この記事で紹介する方法を使って、私は単価交渉をたくさん成功させてきました。例を挙げると、以下のように文字単価が上がったのです。
- 1.5円 → 2円
- 2円 → 3円
- 2.5円 → 3.5円
- 4円→5円
しかも、単価アップに成功したのは私だけではありません。これまでにたくさんのライターさんの相談に乗ってきて、単価交渉のやり方も教えてきました。その結果「梅澤さんに教わったやり方を試したら、単価を上げてもらえました!」と喜びの報告をたくさんもらったのです。
この記事では、私のノウハウを、出し惜しみすることなく「すべて」お伝えしていきます。最後まで読んで実践すれば、あなたも単価アップが実現できるでしょう。単価交渉の極意は以下の5つです。
- 成功しやすい状況を作る
- タイミングを見極める
- 伝え方に気を配る
- 仕事を巻き取って交渉する
- 辞退やむなしで交渉する
濃厚な長い記事ですので、後で見返せるようにブックマークしておくのもおすすめです。
私の公式LINEでは、Webライターとして収入アップするための強力な特典を無料でプレゼントしています。期間限定ですので、以下のボタンから必ず受け取っておいてくださいね。
YouTube動画版
動画で視聴したい場合は、こちらをどうぞ。
知らないと失敗する!3つの前提知識
へたな単価交渉をすると信用を一気に失ってしまい、ライターとしてやっていけなくなるかもしれません。必ず押さえておいてほしい前提知識が、以下の3つです。
- 稼ぐ金額は「単価×量」
- 収入アップはクライアントのコスト増
- 社長の自分が必要
1. 稼ぐ金額は「単価×量」
ライターの収入は「単価×量」で決まります。収入を伸ばしていきたいのであれば、この式はつねに頭の中に置いておきましょう。ここでは以下の3つの内容を解説します
- 「量」を増やすには限界がある
- 「単価」の3つの種類
- 「単価」を上げる手段は2つしかない
1. 「量」を増やすには限界がある
「単価×量」の式で考えれば、稼ぐには単価を上げるか量を増やすか、どちらかしかありません。
手っ取り早く稼ぎたければ、この式で「量」を増やす方法があります。ただし、量を増やせば労働時間と負担が増すことに直結してしまいます。すると収入の目標金額まで到達させるために、以下のようなことが必要になるでしょう。
- 睡眠時間を削る
- 家族との時間を減らす
- やりたいことをガマンする
でも、そんな犠牲を払って収入が増えても、なかなか幸せになれません。もちろん量を増やすことが必要なこともありますが、それだけでは限界があります。
2. 「単価」の3つの種類
単価について知っている人も多いと思いますが、簡単に解説しておきます。まずWebライターの単価は、以下の3種類に分けられます。
- 文字単価
- 記事単価
- 時間単価
もっとも一般的なのが文字単価です。執筆した1文字あたりの報酬が決まっています。文字単価0.5円で4000文字の記事を書けば、報酬は0.5 × 4000 = 2000円、文字単価2円で4000文字なら2 × 4000 = 8000円です。
記事単価では「1記事5000円」「1記事1万円」のように報酬が決まります。ただし、多くの場合「4000字程度」とか「3500〜4500字」のように、目安となる文字数が決められていることが多いです。そのため、実質としては文字数と記事単価はあまり変わりません。
時間単価では「1時間あたり1500円」といった形で単価が決められています。時間単価1500円で4時間働けば、1500 × 4 = 6000円の報酬です。時間単価ならアルバイトをコンビニやカフェなどでやるのと同じような感覚で働けます。
なおこの記事で解説する単価交渉のやり方は、これらの単価のどれでも使えます。
3. 「単価」を上げる手段は2つしかない
すでに一生懸命に働いている人であれば、働く時間を1.5倍とか2倍にするのは現実的にムリかと思います。でも、スキルを高めて単価を1.5倍や2倍にするのは十分に可能です。
では、どうやって単価を上げるかというと、その手段は実はたった2つしかありません。「高単価な新しい案件を獲得する」か「いま関わっている案件で単価を上げる」かです。
このうち、高単価な案件を獲得することに関しては、他の記事で解説しています。まず直接営業で案件を獲得しようという話がこちらの記事です。
一方、高単価なLP制作やメルマガの案件を獲得しようと解説したのがこちらの記事です。
新規案件の獲得は大事ですが、それだけだと収入を伸ばしていくために、次から次へと新規案件に取り組まないといけなくて大変です。ぜひこの記事で「いま関わっている案件で単価を上げる」方法もマスターしてください。単価アップの2つの手段を組み合わせることで、グングン単価を上げていけます。
2. 収入アップはクライアントのコスト増
単価を上げて収入を伸ばすのがうれしいのは、ライター目線での話です。クライアント目線では、ライターに支払うお金が増えることは「コストが増える」ことを意味します。
ライターに発注する立場の知り合いが「ろくに仕事ができないのに、どこかの講座で教わったのか、やたらと単価交渉をしてくる人がいる」と以前に語っていました。
クライアントは自分の手間を減らすためにライターに発注しています。交渉されてやり取りが必要になるのはウザいのだろうなと、私も想像できます。私たちライターとしても、クライアントにそんなふうに思われるのは避けたいですよね。
