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「頓死(とんし)」と「形作り」、将棋用語の意味を解説

 
「頓死(とんし)」と「形作り」、将棋用語の意味
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梅澤 浩太郎
1987年12月生まれ。群馬県在住。「スキルを進化させつづける人になる」を目標・理念として活動中。私の過去の経験や学んだことをまとめた電子書籍「失敗しない思考法」を今だけ無料でプレゼント中。「将棋マッチ」にて、将棋を教える仕事もしています。

「頓死(とんし)」と「形作り」、将棋用語の意味

将棋用語の「頓死(とんし)」と「形作り」。

聞いたことはあっても、
どういう意味なのかわかりにくいですよね。

どちらも将棋の「形勢」が
深く関わっているのが重要なポイントです。

それぞれどんな意味でどういうときに
使う言葉なのか、
わかりやすく解説します。

「頓死」は勝ちそうなときに使う言葉

まず、将棋用語の「頓死」はどういう意味でしょうか。

手元の国語辞書を見ると
「にわかに死ぬこと」などと書いてあります。

そのまま将棋に置き換えれば
「にわかに玉が詰むこと」となります。

しかし、将棋で「頓死」という言葉が
使われるときには、
それだけの意味ではありません。

重要な要素は、「形勢」です。

 

「頓死した」と言われるのはたいていの場合、
もうほぼ勝ちが決まったという
「勝勢」の側の玉が
詰んでしまったとき

です。

負けそうになっている方の玉が詰んでも
「頓死」とはあまり言いません。

つまり、「頓死」の意味は
「勝ちそうになっている側の玉が、
ミスによって詰んでしまった」

ということです。

 

さらに、「頓死」と言われる場合を
もっと詳しく見てみると、
以下の2つのパターンがあることに気づきます。

①逃げ間違えて頓死
②詰めろに気付かず頓死

 

これらについて、順に説明します。

 

なお、「詰めろ」の用語の意味については
こちらの記事で詳しく解説しています↓

パターン①逃げ間違えて「頓死」

「頓死」という言葉が
一番ふさわしいのがこのパターンです。

例えば、自分が勝ちそうになっていて
相手の玉に「詰めろ」を掛けたときを考えます。

次に自分の攻めの番が回ってくれば、
相手の玉を詰まして勝ちです。

その局面で相手で反撃をして、
逆に自分の玉を詰まそうとしてきました。

このとき、相手の王手に対して
正しく応じていけば詰まないのに、
ミスをして自玉が詰んでしまった

これが「頓死」です。

 

これは私も経験がありますが、
頓死をすると本当に悔しいです。

その王手を防ぎきるだけで勝てたはずが、
あと一歩のところで
勝ちを逃すわけですから。

 

「頓死」と言うときに肝心なのは
「正しく王手をかわしていれば勝っていた」
という状況であること。

もともと負けそうな将棋であれば、
「頓死」とは言わないことが多い
です。

パターン②詰めろに気付かず「頓死」

一方で、
正確に逃げたのに詰んでしまった、
つまりもともと詰んでいた場合であっても
「頓死」と言われることがあります。

相手の王手に対してミスをしたわけではないのに、
「頓死」とされるのはなぜでしょうか。

この場合は、相手の王手が
始まる前にミスがあったということ。

つまり、
「詰めろに気付かなかった」
ということです。

 

例えば、自分が勝勢のときに
相手が詰めろをかけてきたとします。

自分はその詰めろを簡単に解除できるし、
その詰めろさえ解除してしまえば、
相手の攻め駒が不足しているため
それ以上の攻めはない場合。

そんな状況にもかかわらず、
その詰めろに気付かないまま
攻める手を指してしまい、
自分の玉が詰まされてしまった

これも「頓死」と呼ばれるのです。

「形作り」は負けそうなときに使う言葉

このように、
「勝勢」の側の玉が詰まされると
「頓死」と言われます。

同じような場合でも
詰まされる側が「敗勢」のときには
別の言葉がしっくりきます。

それが「形作り」

形勢によって、
使う言葉が違うわけです。

 

