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「永世乙女の戦い方」第1巻の感想~ストーリーの方向性に注目~

 
「永世乙女の戦い方」第1巻の感想
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「永世乙女の戦い方」第1巻の感想

「永世乙女の戦い方」の
第1巻が発売となりました。

私もさっそく購入して
読んでみて、
面白かったです。

よくある将棋マンガとは
ストーリー展開が
別物になりそうなので、
今後の方向性に注目です。

以下ではネタバレがあるので
注意してください。

冒頭のイラストは
マンガをお手本に自分で描いた
主人公の香ちゃんです。

「永世乙女の戦い方」の紹介

「永世乙女の戦い方」は
将棋を題材にしたマンガ作品。

小学館「ビッグコミックスペリオール」にて
2019年4月から連載されています。

発売されたばかりの
第1巻がこちら↓

 

「永世乙女の戦い方」の第1話は
ネット上で無料で公開されています。

まだ読んでいない方は
こちらからどうぞ↓

 

物語の主人公は
女流棋士であり女子高生でもある
早乙女香(さおとめこう)。

彼女を中心とした
「盤上で戦う、乙女達の話」
です。

作者はくずしろ。

「兄の嫁と暮らしています。」
などの連載を持つ女性漫画家です。

 

監修は香川愛生女流三段。

香川さんは人気女流棋士で、
発信力も大きいです。

私自身、
香川さんのTwitterで
この作品のことを知りました。

YouTubeの自身のチャンネルでも
第1巻の発売に合わせて
告知動画を公開しています↓

怖くてかわいい女の子

私はゆずしろさんのマンガを読むのは
初めてだったのですが、
絵の感じは好感が持てました。

特に女の子の怖い顔が印象的です。

本巻には女の子どうしで
バチバチと火花を散らすシーンが
何度もありますが、
そのときの顔がコワイコワイ。

よくこんな表情が描けるな
と思います。

 

一方で、
香が友達といる場面などでは
かわいい表情も見られるので、
そのギャップがいいです。

それでもまあ、
かわいいのは他のマンガでも
あたりまえなので、
「永世乙女の戦い方」の特徴はやはり
女の子の怖い顔ですね。

物語のカギを握る天野香織

物語のカギを握ることになりそうなのが
天野香織(あまのかおり)。

第1巻を読み解くと、
以下のような人物であることが
わかります。

・女流七棋戦のすべてのタイトルを保持
・対男性棋士の勝率7割超え
・香にはじめて将棋を教えた
・10年経ったら死ぬと自称
_(香と出会った時点で)
・過去に奨励会を退会

 

女流棋界でタイトルを
独占するほどの実力を持ち、
それでも奨励会を
抜けられなかったというのは、
女流棋士の里見香奈さんが
モデルになっていそうです。

女流タイトルが7つになったのは
今年に入ってからのことですが、
「永世乙女の戦い方」では
さっそく最新の情報を
取り入れているのが目を引きます。

最大の謎は、香織が
「10年経ったら、
私死んじゃうと思うから。」

と語っていること。

何か生死にかかわる持病でもあるのか、
あるいは「死ぬ」というのは
あくまで「女流棋士でいられない」
ということのたとえで、
女流棋士を続けられない理由でもあるのか…。

 

ヒントになりそうなのが、
香と最初に将棋を指したときに
手袋をしていること。

手袋をしながら将棋を指すなんて、
通常ではありえません。

手を人には見せられない事情が
何かあったのかも。

とはいえ、
作中に登場する
マイナビ女子オープンのポスターでは
香織は手袋をしていません。

香と香織が出会ってからの数年の間に、
手袋は不要になったのでしょうか。

手袋とセットで気になるのが、
香織がひざ掛けか毛布のようなものを
セーラー服の上から羽織っていること。

これも普通の服装とは思えず、
何か理由があるように感じます。

 

このあたりの奇妙さは、
香織が「館長に用があった」
と語っていたその用件と
関わりがあるのでしょうか。

こうした謎が
どのタイミングで
どのように明かされるのかが
見どころです。

女流棋士、プロ棋士、奨励会

女流棋士を中心とした物語を作ると、
避けては通れないのが
女流棋士とプロ棋士の違い

これが将棋界になじみのない人には
わかりにくいです。

「永世乙女の戦い方」では
この違いの説明に正面から取り組んでおり、
それ自体を物語の軸のひとつにしようとしている
と感じます。

 