だからこそ、単価アップの重みを理解しておきましょう。「もっとお金がほしいな〜」という程度の軽い気持ちで、なんとなく単価交渉をするのはいけません。
クライアントが単価を上げてくれたのだとすれば、それは「コストが増えたとしてもこのライターに依頼したい」と思ってくれたからです。「あのライターの単価を上げてよかった」と思ってもらえるように、全力でがんばらないといけません。
3. 社長の自分が必要
個人事業主やフリーランスとしてライター活動をするからには、自分は社長なんだという意識をもっておきましょう。従業員が自分1人の会社なんです。
自分の中に2つの人格を持つようなイメージでいるのがおすすめです。つまり、いままで通りの「一生懸命に働く社員としての自分」とは別に「それを監視しつつ全体の舵取りをする社長としての自分」を持っておきます。
単価交渉をするときには、社長としての自分でクライアントに接します。ここまで話したように、Webライターとして稼げるようになるには、単価アップが欠かせません。しかし、クライアントにとってはコスト増になるのですから、単価交渉は楽ではありません。
でも、社長が単価を上げる努力をしなかったら、社員である自分は、いつまでも安月給で働き続けるしかないんです。社員が休む時間、遊ぶ時間、家族と過ごす時間を作れるかは、社長であるあなたにかかっています。そういう責任を持った社長として交渉すれば、クライアントに「しょうもない交渉をされたな」なんて思われるような言動はしないはずです。
私が相談に乗ってきたライターさんは、真面目で心優しくて気配りができる、すばらしい人が多かったです。でも多くの場合、この社長の意識が足りないと思いました。それもムリはなくて、社長の経験がある人なんてほとんどいません。これまでの人生で、社員やアルバイトなど、雇われる側しか経験がない人が多いと思います。
私だってそうでしたし、最初から「社長の自分」が持てたわけではありません。それでも意識して、少しずつできるようになってきました。ぜひあなたも「社長の自分の人格を作ろう」と意識してみてください。
1. 成功しやすい状況を作る
単価交渉を成功させるためには準備段階が大切です。成功しやすい状況を作るためにお伝えしたいことは、以下の3つです。
- 手放したくない人材になっておく
- 単価アップの可能性を見極める
- 他の案件を確保する
1-1. 手放したくない人材になっておく
あなたが「手放したくないライター」だと思われていなければ、単価を上げてもらえることはありません。なぜなら、クライアントには「あなたの単価を上げる」以外にも「他のライターに依頼する」という選択肢もあるからです。手放したくない人材になるためのポイントは以下の3点です。
- 納期厳守
- 納品物の質が高い
- 受け身にならず積極的
1. 納期厳守
納期厳守は当然です。納期を守れないライターに、単価交渉をする権利はありません。
納期を守れないことがあるライターは、まずは納期までに確実に原稿を出せるようになりましょう。それができるまでは、単価交渉のことは考えなくてOKです。
2. 納品物の質が高い
ライターの自己満足ではなくて「クライアントから見て」質が高いかが大切です。これは修正が多いかどうかでかなり判断できます。修正依頼がほとんどないがことが、まず前提です。
修正依頼がなくても、公開された記事をチェックしてみると、ライターに黙って修正されていることがあります。これもない状態にしたいところです。
自分が提出した記事が、ほとんどそのままメディアで公開されていれば、クライアントは「納品物の質が高い」と思っていると判断できます。
この状態になるには、指摘を受けたらその内容をメモしておいて、記事の提出前にそのメモを見返すのがおすすめです。同じ指摘は二度と受けないようにすることで、どんどん修正が減っていって、納品物の質が上がるはずです。
3. 受け身にならず積極的
ほとんどのライターは、クライアントから別に言われたことやるだけです。そんな中で「これが必要になると思うのでやっておきました」とか、「こういうことを記事で工夫してみました」といったことをやるだけで、すごい人材だと思ってもらえます。
なんなら「この作業はわかりにくいので、私がマニュアル作っておきました。お渡しするので他のライターさんに共有して、自由に使ってください!」といった動きをすれば、クライアントは「このライターを手放したくない」と思ってくれるはずです。
こういったことは、スキルがそれほど高くなくてもできます。普段から「クライアントは何をしたら喜ぶか」を考えて、実行していくクセをつけましょう。逆にこういう行動が一切なくて、いきなり「単価を上げてください」と言ったのでは、受け入れてもらうのは難しいです。
1-2. 単価アップの可能性を見極める
その案件で単価アップしてもらえるかはある程度決まっていて、自分ではどうにもならない部分があります。つまり、どんなに状況を整えて、どんなにうまく交渉しても単価が上がらない場合もあるんです。なぜかというと、クライアントには「予算」があるからです。
用語を先に説明しておくと、ライターが書く記事を最終的に必要とする企業のことを、エンドクライアントと言います。記事制作は以下のような依頼の流れで行われることが多いです。
・エンドクライアント
