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「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想2、八一をめぐる恋のバトル

 
「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想2
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想2

「りゅうおうのおしごと!」は
将棋を題材にしたライトノベル作品。

迫力ある対局の描写など
魅力はたくさんありますが、
見どころの柱のひとつは恋のゆくえ。

主人公の九頭竜八一の周囲には、
八一に好意を寄せる女の子がたくさん。

雛鶴あいと空銀子を中心とする
恋のバトルの末に、
最後には八一はどの子と結ばれるのか。

その見どころに絞って、
第11巻の私の感想を書きました。

ネタバレがありますので
注意してください。

 

なお、冒頭のイラストは
作中のイラストをお手本にして
私が描きました。

ひとつ前の記事と合わせて
幼少期と現在の銀子をセットで描けて
満足しています。

第11巻で恋のバトルが決着

「りゅうおうのおしごと!」の
第11巻はこちらです↓

 

第11巻の感想は
こちらの記事にも書いたので
合わせてどうぞ↓

 

本巻の一番の見どころは、
恋のバトルが大きく進展したことでしょう。

いえ、進展というよりむしろ
最終決着がついてしまいました

八一は銀子を選んだのです。

雛鶴あいと空銀子の一騎打ち

八一に好意を持つ女の子は
たくさんいるものの、
現実的に八一と結ばれることが
ありえそうな選択肢は2つしかない
と私は考えていました。

ズバリ、
雛鶴あいと空銀子の一騎打ちです。

 

そもそも「りゅうおうのおしごと!」の物語は
あいが八一の元に押しかけて
弟子入するところから始まります。

その後も
あいと八一の関わりを中心にして
ストーリーが進行。

普段の生活では
あいと八一は同居しており、
あいが食事を作るなど家事をこなし、
献身的に尽くしています。

あいの両親と真剣に話し合ったり、
あいの実家の温泉旅館では
結婚披露宴のようなものが
行われたりもしました。

これまで長い時間をかけて、
第1巻で初対面だった
あいと八一が結ばれるように、
環境が整えられてきた
のです。

 

物語の中心にいる
圧倒的な強さの雛鶴あいに、
唯一対抗できる存在なのが空銀子。

こちらは
長年にわたって八一と同居して
将棋を指しまくってきたという
アドバンテージがあります。

八一が6歳、銀子が4歳のときから
八一が15歳で師匠の家を出るまで
ずっと一緒
だったのです。

これだけ一緒にいれば、
恋心が生まれるのも当然。

いきなり出てきた小学生に
八一を渡すつもりなどありません。

 

そんなあいと銀子は
第1巻の初対面のときから
相性は最悪。

八一を取り合って
常に激しくバトルを繰り広げており、
「りゅうおうのおしごと!」における
毎回恒例のシーンになっていました。

年齢を考えると常識的な決着

この11巻で八一は銀子と
結ばれることとなったわけですが、
年齢を考えると
これはとても常識的な決着
と言えます。

八一が17歳、銀子が15歳という
2歳の年の差なら普通です。

これがもし、
あいが相手となると
八一が17歳、あいが10歳で7歳差。

しかも大人どうしならともかく、
相手は小学5年生ですからね。

ちょっとヤバい感じがします。

 

しかしそこは
これまでさんざん「ロリコン」
周囲から言われ続けてきた九頭竜八一。

小学生女子を2人も弟子にし、
しかもあいは内弟子にして同居し、
さらに小学生女子の研究会「JS研」を
夜通しで指導するなど、
通常ではありえない行動を
繰り返してきました。

異常な「ロリコン」っぷりが
描写されてきた八一だからこそ、
あいと結ばれるかもしれないと
私は予想していたのです。

 

そのため、
第11巻であっさり銀子を選んだことで
肩透かしをくらった気分です。

これまでさんざん
「ロリコン」を強調してきたのは
あいと結ばれる下地を作るため
ではなかったのかい、と。

にぶい八一がついに決断

銀子と結ばれるのであれば、
ストーリーを第11巻まで
積み上げなくてもできることです。

極端な話、
「師匠の家で過ごした日々によって
お互いに好きになりました」
ということで
第1巻で恋人同士に
することもできたでしょう。

 

そういう展開にならなかった
最大の理由は、
八一が「にぶい」からです。

銀子は何度も
恥ずかしがりながらも
八一に好意を見せてきたのに、
八一はそれに気付かずにスルー。

そんなことが何度もありました。

八一がにぶいのは
あいに対しても同じ。

八一のにぶさゆえに、
この第11巻まで
恋のバトルは常に引き分けだったのです。

 

