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「リボーンの棋士」6巻の感想~将棋は負けても意味がある?~

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「リボーンの棋士」6巻の感想

こんにちは、梅澤です。

昨日発売となった
「リボーンの棋士」の6巻を読みました。

本巻もとてもおもしろかったです。

 

読んでいて私が感じたのは、
「将棋に負けても得られるものがある」
というメッセージと
「将棋は勝つしかない」
というメッセージがどちらも出てきて
対比されているということです。

この点に注目しつつ、
私の感想をまとめました。

 

ネタバレがあるので注意してください。

ちなみに冒頭の安住のイラストは
マンガをお手本に自分で描きました。

 

「リボーンの棋士」については
こちらの記事もどうぞ↓

目次

「リボーンの棋士」の6巻

「リボーンの棋士」の
6巻はこちらです↓

 

表紙の安住は
コンビニでのバイトの休憩中、
といった様子。

こういう場面が
本編のマンガの中にあるのかと思ったら、
実際は一切なかったです。

安住のバイト中の様子は
本巻には1コマもなし。

 

バイトの場面などを省いたぶん、
本巻ではストーリーがけっこう進みました。

前半は竜皇戦の師弟対決をじっくり描きつつ、
後半では
川井の竜皇戦敗退、土屋のアマ王匠戦優勝、
望月王匠の初登場、安住の竜皇戦3連勝からの敗退と
すごい勢いで話が展開

緩急のバランスがあって、
とてもよかったです。

 

それぞれの対局を
どれだけていねいに描写するかというのは、
難しいところだと思います。

あまりじっくりやると
ストーリーが進まなくなってしまいますし、
かといってあっさり勝敗が決まってばかりだと
感情移入ができません。

その点、この6巻のように
カギとなる一局だけページ数を使って描いて
あとの対局はほぼ結果だけにする

というのは、良いやり方だと思いました。

負けても意味があった伊達

安住と師匠の伊達の対局では、
伊達の視点からの描写が
数多くありました。

結果としては
安住が勝って伊達が負けるわけですが、
対局後の伊達が
すがすがしい表情で明るい雰囲気だった
のが印象的でした。

 

伊達は安住との対局を通して、
病気をしてから失っていた
対局感覚が覚醒(かくせい)。

ここ数年は感じられなかった充実感
を味わいました。

そして、それは安住も同じで、
二人がお互いを刺激し合って、
すごい熱戦が生み出されたのです。

 

私も将棋を指すので、
この感覚はよくわかります。

対局で相手との感覚が合うと、
自分の実力以上のものが
引き出される感じがして、
ふだんは思いつかないような手も
なぜかバンバン指せるのです。

脳科学でいえば
脳が最高に集中した状態である
「フロー状態」
というものですね。

この状態に入って将棋を指すと、
勝っても負けても
「自分のすべてを出し切った!」
と思えます。

 

 

伊達は安住に対して
「師匠として何をしてやれるか」
といったことばかり考えていました。

それが逆に安住によって、
「勝負に対する情熱」
を引き出してもらうことになった。

 

その流れが感動的で、

将棋は勝ち負けだけじゃない

ということを強く感じました。

 

安住との対局では負けたもの、
そのあと伊達は公式戦で5連勝。

勝負への感覚と情熱を
取り戻したおかげです。

 

安住と伊達の対局には、

「将棋に負けても得るものはある」

という作者の鍋倉夫さんのメッセージが
こめられています。

強くなって勝つしかない土屋

一方で、
「将棋は勝たなきゃ意味がない」
というメッセージを強く感じたのが
土屋のエピソードです。

 

アマ竜皇戦では
全国大会ベスト8で安住に負け、
プロ棋戦に出場できなかった土屋。

安住が参加できなかったアマ王匠戦では、
全国大会決勝で片桐までも破り、
あっさりと優勝しました。

これまで安住の影に隠れて
活躍できなかった土屋でしたが、
いきなりの大フィーバー!