↓
・記事制作会社
↓
・ディレクター
↓
・ライター
ライターと直接話をするのはディレクターです。ディレクターは記事制作会社から「今月はライター報酬として20万円の予算をあげるから、これで20記事作りなさい」などと、指示を受けています。この例の場合、1記事あたりライターに払える金額は、20万円 ÷ 20記事 = 1万円が上限になります。
この案件で「1記事あたり1万3000円に単価を上げてしてください」とライターが交渉しても、応じてもらえません。ライターがどんなに仕事ができて、すごく信頼関係もできてたとしても、予算の都合で無理なんです。
こうした場合に交渉しても、クライアントと気まずくなるだけであんまりいいことはありません。無理そうであれば、そもそも交渉しない、というのが大事です。自分が交渉する相手が、どれだけエンドクライアントに近くて、予算を割り振る裁量を持っているのかを見極めるようにしましょう。
もしあなたがエンドクライアントと直接つながっているのであれば、単価アップの可能性は高いといえます。私自身、エンドクライアントの社長から直接依頼を受けて、記事を執筆していたことがあります。このときは、単価アップの交渉がすごく楽でした。メッセージを1通送ったら、すぐに「次の記事から単価を上げてOKですよ」と決まりました。あまりにスムーズであっさりしていて、私も驚いたくらいです。
だからそもそも、エンドクライアントと直接つながれる案件を選んで獲得しておくのが、高単価で仕事をするコツだといえます。そうした案件を獲得する方法は、さきほども紹介した以下の記事で解説しています。
1-3. 他の案件を確保する
実は単価交渉をするにあたっては、交渉をする案件だけでなく、他の案件もとても重要です。その理由として以下の2があります。
- 案件がなくなったときに備える
- 心の余裕を作って成功確率を上げる
1. 案件がなくなったときに備える
どんなにやり方に気をつけても、交渉して単価を上げてもらえないこともあります。その場合、クライアントとの関係が悪くなることも覚悟しておかないといけません。
単価交渉をすれば「今の単価では不満だ」と表明することになります。だから、クライアントとしても「ちょっと頼みづらいな。喜んで働いてくれるライターもいるから、今後はそちらに執筆を依頼しよう」となることがあるのです。
だから単価交渉する際には「この案件は続けられなくなるかも」という覚悟が必要です。収入源となる他案件を確保して「この案件がなくなっても収入に困らない」という状態を作っておきましょう。
2. 心の余裕を作って成功確率を上げる
「この案件がなくなったら収入がヤバい」という状況だと、堂々と単価交渉をしにくくなります。そういう気持ちはクライアントにも伝わるものです。すると「どうせどんな単価でもこの案件をやるしかないんでしょ」と足元を見られて、単価交渉が失敗しやすくなってしまいます。
逆に「この案件が仮になくなったとしても問題ない」という心の余裕があれば、それもクライアントに伝わります。強気で交渉すると、要望が通りやすくなるものです。
私自身、単価を上げてもらえたときを振り返ると、たいてい「この案件がなくなったら、空いた時間で別案件の記事をもっと書けるな」と思っていました。具体的な交渉のやり方はこの後の極意で解説しますが、ここでは心の余裕を作ると成功確率は上がることを、覚えておいてください。
2. タイミングを見極める
単価交渉を成功させたければ、思いついたときになんとなくやるのではなくて、タイミングを選ぶことが大切です。では、どんなタイミングがいいのか、お伝えしたいことはこちらの3つです。
- 仕事の内容や条件が変わったとき
- 他のライターとの違いを作れたとき
- 1ヶ月前には交渉を始める
2-1. 仕事の内容や条件が変わったとき
単価交渉をするなら、仕事の内容が変わったときがもっとも交渉しやすいタイミングでしょう。なぜなら「仕事内容が変わったので、単価も変えてください」と自然に提案できるからです。
ライター案件では追加で作業を頼まれることがあります。例を挙げると以下です。ちなみに、こうした別の作業も一緒にやることを「巻き取る」と言います。
- フリー画像の選定
- 図解作成
- WordPressへの入稿
あるいは、納期が短くなるなど、条件が厳しくなることもあります。今までは1週間で1記事ペースだったのに、今後は5日で1記事書いてくれ、あるいは1週間で2記事書いてくれとか、変わることがあるのです。
作業量が増えたり、ライターがムリをしないとできないことを依頼されたりするなら、対価をもらうのは当然です。もし作業内容が増えたのに報酬が変わらなかったら、そのぶんはタダ働きだと言えます。だから交渉するときに、クライアントに申し訳ないと思う必要はありません。
頼まれたタイミングでこんな感じで伝えて交渉しましょう。「そういうことでしたら、報酬を3000円上乗せしてほしいです。それでよければやります」。この後にも解説しますが、具体的な金額を言って「この条件でやります」と言うことが大事です。
とはいえ、交渉はムリにする必要はありません。「わかりました!やります!」と答えて、追加の作業をしたり、納期の短縮に応じたりするのもいいでしょう。ただ、それが1回ではなくて、この先ずっと続くかもしれないということは、頭に入れておきましょう。もしずっと続くなら、そのうち不満がたまるのではないでしょうか。