なので、
本巻で八一が銀子に告白したのは
かなり驚きました。

11巻までにぶい八一を続けて
恋のゆくえを引っ張ったからには、
最終巻まで恋のバトルを続けるのだろう
と私は考えていたからです。

銀子に話題を集中した第11巻

これまでに恋のバトルに
決着がつかなかった他の理由としては、
同じ巻の中であいと銀子の両方が語られてきた
ことが大きいです。

あいと銀子の両方が描写されていると、
八一があいに近づくと
「銀子ちゃんがかわいそう!」
と読者は感じるし、
八一が銀子に近づくと
「あいちゃんを見捨てるのか!」
と読者が感じでしまう。

どちらかと八一が結ばれることを
読者が心から祝える状態を作らないと、
八一に一方を選ばせることは
難しかったのです。

 

その点、第11巻は
作者の白鳥士郎さんによって
うまく作られていました。

銀子の話題だけに絞り、
あいをほとんど登場させなかった
のです。

これによって
読者の頭を銀子でいっぱいにして、
一時的にあいのことを忘れさせる。

そのうえで、
ロマンチックな告白の場を
用意したのです。

これならば、
読者は八一と銀子のことを
素直に祝福できます。

これまでメインヒロインだった
あいが登場しないことには驚きましたが、
ここまで徹底してからでなければ
八一に銀子を選ばせることは
できなかったということだと思います。

あいちゃんが気の毒

11巻を読み終えた時点では
あの星空のシーンの印象が残っているから
「八一と銀子ちゃん、よかったね」
という気持ちでいますが。

改めてあいちゃんのことを考えると
胸が痛みます。

師匠のことが大好きで
毎日健気に食事も作っているのに、
仕事だとウソをつかれている間に
こんなことになってしまうとは…。

 

今後、
恒例の八一を取り合うバトルは
どうなるのか。

いつもはムキになる銀子が
「もう決着はついた」
という余裕の表情を見せたりしたら、
カンの鋭いあいは
一瞬ですべてを理解するでしょう

とんでもなく嫉妬深いあいちゃんに
このことが知れたら、
八一はどうなってしまうのか。

12巻を読むのが
恐ろしい気がしてきました。

私は天ちゃん推し

最後に。

ここまで雛鶴あいと空銀子のことばかり
書いて来ましたが、
みなさんは「りゅうおうのおしごと!」で
一番好きなキャラクターは誰でしょうか。

私の場合は実は、
夜叉神天衣(やしゃじんあい)です。

天(てん)ちゃん推しです。

 

ほとんどの主要キャラが
第1巻から活躍する中、
天ちゃんは第2巻から遅れて登場。

銀子と同じく「ツンデレ」な性格。

しかし銀子とは違って
八一への好意に自分でも気付いておらず
自覚したのは第9巻のラストから。

そうしてようやく
自分の気持ちに素直になり、
これまであいと銀子による
一騎打ちだった恋のバトルに
天ちゃんも本格参戦!
というところでした。

それだけに、
このタイミングで銀子が
勝者に決まってしまったことは
私にとっては少し残念。

素直になった天ちゃんと銀子の
本気のバトルが見たかった…。

 

第11巻では
まったく出番がなかった天ちゃん。

ただ、銀子はあいだけでなく
天ちゃんのことも警戒しているようで、
八一とこんなやり取りがありました。

「……黒い小童(こわっぱ)は?
あっちのほうが
いろいろ厄介なんじゃない?」

「天衣ですか?
あれは俺のことなんか将棋を指す虫ケラ
くらいにしか思ってませんし。
師匠のプライベートがどうなろうと
気にしませんよ」

「はぁ…………前途多難すぎる……」

 

天ちゃんのことを
「黒い小童」呼ばわりする銀子。

そして、ひたすらにぶい八一。

この銀子の心配が前フリとなって、
天ちゃんの逆襲もありえるのか。

とはいえ、あいとは違って
自分の気持ちを素直に言えない天ちゃんは、
銀子との戦いの場にのぞむことすら
簡単ではありません。

第12巻での天ちゃんの動きに注目です。

というか、
この第11巻での扱いを見ると、
天ちゃんの出番が少しでもあれば
喜ばないといけないぐらいかもしれません…。

まとめ

「りゅうおうのおしごと!」第11巻では、
恋のバトルがついに決着。

主人公の九頭竜八一が選んだのは
小学生の雛鶴あいではなく、
高校生の空銀子でした。

あいの存在感を消して
銀子の話題に集中した本巻は、
読者が八一と銀子を祝福できるように
うまく作られていました。

次巻以降で嫉妬深いあいが
どう反応するのかは気になりますが。

私は夜叉神天衣が好きなので、
せっかく天ちゃんが素直になれたタイミングで
銀子が選ばれてしまい、
少し残念です。

 

 

「りゅうおうのおしごと!」の
11巻の感想はこちらの記事にも書いたので
合わせてどうぞ↓

 

 

「りゅうおうのおしごと!」を
読んだことのない人は、
ぜひ第1巻からどうぞ↓

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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