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「永世乙女の戦い方」5巻の感想~香とアナスタシアの準決勝~

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「永世乙女の戦い方」5巻の感想、アナスタシア

「永世乙女の戦い方」は5巻に入って、ますますおもしろくなってきました。

マイナビ女子オープンの準決勝は、2局が同時にすぐ隣どうしで行われるという、驚きの展開に。

  • 早乙女香vsアナスタシア
  • 角館塔子vs須賀田空

 

メインの登場人物4人が集結し、さらには女王の天野香織まで観戦に訪れて、まさにオールスターです。

そんな5巻について、将棋アマ四段で4巻までを何度も繰り返し読んでいる私の感想を書いていきます。

「そんな見方があるんだな」「言われてみれば確かにそうだな」などと、「永世乙女の戦い方」をもっと楽しむのに役立ててもらえればと思います。

ネタバレがあるので「まだ5巻を読んでいない!」という方は気をつけてください。

 

冒頭のアナスタシアのイラストは、マンガをお手本にしつつ自分で描きました。

「永世乙女の戦い方」の他の巻の感想も書いているので、よかったら合わせてお読みください↓

目次

「永世乙女の戦い方」5巻のネタバレあらすじ

「永世乙女の戦い方」の5巻はこちらです↓

 

「女王」のタイトルを持つ天野香織への挑戦者を決める、マイナビ女子オープンの決勝トーナメント。

準決勝の対局が始まりました。

主人公の早乙女香の相手は、アマチュアで小学生でロシア人のハーフであるアナスタシア

アナスタシアの小学生らしい元気な戦い方に香はタジタジとなりますが、覚悟を決めて「肉を切らせて骨を断つ」指し回しでトドメをさし、香が勝利。

そんな様子を観戦に訪れた天野も見守りました。

 

一方、準決勝のもう一方の対局は、ジリジリとした展開。

塔子はいつもの守り重視の戦い方を捨て、自分から積極的に仕掛けることで、須賀田のペースを乱します。

いったんは焦った須賀田でしたが、冷静さを取り戻し、じっと耐えてチャンスを待ちます。

そしていよいよ須賀田が反撃!というところで、5巻は終了となりました。

 

そういえば準決勝に残った4人は、小学生、中学生、高校生、大学生ですね。

ひとまず高校生が決勝に進み、もう一人は中学生と大学生のどちらでしょうか。

アナスタシアにも悩みがあった

5巻のメインのお話は、香とアナスタシアの対局です。

アナスタシアは2巻で登場したものの、3巻と4巻では出番がなくて、待ちに待っていた香との真剣勝負。

サムライの真剣での決闘になぞらえた対局の描写は、見ていて楽しかったですし、盤上での戦いの様子や対局者の心理がよく伝わってきました。

 

本局では、いつもの香からの視点だけでなく、アナスタシアの視点からの描写も多かったです。

対局中の回想でアナスタシアの悩みが語られたのは、意外に感じました。

2巻では明るくて楽しそうなアナスタシアでしたが、学校などで「ガイジン」という目で見られて、幼いながらに苦悩があったんですね。

そんなアナスタシアを救ったのは、やっぱり「天野香織」で、天野はどれだけ人の人生に影響を与えれば気が済むんだというぐらい、世界は天野を中心に回っています。

「希望を通すためなら逃げるのもアリ」
「大事な時に逃げないで攻める」
というのは、アナスタシアの学びであり、読者にとってもすごく役に立つメッセージだと思いました。

 

アナスタシアは準決勝で敗退となりました。

アナスタシアの名前の意味は「復活」ということで、今後の活躍が楽しみです。

「ーー数年後」という感じで時間が飛んだら、アナスタシアはすごい女流棋士かプロ棋士になっていそうです。

香の成長と天野との再会

香がアナスタシアを感想戦に誘う場面は、香の成長が感じられてよかったです。

いままでは香が周囲の大人たちから一方的に教わる立場だったのに、教える側にもなってきたのだと感じられました。

アナスタシアの方が年下なので、香が教える側になるのは当然だと思われるかもしれませんが、これが1巻とか2巻のエピソードだったら、香の成長が感じられる場面にはならなかったはずです。