不満がたまってから交渉しようと思っても、そのタイミングでは交渉しにくいです。なぜなら、クライアントの中では、その作業量や納期で仕事をするのが当たり前になってしまっているからです。後になって「単価を上げてください」と言っても「え?なんで上げないといけないの?」と思われてしまいます。だからこそ「仕事の内容や条件が変わったタイミング」で交渉しましょう。
2-2. 他のライターとの違いを作れたとき
たくさんのライターがいる案件の場合、たいていみんな同じ単価で働いています。その中で交渉をして単価を上げてもらうと、自分だけが他の人より違う単価になって、言ってみれば不平等が生まれることになります。不平等を作るのが嫌だから、単価はみんな同じにしておきたいクライアントは多いのです。
そこで大事なのが、不平等を認めることに関して「クライアントに正当性を与えてあげる」ということです。ライターはみんな同じではなくて「このライターは特別。だから単価も他の人より高い」と思ってもらいましょう。自分が特別になったタイミングなら、単価を上げてもらいやすいです。
クライアントにとって特別になるのは、意外と簡単です。例を挙げると、他のライターよりも「大量に納品する」とか「納期を短くする」とかは、がんばれば誰でもできます。この場合、以下のように交渉するといいでしょう。
「他のライターは1ヶ月に4本納品ですが、私は8記事納品するので文字単価を2円にしてくだい」
「他のライターは1記事あたり1週間の納期ですが、私は3日でやりますので、文字単価を3円にしてくだい」
こうやってクライアントに「このライターは他のライターと違って◯◯だから、単価が高い」という理由を与えてあげると、交渉が成功しやすくなります。応用範囲が広い極意ですので、ぜひ活用してください。
2-3. 1ヶ月前には交渉を始める
単価交渉をするなら、できれば1ヶ月前にはクライアントに言うようにしましょう。つまり、2月に執筆する記事から単価を上げてほしければ、1月のはじめには交渉するべきです。
なぜなら、クライアント側の予算は、1ヶ月ごとに決まっていることが多いからです。例えば、「このメディアの記事作成に使えるお金は、今月は30万円」などと決まっています。エンドクライアントから依頼された制作会社やディレクターは、この予算内でやりくりをしないといけません。ですので、クライアントが単価アップに前向きだったとしても、すぐには応じられないことがあります。
単価アップに応じるのにどれだけ時間が必要かは、エンドクライアントとライターの間にいる関係者の数に大きく左右されます。関係者が多いほど、相談して許可を取るという工程が多くなるので、時間がかかるのです。
それでもたいていの場合、1ヶ月あれば調整できます。エンドクライアントにもっとお金を出してもらうとか、他の予算を削るとか、やりようはいろいろあります。だから、単価を上げてほしいなら、早めに伝えておきましょう。
たとえば、エンドクライアントの社長から直接依頼を受ける案件なら、タイミングも融通がききます。「明日書く記事から単価アップしてください」と交渉したり、なんなら月末に「今月すでに書いた記事も含めて単価アップしてください」と交渉したりすることも可能です。いつまでに交渉が必要かは案件によって違うので、臨機応変に進めましょう。
3. 伝え方に気を配る
いよいよ具体的な交渉のやり方の話に入っていきます。交渉はメッセージを送るか、ビデオ会議で話して行うことが多いでしょう。どちらにしても、単価交渉で気をつけるべきことは変わりません。お伝えしたい内容はこちらの4つです。
- 単価を上げてほしいと率直に伝える
- 希望単価を具体的に示す
- 理由を伝える
- 感謝の気持ちと謙虚な姿勢を示す
3-1. 単価を上げてほしいと率直に伝える
「単価交渉すると発注者に迷惑だ」みたいな思いがある人は、率直に伝えることが苦手な傾向があります。心優しくて思いやりのある人だと遠慮がちになって、単価を上げてほしいという意志が、はっきり伝えられないのです。
クライアントの側から単価アップを言い出してもらえないかと期待すると、ムダなコミュニケーションが増えてしまいます。例えば「私はこんなに頑張ってるんですよ」とか「私は今お金を頑張って稼がないといけないんです」といったアピールをしてしまいます。
でも、そんなことをクライアントに言ったところで「ありがとう」とか「そうなんだ頑張ってね」とか言われるだけです。単価を上げてほしいのかなと思っても、クライアントの側から「じゃあ単価を上げよう!」という話には、普通なりません。
遠回しなアピールしても仕方ないので、率直に単価を上げてくださいと言うことが大事です。そう言えれば「そうなんだ、上げてほしいんだ。じゃあどうしようか」と、具体的な交渉に入っていけます。遠慮がちな人は、とくに気をつけましょう。
3-2. 希望単価を具体的に示す
交渉のやり取りの手間を増やさないためには、希望単価を具体的に伝えることが大切です。ライターが「単価を上げてほしい」とだけ言ってきたら、クライアントは「どれぐらい上げてほしいの?」と思うはずです。
希望単価がわからなければ、良いとも悪いとも言いにくいです。するとクライアントから「どれぐらい上げてほしいの?」と質問させたり、「何円だったら上げられる」みたいな提案をさせることになります。これはまずい状態です。
