「永世乙女の戦い方」4巻の感想~奨励会での女性の苦悩と香の成長~

「永世乙女の戦い方」4巻での天野香織

「永世乙女の戦い方」の4巻を読みました。新キャラクターと香とのマイナビ女子オープン2回戦の対局が盛り上がって、今回もとてもおもしろかったです。「奨励会での女性の苦悩」も大きなテーマになっていました。

4巻を読んでの感想や考えたことを書いていきます。ネタバレがあるので、まだ読んでいない人は注意してください。

冒頭のイラストはマンガをお手本として見つつ、自分で描きました。8歳当時の天野香織さんです。

 

「永世乙女の戦い方」の他の巻の感想も書いているので、合わせてどうぞ↓

目次

「永世乙女の戦い方」の4巻の内容

「永世乙女の戦い方」の4巻はこちらです↓

 

4巻では、マイナビ女子オープンでの早乙女香vs夏木小百合の対局が描かれました。夏木は新キャラクター。1巻をまるまる使って、夏木の半生を追うような展開でした。

回想シーンでは、病院で師匠と出会って将棋をはじめてたばかりの天野香織も登場。物語としては1回の対局ぶんが進んだだけでしたが、初音との対局を経ての香の成長も描かれていて、中身が濃かったです。

 

香は夏木に勝って、マイナビ女子オープンの準決勝に進出。次はいよいよアナスタシアとの対局だ!というところで4巻は終わりとなりました。

奨励会での女性の苦悩

4巻では夏木の過去を通して、「奨励会での女性の苦悩」について詳しく描かれました。「永世乙女の戦い方」の中でこれは避けては通れないテーマだと思っていたので、いよいよ来たかという感じです。

 

天野香織も角館塔子も、奨励会を退会して女流棋士になりました。さらに、須賀田空は現役の奨励会二段です。主要な登場人物には奨励会とは縁が深い人が多いです。

奨励会を辞めて女流棋士となった天野と塔子の場合、そこには挫折があったことは間違いありません。奨励会に入ったからには、もともとは女流棋士ではなく男性と同じ「プロ棋士」を目指していたはず。
それをあきらめるのは、かなりつらい決断です。そのあたりの精神的な痛みというのは、天野か塔子の過去の回想で語られるのかなと予想していました。

 

それだけに、新たに夏木というキャラクターが登場して、彼女を通して奨励会の苦悩の話が語られたことには、かなり驚きました。
夏木が感じた周囲の男性奨励会員への対抗意識とか、昔からのなじみの仲間がプロ棋士になっていくのに自分はプロになれない焦りとかは、女性奨励会員なら誰にでも共通した思いのはずです。

奨励会員ならではの話は、今後は天野や塔子や須賀田を通してもまた語られるのでしょうか。そうであるなば、今回の夏木の話と内容がかぶってしまう気もします。

 

夏木のように実力不足を感じて奨励会を辞めて女流棋士になるのは、現実でもよくあるパターンです。とはいえ、天野ぐらい強ければ奨励会でも十分に戦えるでしょうから、退会するときには実力不足以外の、何か劇的なエピソードがある気がします。それが明かされるときが楽しみです。

夏木は王将戦のタイトル戦で天野に挑戦します。それはマイナビ女子オープンのタイトル戦の前に行われるようなので、夏木にはまた出番がありそうです。
実力では天野が夏木を圧倒しそうですが、どんな対局になるでしょうか。

成長して主人公らしくなった早乙女香

4巻では、主人公の香の様子が3巻からだいぶ変わりました。ずばり、成長しましたね。
マイナビ女子オープン1回戦での姉弟子の初音との対局が、それだけ香にとって大きなきっかけになったのでしょう。

 

夏木も天野も棋譜を見ただけで香の変化を感じ取っていたように、初音との対局は周囲への反響もかなり大きかったようです。あの対局で香の何が変わったかというと、「香織以外にも目を向けるようになって、世界が広がった」と言えます
香が夏木の人柄を知りたくて師匠の家を訪ねるシーンは、それを象徴していました。それは今までの香なら、ぜったいになかった行動です。

そうやって相手のことを知ろうとしながら対局することで、香は一局の将棋からこれまでよりはるかに多くのことを学べるようになりました。相手の強さをどんどん吸収していくことで、香はこれからどんどん強くなるのでしょう。