これまでの色々なできごとを踏まえたうえでの、感想戦を「どうする?やめる?」だったからこそ、深みを感じました。

 

対局後に香は天野と偶然会ったわけですが、じつは回想ではなく香と天野が会うのは、これが初めてです。

何年も会わなかった後での再会だったはずですが、意外とあっさりとした感じでした。

お互いに意図せず会ったというのと、アナスタシアも一緒だったというのがあったせいでしょう。

もしあらかじめ日程が決まったうえでの再会だったら、香はかなり緊張したでしょうし、物語としても盛り上がりポイントになっていた気がします。

突き抜けられない塔子と奨励会

5巻の表紙では、塔子が泣きながら将棋を指しています。

なので当然、5巻でそういうシーンがあるんだろうなと思って読み進めていたのですが、けっきょく最後までありませんでした

塔子が泣くシーンは、6巻に収録されているのでしょう。

5巻は続きがかなり気になる終わり方でしたが、塔子が須賀田に追い込まれることは予想できます。

 

塔子は1巻のころから香に、
「妙手や鬼手も少ないけど悪手を指さない」
「どんな状況でも95点の手は差し続けられる」
と言われていて、5巻では天野に「そこそこ高いレベル」と評されています。

5巻で明かになったのは、塔子自身もその課題を自覚しているということ。

塔子は「そこそこ高いレベル」から突き抜けられない自分にもどかしさを感じていて、「変わりたい!」と強く願っているのです。

 

「そこそこから突き抜けられない」という点では、香の姉弟子の初音と似ています。

もちろん塔子の方が、初音よりもはるかに高いレベルであり、突き抜けようという意思も強いのですが、「ムリな挑戦をして傷つきたくない」と思っていそうなのが共通点です。

 

塔子は奨励会では二段にすらまるで届かなかったことが、明らかになりました。

奨励会は6級で入会しますが、どうやら級位者のままで退会に追い込まれたようです。

一方で、天野は奨励会では三段にまで行ったことも判明しました。

奨励会には「26歳までに四段」という年齢制限がありますが、天野は現在でも24歳なので、余裕はまだまだあったはず。

女流棋士にならずに、そのまま「プロ棋士」を目指せばよかったのではないかと思います。

天野はなぜ奨励会を退会したのかは、以前から気になっていたのですが、三段リーグにも到達していたということで、ますます興味が増しました。

 

女性が奨励会や三段リーグを戦うことの厳しさについては、こちらの記事に詳しく書きました。

よかったら読んでみてください↓

カバー下の詰将棋は難しかった

恒例のカバー下の詰将棋は5巻にもあって、楽しませてもらいました。

今回の詰将棋はなんと11手詰で、今までのものから一気にレベルアップ!

将棋アマ四段の私ですら1時間くらい考えるほど苦労したので、この詰将棋が自力で解ける人はほとんどいないと思われます。

「永世乙女の戦い方」を監修している女流棋士の香川愛生さんが作ったそうで、力作でした。

 

詰将棋でおもしろかったのが、コロナ禍で変わった社会を反映しているところ。

問題では駒が密集していて、天野が「大変!!密です密!!早く解いてあげないと!!」と、なぜか焦っています。

そして「正解した人にはこの私のサイン入りマスクケースを…」と、天野は賞品まで用意していました。

マスクケースというあたりが、いまの世相を反映しています。

その賞品に香とアナスタシアが食いついているのもほほえましくて、詰将棋の寸劇が毎回楽しいです。

まとめ

「永世乙女の戦い方」は、5巻も見どころがたっぷりで、おもしろかったです。

香はアナスタシアとの熱戦に勝って、決勝に進出。

塔子と須賀田の対局はいいところで終わって、続きが気になります。

私は「永世乙女の戦い方」をきっかけに、くずしろさんの他の作品も読んで、すっかりハマってきました。

「永世乙女の戦い方」の次巻がまた楽しみです。

 

「永世乙女の戦い方」の他の巻の感想も書いているので、よかったら合わせてお読みください↓

 

 

 

「永世乙女の戦い方」5巻の感想、アナスタシア

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