クライアントは忙しくて仕事が回らないから、ライターに依頼している場合が多いです。にもかかわらず、やり取りの手間が増えたら「なんでライターにお金を払っているのに手間が増えてるの?」と、クライアントからの印象が悪くなります。
だからこそ、交渉ではクライアントが「はい、いいえ」で答えられるくらいの質問を意識しましょう。たとえば「いま1記事あたり1万円の単価ですが、これを1万5000円に上げてください」とかです。いきなり金額を言ったら失礼ではと思うかもしれませんが、むしろいきなり具体的に言ったほうが親切です。
交渉なので「1万5000円はムリだけど1万3000円なら何とかできます。それでいいですか?」といったやり取りが生じるのは仕方ありません。そういう意味のあるやり取りなら、クライアントも納得してくれます。とにかく最初の一言で、へんな気をつかうのはやめましょう。
3-3. 理由を伝える
クライアントの立場で考えると、「単価を上げてほしい」と言われたら「なんでなのかな?」と理由が気になるはずです。だから、これも余計なやり取りを増やさないために、最初の段階で理由を伝えておきましょう。
「単価を何円に上げてください。それはこういう理由だからです」と伝えます。この理由というのは、大きく分けて以下の2つのパターンがあります。
・仕事を巻き取るから
・いまの単価に不満があるから
それぞれのパターンについて具体的にどう理由を伝えて交渉するかは、この後で例文を紹介しながら詳しく解説していきます。理由もセットで最初に示してそこから交渉を始めるべきだと、ここでは覚えておいてください。
3-4. 感謝の気持ちと謙虚な姿勢を示す
依頼をくれるクライアントに対して感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。これは社会人として当たり前のことですが「絶対単価を上げてほしいから、強気で交渉しよう」とか思っていると忘れがちなので要注意です。そして、心の中で思っているだけでは伝わらないので、感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。
べつにクライアントに対してへりくだる必要はありませんが、謙虚な姿勢でいることが大切です。何か正当な理由があるにせよ「単価を上げるのが当然だ」といった態度が感じられると、クライアントにも感情がありますから、応じたくなくなります。
とくに顔を合わせて会話するよりも誤解を生みやすい、メッセージのやり取りでは気をつけないといけません。どういう気持ちで交渉しているのかは、メッセージの文章にもよく反映されます。
不満を感じたりイライラしたりして、気持ちが高ぶったまま単価交渉をすると危険です。心の状態を整えてから、交渉のメッセージを書きましょう。
4. 仕事を巻き取って交渉する
さきほど単価を上げてほしい理由は大きく2つだとお伝えしました。「仕事を巻き取るから」と「いまの単価に不満があるから」です。この極意では、このうち「仕事を巻き取る」場合の単価交渉のやり方を詳しく解説します。お伝えしたいことはこちらの3つです。
- 喜ばれる提案をしている
- 少し高めの単価を示す
- 交渉例文の紹介
4-1. 喜ばれる提案をしている
交渉というと、相手に損をさせて自分だけ得をしようとしているように思えるかもしれませんが、実際はぜんぜん違います。仕事を巻き取る交渉は、クライアントの負担を減らして喜ばれる提案をしているんです。
1つの記事を作るにあたっては、多くの人が関わっている場合があります。たとえば、以下のような感じです。
- 記事のキーワードを考える人
- 構成を作る人
- 本文を書く人
- 画像を用意する人
- WordPressに入稿する人
- 全体を取りまとめるディレクター
この例の場合、1記事を作るまでに6人もの人が関わっています。これだけ大勢の人を管理するのは、クライアントにとっても大変なことです。中には仕事が遅かったり、いいかげんだったりする人もいて、クライアントは頭を悩ませています。
そこであなたの出番です。あなたはこの流れのうちで、記事の本文を書くだけだったとします。納期は必ず守って、きちっといい仕事をしてきました。そうしたら、クライアントに以下のように提案してみましょう。
「本文だけでなくて構成も私がやりましょうか?」
「画像選定も私に任せてもらえませんか?」
するとクライアントも「この人はふだんからいい仕事をしてくれているからお願いしたい」と思うでしょう。交渉を嫌がられるどころか「やってくれてありがとう!」と感謝されます。
提案するときにはセットで、そのぶんの報酬アップもお願いします。他の人に払っていたお金があなたに移るだけなので、クライアントに負担はなくて、いまの予算内でできます。だから、報酬アップが断られることはまずありません。「クライアントに喜んでもらえる提案をしているんだ」というマインドを持っておいてください。
4-2. 少し高めの単価を示す
大幅に単価アップをしてもらうためには、少し高めの単価を示すのが有効です。巻き取る仕事の単価が明確に決まっていない場合、交渉のやり方によって報酬額が大きく変わります。たとえば、ディレクター自身がその仕事をやっているケースです。
