやりたいことは
はっきりしていると思ったので、
それにしたがって決めました。

そのときの感覚を
7巻を読んで思い出したのです。

当時の悩みや決意を思い出して、
いま自分がやるべきことへのやる気が
一気に高まりました

苦しい方を選ばなかった森さん

「リボーンの棋士」には
苦しい方を選ばなかった人もいます。

それが森さんです。

森さんは演劇が好きで
バイトをしながら続けていたのですが、
7巻では演劇の夢をあきらめて結婚しました。

でも、森さんは
「意思が弱い中途半端なヤツ」みたいな
悪い描かれ方はしていません

むしろ自分のことを客観的に見つめて
現実的な決断のできる、
しっかりした女性として描写されています。

森さんの場合は
「演劇をつづけるか」「結婚するか」
という選択で、
それほど悩まなかったようです。

そこには安住の影響もあります。

べつに誰でもいつでも
苦しい方を選ぶのが正解なわけではないです。

それを教えてくれる人として、
森さんが物語の中で
重要な役割を果たしてくれました。

1巻からのメインヒロインでありながら
だんだん出番が少なくなっていた中で、
7巻で大きな存在感を示してくれて
私はなんだかうれしかったです。

というか、
7巻でいきなり結婚なんて話が出てきて
びっくりしました。

森さん、付き合っている人がいたんですね・・・。

安住の方からデートに誘って
いい感じなのかと思ったところで
すごい不意打ちでした。

安住と森さんが結ばれてハッピーエンド
とはならないだろうなとは思っていたものの、
こんなことになるとは。

驚きつつも、
けっこうリアリティのある
展開だなと思いました。

素直になった土屋

7巻でも土屋がいい味を出していました。

土屋にとっての迷いは
安住とは違います。

アマチュアに戻って
再び将棋が楽しいと感じられた安住に対して、
土屋にとっては将棋はいつも苦しいもの
だからです。

土屋としては
「未練がましく将棋にこだわる自分が許せない」
というのがメインの悩みでした。

でも、安住の影響を受けて変わって
自分の気持ちに素直になって、
強くなったのです。

土屋が1巻のころからのシーンを振り返って
自分の変化を自覚する場面
は感動的でした。

土屋にとっては
自分の気持ちに素直に向き合うことが
苦しいことであり、
気持ちにフタをして見ないようにすることが
ラクなこと。

土屋も安住のように
「迷ったら苦しい方を選べ」
を自分の生きざまで示して、
将棋とともに生きていくことを
決めたのです。

土屋といえば、
正体を隠したまま安住を将棋アプリで
負かすシーンはよかったですね。

言葉ではげますのではなくて、
将棋で目を覚まさせると。

知らん顔をしつつも
人知れず安住のために
最も効果的な行動を起こす
あたり、
土屋の魅力が全開です。

6巻で険悪な雰囲気になった
望月と和解できたのもスッキリしました。

これも土屋が素直になったおかげです。

土屋の人間関係は
これから少しずつ良くなっていきそう。

「リボーンの棋士」の1〜7巻を通して
いちばん変わったのは土屋
かもしれませんね。

まとめ

・「リボーンの棋士」は7巻で完結
・「迷ったら苦しい方を選べ」というメッセージを感じた
・「迷っている」という時点で答えは出ており、
_安住は苦しい方を選んだ
・森さんは苦しい方を選ばなかったが、それもあり
・土屋は大きく成長して変わり、素直になった

「リボーンの棋士」は
すばらしい作品でした。

ストーリーがおもしろいうえに
リアリティがあって将棋界の勉強になり、
人生において大事なことが学べます。

7巻で終わってしまったのは残念ですが、
とても濃い内容でした。

読み終えてさわやかな気分になって
とても満足です。

「リボーンの棋士」については
こちらの記事もどうぞ↓

「リボーンの棋士」7巻の感想

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