第1巻の最後には
須賀田空(すがたうつろ)
という強烈なキャラクターが登場。

マンガとはいえ
あまりに現実離れした
おそろしい言動をとる人物です。

彼女は中学2年生で二段、
「正真正銘のド天才」
という設定。

彼女の登場の直前に、
女流棋士とプロ棋士の違いについて
会話の中で説明がありました。

それはストーリーの流れで
香と空の対決を盛り上げるため
という意味がありますが、
それだけではないと私は思います。

香が憧れる香織が
奨励会にいたという過去もありますし、
今後も奨励会は
物語の中で存在感を持ちそうです。

ストーリーの方向性

第1巻を最後まで読んでもわからないのが、
今後のストーリーの方向性です。

わかりやすい方向としては
香が「香織をつかまえる」
という約束を守ることがあります。

これを実現するには、
いずれかのタイトルに
挑戦すればいいわけなので、
話は単純です。

そのうえ香織に勝って
タイトルを獲ることになれば、
間違いなくかつての約束を
守ったことになるでしょう。

それをふまえて、
タイトル挑戦までの勝負の過程や
勝ち抜くための特訓
を描いていけば、
それはよくある
将棋マンガのストーリーであり、
ひとつの方向性でしょう。

 

ただ、第1巻を読んでみて
「永世乙女の戦い方」は
そういった普通の展開には
ならなさそう
だと感じました。

「香がラスボスの香織までたどり着き、
そして勝ってハッピーエンド」
とはならないのではないかと。

では、この作品は
何を目指して進行していくのか。

「香織をつかまえる」という約束とは
外れたところで、
香は別の目的や目標を持つ
のではないでしょうか。

それが今後のストーリーの
柱になると思います。

そこに奨励会が
関わってくるのではないか
というのが私の予想です。

「永世乙女」というタイトルの謎

「永世乙女の戦い方」という
タイトルにも謎があります。

将棋界で「永世」といえば、
特定のタイトルを規定の回数だけ
獲得した場合に得られる称号。

「永世竜王」「永世棋聖」
などのように使われます。

しかし、「永世乙女」は
そういった意味ではなさそう。

 

以前に企業のCMをきっかけに
「何歳までが女の子か」
というのが世間で話題に
なったことがありました。

それと同じ調子で
「女性は死ぬまで乙女」
という意味でしょうか。

あるいはただ単に、
「永世」と付けるだけで
将棋っぽくなるから、
という理由だったら
ちょっと残念です。

 

中身を最後まで見たときに
「タイトルはそういう意味だったのか!」
と驚かされる作品が
マンガだけでなく映画や小説でも
たまにあって、
私はそういうのが大好きです。

「永世乙女の戦い方」でも
このタイトルに納得の答え
が用意されているかもしれないので、
期待してしまいます。

詰将棋の誤植を発見

オマケの話。

私は「永世乙女の戦い方」を
電子書籍で買ったのですが、
そこには本体表紙と本体裏表紙
収録されていました。

紙の単行本の
カバーをめくったところにある
隠れた表紙。

これは電子書籍版では
見られないことも多いので、
それが収録されていて
うれしかったです。

 

さて、そこには7手詰の詰将棋
その解答が載っています。

けっこう難しい問題なのですが、
私はがんばって自力で解いてから
解答を確認。

結果、
手順は正解していたのですが、
誤植を発見してしまいました。

詰め上がり図で
3四にあるある駒は
本来は馬なのですが、
それが竜になっていた
のです。

 

成り駒の書体は見分けにくいので、
そのミス自体は
よくあるものに思えます。

ただ、その詰将棋には
飛車も竜もまったく登場しないため、
なぜミスをしたのか
不思議な感じがするところ。

問題図には
盤上に馬が2枚あるのですが、
そちらはしっかりと正しい。

それにも関わらず、
本体裏表紙の詰め上がり図で
いきなり竜になってしまっており、
なぜそうなってしまったのか、
残念な誤植になっています。

単行本をお持ちの方は
見てみてください。

 

<2019.10.28追記>

公式ツイッターアカウントで
以下のような告知がされました。

今後はこの誤植が
修正されるようです。

私が電子書籍をいったん消して
再ダウンロードしたところ、
正しく修正されていることを確認しました。

まとめ

「永世乙女の戦い方」は
第1巻が発売されたばかりの
新しい将棋マンガ。

女流棋士が主人公で、
今後のストーリーの方向性が
注目されます。

すでにいくつか出てきている謎が
どのように解き明かされていくか、
続きを読むのが楽しみです。

 

 

 

 

他の将棋マンガの感想も
書いているので、
合わせてどうぞ↓

 

 

 

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