たとえば、WordPress入稿の作業が1件あたり1500円くらいかなと思ったら2000円でこう提案してみます。「WordPress入稿も私がやります。その代わり、1記事あたりの報酬を2000円上げてください」。もし提案がそのまま通れば、たくさん報酬がもらえてうれしいですよね。
そうでなくて「ちょっと2000円は無理だから1記事あたり1500円でもいいですか」と言われるかもしれません。それはそれで、予想していた通りなので問題ありません。むしろそれでOKしたら、自分が譲歩したようなイメージが残るので、印象が良くなったりします。
逆に最初に低めの単価を単価を示してしまうと、もらえるはずだった報酬をもらえなくて損してしまいます。クライアントからわざわざ、もっと単価を上げますよと言うことはあまりありません。「安い報酬でやってもらえてラッキー!」と思われるだけです。自分を安売りしないようにしましょう。
こうした交渉が苦手な人向けに、避ける方法もお伝えしておきます。それは「案件を獲得したときに、最初から1記事の作業を丸ごと担当する」ことです。つまり、キーワードはクライアントから指示をもらうにしても「構成作り、本文執筆、画像の用意、WordPress入稿」は、ぜんぶ自分がやります。
この条件で仕事の依頼を受ければ、はじめからすべての作業を巻き取った状態なので単価が高くなりやすいです。しばらくたってから単価交渉するにしても、このすべてをセットにした状態で交渉するので回数が少なくて楽です。案件は「仕事を巻き取った状態で獲得する」のを意識してみてください。
4-3. 交渉例文の紹介
お疲れさまです。いつもご依頼をくださり、ありがとうございます。
突然ですが、ご提案があります。現在〇〇様が担当されているWordPress入稿を、私に任せていただけないでしょうか。それにともなって、記事単価を現在の「7000円」から「9000円」に上げていただけないかと考えております。
私は自分のWordPressブログを運営しており、他案件でもWordPress入稿を担当しているため、問題なく作業を行えます。公開済みの他記事を参照しつつ、同様の装飾をして入稿いたします。
〇〇様のお役に立ちたいと思い、提案いたしました。どうぞご検討をよろしくお願いいたします。
注意点として、例文のコピペはしてほしくありません。メッセージを受け取ったクライアントも、コピペかどうかはかなりわかるものです。だから、実際に単価交渉のメッセージを書くときには、自分の言葉で書くことをおすすめします。そのほうが自分の気持ちがクライアントに伝わって、交渉の成功率が上がるでしょう。
「この人に任せても大丈夫そうだ」と思ってもらえるように、アピールする文を書くことが大切です。この例文でいえば「私は自身のWordPressブログを運営しており、他案件でもWordPress入稿を担当しているため、問題なく作業を行えます。公開済みの他記事を参照しつつ、同様の装飾をして入稿いたします。」の部分です。
こういう文が書いてあると「経験があるみたいだし、気を付けてほしいところもわかっているな」と、クライアントも安心できます。すると即座に「助かります!単価についてもOKです。では次の記事からお願いします。」とか、返信がもらえる可能性が高まります。
5. 辞退やむなしで交渉する
「いまの単価に不満があるから」という理由での「辞退やむなしで交渉する」が最も強力で、単価をグンと引き上げる力を秘めた極意です。ただしすごいパワーがある反面、取り扱い注意な面もあります。この記事をここまで読んだあなたなら、この極意を使いこなす土台ができているでしょう。内容はこちらの4つです。
- 大幅な単価アップが狙える
- 単価を上げる理由を与える
- もっとも低い単価の案件に交渉する
- 交渉例文の紹介
5-1. 大幅な単価アップが狙える
「現在の単価に不満があるので単価を上げてください。上げてくれないなら辞めます」という交渉をお伝えしていきます。ライター側としても、覚悟が必要な交渉で、そのぶん大幅な単価アップが狙えます。というか、単価に不満があって単価交渉をするからには、小幅な単価アップでは満足できないでしょう。
単価交渉の目安として、現在の単価の「1.3倍〜1.5倍」程度を提示するのがおすすめです。私自身、これまでに成功させてきた単価アップの例は以下の通りで、すべてこの範囲内です。
- 1.5円 → 2円
- 2円 → 3円
- 2.5円 → 3.5円
「1.5倍なんて言い過ぎでは?」と思う人もいると思うので、私の体験談を紹介します。私はライター1年目のとき、文字単価1.2円の案件をやっていたことがありました。そのとき、文字単価1.5円に上げてもらえませんかと交渉したんです。これは1.25倍なので小幅な単価アップです。
そのときクライアントからは「単価交渉は、本来であれば受けていないんです。でも、梅澤さんはいい記事を書いてもらっていますから、特別に対応します。1.3円に上げますよ!」と言われました。それを聞いて私は「いやいや、もったいぶったわりに、それってたったの0.1円しか上がってないじゃん。ほとんど変わってないじゃん。」と思ったのです。そして、その案件は断って辞めることにしました。
こんな感じでなので、交渉するのであれば、1.3倍から1.5倍程度を提示しないと正直あまり意味がありません。小幅な単価アップで満足できるなら、現状維持でも困らないでしょうから、交渉はしないでおきましょう。
5-2. 単価を上げる理由を与える