私は土屋を応援していたので、
とてもうれしかったです。

 

 

ところが、
そんなめでたい状況をぶち壊したのが
新キャラクターの望月王将

安住や土屋よりも年下なのに
すでにタイトルホルダーとは、
プロ将棋界でもかなりの大物です。

望月はヘラヘラとした様子で
二人に近づいてきましたが、
土屋が「俺がお前に勝つ可能性もある」
ということを言ったとたんに、
態度が一変。

10秒将棋で土屋を叩きつぶしました。

 

去りぎわに土屋に言ったセリフは厳しいです。

土屋さん、
プライド高いのは結構だけどさあ…

それ、度が過ぎると
弱みになるから隠さなきゃ。

勝負師はスキ見せたら終わりでしょ。

あんたわかりやすすぎるんだよ。

安住さんみたいに
何言われても
ニコニコしてなくちゃ。

ナメられたら黙って強くなるしか
ないんですから、
俺達は……

そんじゃまたね。

 

照れたりするとすぐに顔が赤くなるのが
かわいい土屋でしたが、
たしかにそれは「スキ」でもありますね。

そして敗者には、
反論することも許されないという
雰囲気でした。

何か言い返したいなら、
望月に勝てるぐらいに
強くならなきゃいけない。

土屋も安住も、
そのことがわかっている様子でした。

 

 

望月のせいで、
アマ王匠戦優勝のお祝いムードは
だいなし。

負けてもいい雰囲気だった伊達のときとは
真逆のイヤな展開です。

 

将棋は勝たないと言いたいことも言えない、
勝者の言うことこそが正しい、
だからこそ勝たなきゃいけないし勝敗がすべて。

そんなメッセージを私は感じたのです。

プロとアマの違い

伊達と土屋の違いは、
プロとアマの立場の違いを反映している
と感じました。

 

プロ棋士である伊達は、
負けても公式戦で指しつづけられる
ことが約束されています。

ある棋戦で1回戦負けが
何年もつづいたとしても、
翌年もその棋戦で
対局料をもらって
対局できることが決まっているのです。

だからこそ、
「負けても次に活かせばいい」
と思いやすい面があります。

 

 

一方でアマチュアの場合は、
将棋の勝ち負けが
対局の機会を得ることができるかどうか
に直結します。

全国大会に出場するには
地区大会で勝たないといけませんし、
プロ棋戦に出るには
また全国大会で
勝ちつづけなければいけません。

しかも、ほとんどが
1回負けたら終わりのトーナメント。

ある年にプロと対局できたとしても、
翌年も対局できる保証は
まったくありません。

アマの場合は、
「負けたらそこで終わり」
なのです。

 

そうした
「将棋に負けることの意味」
の違いを自然に盛り込んでいることが、
本巻はうまいなと感じました。

これからのストーリーの見どころ

「リボーンの棋士」は
登場人物も増えて、
さらに盛り上がってきました。

これからのストーリーの見どころは、
ざっと挙げただけでもこれだけあります。

・安住、土屋、片桐はプロ編入試験を受けられるのか?
・川井は奨励会に入ってプロになれるのか?
・安住と加治竜王の因縁は?
・土屋と望月王将の因縁は?
・安住と森さんの関係は発展するのか?
・安住を竜王戦で負かした棋士は何者なのか?

 

すべてを深堀りするのは
難しいとは思うのですが、
いくつかは動きがあるはず。

特に「安住がプロになれるのか」
ストーリーの骨格なので、
どういう展開になるのか
目が離せません。

 

ただ気になるのは、
6巻の最後の次巻予告ページに
「最終第7集」
という言葉があったこと。

どうやら次巻で完結になってしまう
可能性が高そうなので、
覚悟しておいた方がよさそうです。

まとめ

・「リボーンの棋士」6巻はおもしろかった
・伊達は対局に負けたが、勝負への情熱を取り戻した
・土屋は対局に負けて、悔しい思いをしただけだった
・対照的な負けたときの姿はプロとアマの違いを反映している
・今後のストーリーも見どころがたくさんある

 

「リボーンの棋士」は
物語が展開してきて、
ますますおもしろくなってきました。

次巻ではどんな話が読めるのか
楽しみです。

 

 

「リボーンの棋士」については
こちらの記事もどうぞ↓

 

 

 

「リボーンの棋士」6巻の感想

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