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「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想1、空銀子が「姉弟子」な理由

 
「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想1
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「りゅうおうのおしごと!」第11巻感想1

「りゅうおうのおしごと!」の
11巻が発売になりました。

10巻のラストが衝撃的でしたが、
その続きの物語。

本巻もとても面白かったので、
その感想を書きます。

ネタバレがありますので、
それでもかまわない人のみ
お読みください。

ちなみに冒頭のイラストは
作中のイラストをお手本にして
自分で描きました。

 

こちらの記事も合わせてどうぞ↓

 

「りゅうおうのおしごと!」とは

「りゅうおうのおしごと!」は
将棋を題材にしたライトノベル作品。

2019年8月9日に
第11巻が発売されました↓

 

作者は白鳥士郎さん。

白鳥さんは
叡王戦で観戦記やインタビュー記事を書くなど
幅広く活躍されています。

今や、「りゅうおうのおしごと!」の
読者以外の将棋ファンにも、
白鳥さんは広く知られる存在。

例えば、こちらの記事が有名です↓

 

「りゅうおうのおしごと!」のストーリーは、
16歳で「竜王」のタイトルを獲得した主人公
九頭竜八一(くずりゅうやいち)のもとにある日突然、
小学3年生の雛鶴あい(ひなつるあい)が
押しかけて弟子入りしてくる、
というのが始まり。

八一とあいを中心にして、
登場人物たちの人間ドラマが展開します。

 

「りゅうおうのおしごと!」の
第1巻が出版されたのが2016年1月ですから、
もう3年以上前。

第11巻まで出版していることだけ見ても、
その人気の高さがうかがえます。

2018年1月から3月にかけては
TVアニメも放送されました

私自身、アニメがきっかけで興味を持ち、
ライトノベルも読み始めたものです。

アニメが終わってからも
ライトノベルの最新刊を読み続けており、
今回の11巻も楽しみにしていました。

そして11巻を読んでみると、
これまでとは違うところが
色々あることに気づきました。

空銀子の話題に集中、「姉弟子」の理由も

11巻の大きな特徴は、
ヒロインの一人である
空銀子(そらぎんこ)の話題のみに
集中している
ことです。

「りゅうおうのおしごと!」には
数多くのかわいい女の子が登場します。

これまでも
その中の誰かに焦点を当てることは
ありましたが、
この11巻ほど他のヒロインのことに
言及しなかったことはありません。

特に、
メインヒロインである雛鶴あいが
ほとんど登場しなかった

のは驚きです。

その結果、
11巻は最初から最後まで
銀子を中心に進むことになりました。

読者にとっては
意識を銀子のことだけに集中できるようになった点は
よかったと思います。

 

そして、
ここまで10巻も続いていながら
今まで深く語られてこなかった
銀子とや八一の過去が明らかになりました。

特に注目は
八一が銀子のことを
「姉弟子」と呼ぶことになったきっかけの話。

私も長年将棋界には注目していますが、
人に「姉弟子」と呼びかけるのを
見たことはありません。

「姉弟子って呼ぶのは変だろ!」
というのはこの作品の
ツッコミどころだったわけです。

その理由が明確になったことで、
スッキリしました。

 

もともとは
「銀子ちゃん」と名前で読んでいたのに、
銀子がタイトルを獲った際に
周囲の大人からその呼び方を注意され、
八一は他の呼び方を考えることに。

そこに供御飯万智(くぐいまち)さんの
少し意地悪なアドバイスがあって、
「姉弟子」と呼ぶようになったんですね。

銀子の方が八一より弟子入りが
2週間ほど早い
ので、
たしかに姉弟子であることは
間違いありません。

本巻の後半では
八一がはがんばって昔のように
「銀子ちゃん」
と呼ぼうとしていましたが、
これが定着していくのでしょうか。

次巻以降での呼び方がどうなるのか、
気になるところです。

 

もうひとつ、
銀子の雪の結晶の形をした髪飾り。

これが八一がプレゼントしたもの
だということも
12巻で明かされました。

この髪飾りについては
もともと白鳥さんは考えておらず、
イラスト担当のしらびさんが
銀子を描くにあたって
出したアイデアらしいです。

今回、そこに白鳥さんが
素敵なエピソードを付け加えて
くださいました。

銀子が着用している
カチューシャだけでなく
髪飾りも意味を持った
ことで、
銀子のビジュアルを見る目が
今までとは変わりました。

回想シーンが多い

11巻はいつもにも増して
回想シーンが多かったです。

そして、回想シーンは
1箇所にまとまっておらず、
ところどころに
挿入される形でした。

現在の話があって回想シーン、
話が少し進んでまた回想、
といった感じ。

 

本巻では
ひたすら銀子と八一の行動を追って
ストーリーが進んでいくため、
他の場所の描写を
入れる必要がありません。

その代わりに
回想をたくさん入れて
場面を切り替えていく形になっています。

 

