・どんな勉強をすれば、すらすら書けるようになるんだろう?
・自分が書く文章はどうして読みにくいんだろう?
こうした疑問をお持ちではないでしょうか?文章の書き方に悩む人におすすめなのが、「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」です。
本書では学校で教わることのない「読みやすい文章を書くルール」を学べます。ブロガーやWebライターなど、ネット上に公開される文章を書く人には、特に役立つ本です。
私自身は、これまでに500記事以上の記事を書いてきたブロガーであり、ライターとしてはランサーズの認定ランサーでもあるため、文章を書くことにそれなりの自信はあります。それでも、「新しい文章力の教室」はとても勉強になりました。
この記事では、「新しい文章力の教室」がどんな本で、なぜおすすめなのかを紹介します。最後まで読めば、この本を読むべきかどうかを判断できるようになるでしょう。
「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」
「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」は、こちらの本です↓
初版は2015年なので、少し古い本です。でも、内容はまったく古びていません。
著者は唐木元さんです。「ナタリー」というWebメディアで、長年にわたり新入社員向けのトレーニングを担当してきました。トレーニングを通して磨き上げてきた「ライターとして良い文章を書けるようになるための基本」を詰め込んだのが、「新しい文章力の教室」です。
私が「新しい文章力の教室」を読もうと思ったのは、多くの人がすすめていたからです。Webライター、編集者、インフルエンサーなど、信頼できる人がこぞって、「この本を読むべき」と強調していました。
実際に読んでみると、どうしてここまでおすすめされるのか、その理由がよくわかりました。読んでよかったです。
ちなみに「新しい文章力の教室」と並んでおすすめされることが多いのが、「沈黙のWebライティング」です。こちらの本の書評も書いているので、合わせてチェックしてみてください↓
良い文章とは「完読される文章」である
「そもそも良い文章の定義ってなんだろう?」と、私は疑問に思っていました。それに対する本書の答えは明確です。良い文章とは「完読される文章」のことだ、と定義されています。
私はあまり意識できていませんでしたが、文章を最後まで読んでもらうって、それだけですごいことなんですね。最後まで読んでもらえるだけで、良い文章だと認めてもらえるほどですから。
Webメディアの記事は、少しでも読みにくければ、あっさり画面を閉じられてしまいます。読まれない文章は、存在しないのと同じです。そんなシビアな世界で磨き上げられた技術を、本書では次から次へと大量に学べます。
私たちは学校で「完読してもらうための文章の書き方」なんて、まったく教わっていません。作文などで何か書けば、先生に必ず最後まで読んでもらえます。就職活動のときも、会社で働いていたときも、「完読」なんて意識していませんでした。
だからこそ私たちは「完読される文章」を書くための技術を、基礎から学ぶ必要があるのです。
「新しい文章力の教室」では自分のレベルに合わせて学べる
「新しい文章力の教室」は、以下の5つの章で構成されています。
- 書く前に準備する
- 読み返して直す
- もっと明快に
- もっとスムーズに
- 読んでもらう工夫
これらの章は、基礎から応用までを網羅したレベル順になっているので、誰もが自分に必要な技術を学べます。
たとえば文章を書く基礎がまるでできていない人であれば「書く前に準備する」の内容を実践できるようにすることが大切で、それだけで文章力は大幅にアップします。私なら「もっと明快に」や「もっとスムーズに」の章に、いますぐ使える知識が多かったです。
どんなレベルの人が読んでも学びがあるので、本書はすばらしいです。「難しすぎた」も「簡単すぎた」も起こりにくいため、誰にでもおすすめできます。
「新しい文章力の教室」で特に勉強になったレッスン
「新しい文章力の教室」は、各章に「レッスン」として具体的なノウハウが収められています。レッスン数は全部で77つと盛りだくさんです。レッスンの内容を具体的に紹介するために、私が特に勉強になったレッスンを3つ挙げます。
- レッスン26 漢字とかなのバランスに注意する
- レッスン35 濁し言葉を取る勇気を
- レッスン58 文頭一語目に続く読点は頭の悪そうな印象を与える
では順に詳しく見ていきます。
レッスン26 漢字とかなのバランスに注意する
「文章をビジュアル的にデザインする」技術が紹介されています。漢字が多いと画面が黒っぽくなり、ひらがなやカタカナが多いと白っぽくなります。白黒のぐあいを意図的にコントロールしましょう、と語られているのです。
「文章をデザインする」という発想には、私は驚きました。そんなことは考えたことがなかったからです。
私は「この言葉は漢字で書くべき」「この単語は必ずひらがな」というように、ルールを決めることが良いことだと思っていました。でも厳密なルールを決めるのではなく「画面の白黒のぐあいを考えて漢字にするかどうかを決める」やり方もあるんですね。
文章を書くうえで、まったく新しい視点が手に入りました。
レッスン35 濁し言葉を取る勇気を
濁し言葉を使わないことで、文章にキャッチーさを取り入れて、完読してもらいやすくする技術の紹介です。
濁し言葉とは、たとえば「ニュース7に池江璃花子らが出演する」という一文での「ら」のように、他にもなんらかの存在があることを示す言葉です。その他には「など」「といった」「ほか」といった言葉があります。濁し言葉が多いと、誠実さが保たれる一方で、文章がボンヤリしてしまうと、本書では指摘されています。
「ニュース7に池江璃花子らが出演する」の文章の場合、たしかに出演者は他にニュースキャスターもいるので、「ら」を付けた方が正確な情報です。でも思い切って「ニュース7に池江璃花子が出演する」とした方が、キャッチーで何を伝えたいのかが明確になります。その表現でも、誤った情報を伝えているわけではありません。
濁し言葉は私もつい使いたくなってしまうので、今後は意識して、使わない表現も試してみます。
レッスン58 文頭一語目に続く読点は頭の悪そうな印象を与える
「さらに、〜」「しかし、〜」「そして、〜」といった書き方はやめましょう、という内容です。こうした書き方は私はよくやっていたこので、悪いことだと知って驚きました。
小学生のときに、学校でこう書くように指導された覚えがあって、それを正しいと思って実践していました。「新しい文章力の教室」ではまさに、「小学生の作文のようになってしまうからやめましょう」と説明されています。
学校で学んだことが役に立たないどころか、マイナスになってしまうとは……。社会人になってからも勉強して、自分の中の常識をアップデートしていくことの大切さを、あらためて感じました。
そもそも本書では「接続詞自体を減らしましょう」と解説されています。私は接続詞を使いがちな傾向があったので、合わせて気をつけます。
まとめ
「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」は、文章の書き方を学べる本です。
「完読される文章」を目標として、具体的なテクニックをたくさん学べます。いまどんなレベルにある人も、本書を読めば文章力をアップできるでしょう。
私自身も、この記事を本書の内容を意識して書いてみました。ここまで読んでくださったということは、「完読してもらう」ことに成功したと言えますね。
文章の書き方に悩んでいる人は、読んでみるといいですよ。