ライターに辞められてしまうとクライアントは困るため、1.3〜1.5倍の単価アップにも応じてくれます。
ライターを探して採用するのは大変です。変なライターを採用してしまうと、やたらとやり取りに手間取ったうえに、ろくな記事を書いてもらえません。いいライターが採用できたとしても、また1から仕事の流れや注意点などを説明して、仕事を進めながら信頼関係を構築しないといけないのです。
だから、苦労をして新しいライターと契約するよりも、あなたの単価を上げて続けてもらったほうがいい、という判断をするのは普通です。あなたがいい仕事をするライターだという前提さえあれば、単価アップには十分に応じてもらえます。
単価を上げることは「がんばってもらったから」「感謝しているから」といった精神的な理由ではなくて、ビジネス上の合理的な判断だというのがポイントです。「単価を上げてもらえなかったら辞退やむなしで交渉する」からこそ、こうした合理的な理由が生まれます。
逆にもし「単価を上げても上げなくても案件を継続する」という姿勢で交渉した場合、どうなるでしょうか。ビジネス上の合理的な判断をしようとすれば、コストが上がらないようにするのが正解ですから、交渉には応じず単価を上げてくれません。
でも、単価を上げてもらえなかったらライターは不満ですよね。だから「単価アップしてくれないなら辞めます」と言って「合理的に考えて単価アップしたほうががいい状況」を作るわけです。
これはエンドクライアントとライターの間に、制作会社などの他の関係者がいるときにとくに重要です。合理的な理由を用意してあげれば、制作会社としても単価を上げたときにエンドクライアントに対して、以下のように堂々と説明できます。
「単価を上げないと、優秀なライターに辞められてしまうところでした。やめないように引き止めるために、単価を上げる必要がありました。だから、記事制作の予算を増額してください」
こういうふうに制作会社の人が言えるようにしてあげないと、エンドクライアントから「なんで勝手にライターの単価を上げてるんだ!」と怒られてしまうかもしれません。それは制作会社の人も嫌なので、ライターの単価を上げてくれなくなってしまいます。こういうところまで視野を広げられると、ライターとしてうまく立ち回れるようになっていきます。
5-3. もっとも低い単価の案件に交渉する
どのクライアントに交渉すればいいのか迷うなら「もっとも単価が低い案件」に交渉しましょう。収入を効率よく伸ばしていくには、単価の高い案件に集中して取り組む必要があります。なぜなら、すでにお話した通りライターの稼ぐ金額は「単価×量」で決まり、量をこなすには限界があるからです。例として、以下のような状況を仮定します。
- 抱えている案件は3つ
- それぞれ文字単価は1円、2円、3円
- どの案件でもかかる労力は同じ
- いくらでも依頼はある
この場合、文字単価1円の案件をやるくらいなら、その時間で2円や3円の案件をやったほうが稼げるでしょう。そこで単価1円の案件にこう交渉します。「文字単価を2円に上げてください。上げてもらえなければ、この案件を辞退します。」すると単価交渉が成功するにせよ失敗するにせよ、文字単価1円の案件がなくなって、2円や3円の案件に集中できて収入がアップします。
そうしたら次は、文字単価2円の案件が自分にとって「もっとも低い単価の案件」になります。そこで文字単価2円の案件にこう交渉します。「文字単価を3円に上げてください。上げてもらえなければ、この案件を辞退します」こうして単価交渉の結果がどうであれ、手持ちの案件はすべてが文字単価3円になります。あとは文字単価3円で書きまくれば効率よく稼げるでしょう。
このやり方をしていると、手持ち案件がだんだん減っていきます。だからこそ、直接営業をするなどして、高単価の新規案件を獲得することが重要です。新規案件を取るにしても、最初のうちは文字単価1円でも喜ぶかもしれません。でも、単価交渉も進めていく中で、獲得する新規案件の単価の最低基準も2円や3円などと上げていきます。こうして、新規案件の獲得と単価交渉を組み合わせて、稼ぐ効率を上げていきます。
これが長期的にライターの収入を伸ばしていく方法です。私自身も、この方法でWebライターの仕事を始めて1年で、月収40万円を達成しました。ここでお話したのは、極意の中でも根本の部分の話です。これを理解しておくだけで、普段の行動が変わって、どんどん稼げるようになりますよ。
5-4. 交渉例文の紹介
お疲れさまです。いつもご依頼をくださり、ありがとうございます。突然ですが、お願いがあります。
記事単価を現在の「5000円」から「7000円」に上げていただけないでしょうか。
じつは私は現在、ありがたいことに他社からも多くの依頼を受けております。また、すべて本案件よりも単価が高い状況です。
本案件を継続したい気持ちはあるのですが、現在の単価のままでは、私としても他案件を優先せざるをえません。
〇〇様とは末永くお仕事を続けたいと考えております。どうぞご検討をよろしくお願いいたします。
「辞退やむなしで交渉する」場合はとくに、すでに解説した「感謝の気持ちと謙虚な姿勢を示す」ことが大切です。「単価を上げてくれないと辞めます」という強いことを言うわけですから、言葉選びに気をつけないと、クライアントに悪い印象を持たれてしまいます。