回想では
銀子や八一が将棋を覚えた頃から
現在にいたるまでの長い期間が
通して語られます。

今まで各巻でバラバラに描写されていた話が
時系列順にまとまっている
ので、
その意味でも貴重です。

ここまでの10巻を読んできた人にとっては
いい復習になりますし、
全部は読んでいない人も
11巻を読めばある程度追いつけるのです。

これまでの総集編のように感じました。

イラストが素晴らしい

本巻のクライマックスは何と言っても
星空の下での銀子と八一のキスシーン

作中ではその行為は
「封じ手」と表現されています。

このシーンについて、
イラストを担当する「しらび」さんが
こんなツイートをしていました↓

 

「封じ手」のシーンと
構図を似せているページというのは、
銀子と八一が出会った場面の
ことでしょう。

見開きページの左右に
文章を挟んで
銀子と八一が向き合うように配置されており、
とても印象的です。

 

さらに「封じ手」の場面でのイラストは
一見すると左右で
ひとつながりの絵のように見えます。

ですが実は
右側の絵がキスする「前」、
左側の絵がキスした「後」と
時間の経過まで表現されているのです。

素晴らしい場面で
最高のイラストです。

 

さらにイラストに関しては、
最後の方に見開きページを丸ごと使った
ド迫力のイラストまでも用意されていました。

巻頭カラーページ以外で
見開きのイラストが使われるのは、
「りゅうおうのおしごと!」では
おそらく初めてのこと。

白鳥さんとしらびさんの
新しいことに挑戦する気持ちを感じました。

「君の知らない物語」の感動

最後に、多くの人にとって
どうでもいいだろうけれど、
私が気に入ったネタについて。

「りゅうおうのおしごと!」には、
数多くのネタやパロディ
が盛り込まれています。

アニメ、マンガ、映画など
元ネタは様々。

これらは元ネタを知っていれば
気付いてクスリと笑うことができるのですが、
知らなければスルーしてしまいます。

私自身、
気付いたものが
たくさんある一方で、
よくわからないまま
流してしまっているものも
多数あると思われます。

 

私が11巻で気付いた中で
一番好きなのが
「君の知らない物語」
のネタです。

「君の知らない物語」は
2009年8月12日に発売された楽曲。

「supercell」という音楽グループの
ファーストシングルです。

私は「supercell」も
「君の知らない物語」大好き。

私のiTunesの記録を見ると、
「君の知らない物語」は
今までに1000回以上聴いています

私にとって、
星空といえばこの曲です。

 

なので、八一が銀子と
満天の星空を見上げるシーンでは
自然と「君の知らない物語」のことが
頭に浮かんでいました。

そんなとき、
八一のセリフの中に
「星を見に行こう!」
というフレーズを発見。

これはもしやと思いつつ
読み続けていくと、
「あれがデネブで、あっちが多分アルタイル、ベガ……」
というフレーズまでも。

これらはどちらも、
「君の知らない物語」の中の
特徴的な歌詞です。

そもそも、
八一が星に詳しいなんていう設定は
今までにまったくなかったのに、
その八一がいきなり星の説明を始めるのは
違和感があります。

この違和感は白鳥さんが読者に
「君の知らない物語」の
ネタに気付いてもらうための仕掛け
なのでしょう。

デネブ、アルタイル、ベガと
八一が自然に発言するように
事前に整えすぎると、
そのセリフが印象に残りませんからね。

 

ともかく、
「星を見に行こう!」と
「あれがデネブ〜〜」
のふたつのフレーズが盛り込まれるだけで、
このネタがわかる人の頭の中には
「君の知らない物語」の
メロディが流れ始めます。

これはすごい仕掛けです。

曲名すら持ち出すことなく、
このロマンチックな場面に
BGMを流すことができるのですから。

しかも、
「君の知らない物語」の歌詞は
「好きな人に『好き』と伝えるかどうか」
が主題となっており、
「封じ手」のシーンにぴったり。

 

ライトノベルってすごい表現ができるんだな、
と私は感動しました。

まとめ

「りゅうおうのおしごと!」の第11巻は
メインヒロインの一人である
空銀子の話題を中心にした内容。

多くの回想シーンが盛り込まれており、
銀子がなぜ「姉弟子」と
呼ばれるようになったのかなど、
今まで明かされなかったことが語られています。

作中のイラストは
いつもにも増して素晴らしかったです。

また、
楽曲「君の知らない物語」のネタと
それを盛り込む効果を発見して、
私は感動しました。

 

11巻の感想その2として、
八一が銀子を選んだことについて
詳しく書きました。

合わせてどうぞ↓

 

 

「りゅうおうのおしごと!」を
読んだことのない人は、
ぜひ第1巻からどうぞ↓

 

 

 

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