 

3巻までの香はなんだかぼんやりしていましたが、4巻で急激に主人公らしくなりました。師匠、母親、塔子、夏木らにかけられた言葉をしっかり消化して、自分の一部にしています。

この香なら一局ごとに強くなるでしょうから、いずれ天野とまともに戦えるようになっても、違和感はありません。いつかは間違いなく実現するはずの天野との対局が、待ち遠しいです。

夏木の外観が変わっていく演出

香と夏木の対局中、夏木の外見が変わっていったのはおもしろい演出でした。
そのときに夏木が発揮している強さを反映して、どんどん若返っていったのです。強さというのは以下の3つです。

  1. 長期休場を挟んだからこその余裕のある今の強さ
  2. 全盛期の対女流に特化した強さ
  3. 奨励会時代の強さ

 

外見が変わって見えるのはマンガの読者だけかと思っていたら、香も対局後のインタビューで「よかったです。夏木先生が、若くて。」と語っていたのがよかったですね。それを聞いた人は意味不明でしょうけれども。

さらにインタビュー中に鼻血が出るという展開もおもしろかったです。将棋マンガだと、対局を盛り上げる演出として鼻血が出るのは見たことがありますが、対局に勝った後での鼻血ははじめて見ました。しかもかわいい女の子の鼻血ですから、すごく独特な表現ですね。

マイナビ女子オープンの勝敗予想

4巻ではマイナビ女子オープンが2回戦まで終了。予想通り順当にベスト4が出そろって、準決勝の組み合わせは以下のようになりました。

  • 早乙女香vsアナスタシア
  • 角館塔子vs須賀田空

 

いよいよ香とアナスタシアの本気の対局です。アナスタシアは2巻で初登場したっきり、3巻でも4巻でもほぼ出番がありませんでした。真剣勝負でどんなふうに香を苦しめてくれるのか楽しみです。

ただ、結果はもうほぼわかっていて、香が勝つのでしょう。主人公ですので。

 

塔子と須賀田の対局はどちらが勝つのか、どちらもあるかと思っていたのですが、4巻を読んで予想がつきました。須賀田が勝ちそうです。

なぜそう思うかというと、3巻と4巻では塔子の出番がけっこうあったのに対し、須賀田はほぼなかったからです。そのぶん、次巻以降にガッツリ見せ場があると思われます。

 

そして、決勝で香が須賀田に勝って、女王である天野とのタイトル戦となるのでしょう。さて、私の予想は当たるでしょうか。

くずしろさんのInstagram

「永世乙女の戦い方」の著者のくずしろさんは、Instagramを更新されています。私も楽しませていただいているので、くずしろさんには感謝です。お気に入りの投稿を紹介します。

 

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見てのとおりの天野さんと塔子さんのラブラブなイラストが中心です。本編を3巻まで読んだだけでは、二人がどれだけ仲がいいのかよくわからなかったのですが、4巻では仲の良さがよくわかりました。

まあさすがに、本編ではインスタで描かれているほど深い関係にはなっていないようですが。

 

インスタを見ていると、くずしろさんは体調が悪かったり気分が落ち込んだりといったことも多いようです。複数の連載を抱える人気漫画家さんですので、忙しさもかなりのものでしょう。そんな中でインスタを更新してくださるのは、本当にありがたいことです。

ただ、くずしろさんががんばり過ぎてしまわないかと心配です。いつ更新がストップしても「くずしろさんは別のことをがんばっているんだな」とファンは思うだけなので、インスタはムリのないペースでやってもらえたらいいなと思います。

ついでに言うと、私自身も「永世乙女の戦い方」のイラストを何枚かInstagramに投稿しています。こんな感じです↓

まとめ

「永世乙女の戦い方」は、4巻もおもしろかったです。新キャラクターの夏木の魅力がありつつ、香の成長も感じられたのがすばらしかったと思います。

香を中心に登場人物たちの結びつきが強まってきて、物語の深みがさらに増しました。次巻以降、マイナビ女子オープンでどんな対局が行われて、何が起きるのか、とても楽しみです。

 

「永世乙女の戦い方」の他の巻の感想も書いているので、合わせてどうぞ↓

 

 

 

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