実はクライアントどうしは、知り合いであることが多くてつながっています。悪い評判が広まってしまうと、他の案件に影響する場合があります。十分に気をつけましょう。
交渉の際には、ウソをついたら絶対にダメです。この例文なら「すべて本案件よりも単価が高い状況です」という部分が要注意です。これが事実であれば交渉に応じてもらいやすいでしょう。ただ、ウソをついてあとで本当のことがばれたら、ライターとしての信用を一気に失ってしまいます。
「他はすべて本案件よりも単価が高い」と言えないなら、他の理由を書きましょう。たとえば「より単価の高い仕事に挑戦する時間を確保したい」とか「別のジャンルに挑戦したい」とか、本心を正直に書いたらいいと思います。するとクライアントから「この案件で単価アップはできないけれど、他にこういう案件があるからやってみますか?」と提案してもらえることもあります。
メッセージの最後には「できればこの仕事を続けたい」という旨を書いておくと、印象が良いでしょう。
おまけ:マインド面の話
最後にマインド面の話をお伝えしておきます。以下の2つで、いずれも大事です。
- 本当は自分中心に考えている
- 脳のバグのせい
1. 本当は自分中心に考えている
私がこの記事を書こうと思ったのは、真面目にコツコツがんばっているライターさんの力になりたいと思ったからです。せっかく素晴らしい仕事をしているのに、安い単価でこき使われているライターさんが少なくないのです。私はライターさんの相談に乗ってきて、そういう例をいくつも聞いてきました。
とくに女性に多いです。「え!そんなに低いんですか!」と驚くような単価で、半年とか1年とか続けている人がいます。謙虚で心優しい人が多いので、単価交渉しましょうよ!とアドバイスしても「私なんかが交渉なんてしていいんでしょうか!」という感じの人が多かったです。
とくにこの記事で紹介した5つ目の極意「辞退やむなしで交渉する」に関しては、「お世話になったクライアントにそんなことを言うなんてとんでもない!」と、感じていそうでした。いい人っぽいですよね。
でもぶっちゃけて言うと、そうやって人のことを思いやっているように見えて、実は自分が傷つきたくないだけなんじゃないかな、と私は思います。心の奥底にあるのは「自分がクライアントに変に思われなくない」「自分が案件を失うことになったらイヤだ」という、自分中心の考えです。
だから「クライアントのためを思っている」ことにして、交渉しないことを正当化してほしくないのです。低い単価でガマンしてくれなんて、誰も言っていません。クライアントは、あなたがいまの単価で満足していると思っている可能性が高いです。単価を上げてほしいなら、素直にそう伝えてみましょう。
2. 脳のバグのせい
交渉できない心理的な壁になっていそうなのが「失うのが怖い」という本能です。これはよく言われることですが、人は何かを手に入れる得よりも、何かを失う損のほうを、過剰に大きく感じるそうです。これは人の性格がどうこうではなくて、原始時代にできた脳の仕組みが、現代でもそのまま残っているのです。
原始時代には、つねに「死ぬ」という現実がすぐそばにありました。たとえば、自分が普段いる場所に池があるとします。その池の水は濁っていますが、なんとか飲める程度です。もしこの水に満足せずに、「もっときれいな水が飲みたい!」と、水飲み場を求めて、未知の土地を歩き回ったらどうなるでしょうか。
ライオンとかトラとか、猛獣に襲われて死ぬかもしれません。あるいは、他の部族に見つかって「縄張りを荒らされた!」と袋だたきにされて死ぬかもしれません。こんなふうに、大昔には人は簡単に死にました。だから私たちの脳には、以下のようにプログラムされているのです。
- 新しいことはするな
- いま持っているものを失ってはいけない
- 現状維持をしろ
でも、現代の日本では新しいことをしたからといって、死ぬことはめったにありません。大昔には役立った脳のプログラムは、現在では役立たずの「バグ」になっています。ちなみに、こういうバグを刺激するからこそ、「◯◯をすると損する」みたいなメッセージが有効で、あらゆる場面で利用されています。
単価交渉をすると、いま持っている案件を失ってしまう可能性があります。だから、放っておくと原始時代からのプログラムに流されて「現状でも少しは稼げているんだし、案件を失うリスクをとるよりも、このまま現状維持でいいや」となってしまうのです。
でも、そうやって脳のバグにやられていたら、いつまでも稼げるようになりません。せっかくこの記事をここまで読んでくれたあなたには、そうなってほしくないのです。この機会に、わたしたちの脳にはそういうバグがあることも知っておいてください。自分の脳をうまく使えるようになりましょう。
まとめ:単価交渉の5つの極意
- 成功しやすい状況を作る
- タイミングを見極める
- 伝え方に気を配る
- 仕事を巻き取って交渉する
- 辞退やむなしで交渉する
かなり詳しく解説したので、この記事を読みながら手を動かすだけで、良い単価交渉ができるでしょう。ぜひ単価交渉に挑戦して、ライターとして稼げるようになって、理想とする未来を実現してほしいです。
私の公式LINEでは、Webライターが稼げるようになるのをサポートする豪華な特典を、無料でプレゼントしています。交渉の前提となる文章力を磨くための「執筆準備シート」もお渡ししています。
期間限定ですので、以下のボタンから必ず受け取っておいてくださいね。