「形作り」というのは、
投了したときの局面が美しくなるように
敗勢の側が指し進めること

です。

 

例えば、以下のような状況。

自玉に詰めろがかかっていることには
気付いているが、
その詰めろを解除したとしても
自分が勝つ可能性はない。

そう判断して、
あえて自分の詰めろを解除せずに
攻めの手を指して
相手の玉に詰めろを掛ける。

そして、いざ相手が自分の玉を詰ましにきたら、
一番美しい局面になるまで指して
そこで投了する

これが典型的な「形作り」です。

 

どんな局面が「美しい」のか
という感覚をお伝えするのは難しいのですが、
わかりやすい形作りの条件としては
以下があります。

①負けた側の玉に王手がかかっていて、詰んでいる
②勝った側の玉に詰めろがかかっている
→つまり、「一手違い」の局面である

 

こうした局面が投了図になれば、
将棋がわかる人なら
ひと目見ただけで
どちらが勝ちかがわかりますし、
「一手違い」の熱戦だった
というのも伝わります。

そうした投了図は
「美しい」と言えるでしょう。

 

美しい投了図とはどんなものなのかは、
伝わりにくい話かと思います。

藤井聡太七段のタイトル戦初対局という
注目される一局で
渡辺明棋聖が
まさに「美しい投了図」を実現しており、
具体例としてうってつけです。

こちらの記事に詳しく書いているので、
合わせてどうぞ↓

アマチュアも行う「形作り」

プロ棋士が「形作り」をする意味は、
後世に残る棋譜を美しくするため

投了図は新聞や雑誌に掲載されたりもするので、
それを意識して形作りをする棋士もいます。

 

では、棋譜が人の目に触れることのない
アマチュアは「形作り」をしないのかというと、
そうでもありません。

私が将棋を指していても「形作り」はしますし、
相手が「形作り」をしてくることもあります。

なぜアマチュアも「形作り」をするのか。

それは「形作り」は美しいだけでなく、
勝負に勝つ確率を上げることにもつながる

からです。

 

たとえば、
自玉の詰めろを無視して、
相手の玉に詰めろをかけて
「形作り」をした場合。

それは美しい投了図を作る準備であると同時に、
相手に対して
「もし私の玉を詰まさなかったら、
あなたの玉を詰ましますよ」

とプレッシャーをかけてもいます。

そして、プレッシャーのかかった相手が
王手のかけ方を間違えて詰ますことができず、
そのまま逆転するということが
実際によく起こるのです。

 

また、自玉の詰みに自分は気付いていても、
相手は気付いていない場合もあります。

あるいは、
相手が詰みになんとなく気付いてたとしても、
「詰みそうだけど無理に詰まさなくても勝ちだから
いったん受けに回ろう」
と考えて自陣に駒を投入することもあります。

そうした場合、
自分は「形作り」をしたつもりだったのに
自玉が命びろいをする

ということが起こるのです。

そして、その命びろいが逆転につながることが、
アマチュアの対局ではよくあります。

 

ではもし、
「形作り」をしなかったらどうでしょう。

その場合は、自玉に詰めろがかかったら、
ひたすらその詰めろを解除するだけになります。

すると詰めをかけつづけられるうちに
「一手一手」の状態になって、
ジリ貧で負けてしまう場合が多いです。

相手は攻めて来られるプレッシャーを感じないまま
攻めることだけに専念すればいいので、
ミスが起こりにくいという点も見逃せません。

 

このように、
特にアマチュアの場合の「形作り」は
「美しい投了図を作る」という目的の他に
「勝つ確率を上げるため」にやっている
という面もあるのです。

まとめ

「頓死」と「形作り」という言葉の
意味や使い方について書きました。

これらの用語は
将棋の形勢と深く結びついているので、
「頓死」とあれば勝勢であったことが、
「形作り」とあれば敗勢であったことが、
説明がなくても読み取れる便利な言葉です。

ぜひこれらの用語を
使いこなしてみてください。

 

 

将棋の用語については
こちらの記事も合わせてどうぞ↓

 

 

 

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