梅澤浩太郎のブログ。

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の書評・感想

 
「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の書評・感想
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梅澤 浩太郎
1987年12月生まれ。群馬県在住。「スキルを進化させつづける人になる」を目標・理念として活動中。私の過去の経験や学んだことをまとめた電子書籍「失敗しない思考法」を今だけ無料でプレゼント中。「将棋マッチ」にて、将棋を教える仕事もしています。

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の書評・感想

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」という本を読みました。信じられないような「2030年にはこうなるぞ!」といったインパクトの大きい話が満載で、とてもおもしろい本でした。

私が気になるのは、「ほんとうに本に書いてある未来は実現するのだろうか?」ということです。2030年まであと9年しかないのに、それほど急激に変化は進むものなのでしょうか。

本書の内容を紹介しつつ、「本に書いてある未来はやってくるのか」を考えました。

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」とは

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」は、こちらの本です↓

 

日本では2020年12月に発売されたばかりの本です。

著者はピーター・ディアマンディスとスティーブン・コトラー。

お二人はアメリカでは有名人で、これまでに未来予測の本を何冊か書いているようです。幅広い技術領域について深い知識を持っており、それをわかりやすく伝えてくれます。

 

本書では、驚くような未来の姿が次々に示されます。しかも、それらは、あとたった9年で実現するというのです。

「そんなに早く実現するわけがない」と私を含む多くの読者が思うところですが、そんな疑い深い読者に対しても、著者は説得力のある説明を淡々と加えていきます。それを読んでいると「もしかしたら本当にそうなるかも」という気分になってきます。

「コンバージェンス(融合)」がキーワード

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」でいちばん重要なキーワードは「コンバージェンス(融合)」です。

コンバージェンスとは、別々のものに見えるテクノロジーが融合すること。個々のテクノロジーでも特に強力なものとして、本書では以下のものが挙げられています。

  • 量子コンピュータ
  • 人工知能(AI)
  • ロボティクス
  • ナノテクノロジー
  • バイオテクノロジー
  • 材料科学
  • ネットワーク
  • センサー
  • 3Dプリンティング
  • 拡張現実(AR)
  • 仮想現実(VR)
  • ブロックチェーン

 

これらはそれぞれが、すごいイノベーションです。加速しながら進化していくことから、「エクスポネンシャル・テクノロジー」と呼ばれています。

エクスポネンシャルというのは「指数関数的な」という意味で、それだけ進化が早いということです。

 

ただし、これらのテクノロジーはこれまではバラバラに存在しているだけでした。それらが今まさにコンバージェンスを起こそうとしている。だからこそ短期間にものすごい変化が起きるんだ、というのが本書の柱となる主張です。

未来予測の本がアテにならなかった経験

私は未来予測の本はいくつか買って読んできました。そして、期待を裏切られたことが何度もあります。

読んだときは「こんな未来がやってくるんだ!すごい!」と興奮したのに、実際にその「未来」がやってきてみると、「本とは違うじゃないか…」とがっかりさせられるわけです。

本書を読みながら思い出したのが、「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」という本のことです↓

 

「MAKERS」のテーマは、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」でも取り上げられている3Dプリンティング。3Dプリンターによって世界は一変する!という内容でした。著名人のクリス・アンダーソンが言うことととあって、本に書かれた未来はすぐそこにあるような気がしていました。

しかし、2021年になってみると、「MAKERS」に書かれていたほどの大きさの変化はまだ起こっていません。これには「ある原因」があると私は考えています。この原因というのは、「2030年」で書かれた未来に、同じように影響を及ぼすでしょう。

変化が遅い原因は「損失回避性」

なかなか変化が起きない原因とは、人の「損失回避性」です。このことは、「2030年」の中でも軽く触れられています。

 

「損失回避性」とは、いま持っているものを実際より価値があると感じ、未来に手に入るものを実際より価値がないと感じる人間の性質のことです。これによって、「成功するかわからない新しいことにはチャレンジしない。今までどおりでいいや」となりがちです。

大昔の環境で人類が生き延びるためには、損失回避性のバイアスがあった方が都合がよかったのでしょう。「いま住んでいる洞窟を出てもっと良い住みかを探す」のを繰り返していると、猛獣に襲われて死んでしまう確率が高まります。人類には進化の過程で損失回避性が組み込まれていて、私たちはこのバイアスから逃れることができません。

 

この損失回避性のせいで、現実の社会では「技術的には可能だけれど、やらない」という決定が多くなります。「MAKERS」で語られた未来がなかなか実現しないのは、3Dプリンターによって破壊される現在の製造業のシステムを大事に感じつつ、3Dプリンターによる恩恵は小さく感じてしまうからです。

同じことは、「2030年」で語られたすべてのテクノロジーに関しても言えます。本書の中では「2030年のキッチン」といった未来の日常ストーリーが何度も語られます。そして、ストーリーの後によく出てくるのが「ここに登場する技術要素はすべて実現している」といったフレーズです。

 

いくら技術が発展したとしても、その技術が広く使われるようにならなければ、私たちの生活は変わりません。そして、広く使われるようになるかは、「私たちが損失回避性を乗り越えて変化を受け入れられるかどうか」にかかっています。

私はこのことがわかってきたので、もし「2030年」が予言した未来が2030年にやって来なくても、著者のお二人を責める気にはなりません。

コンバージェンスを理解して意思決定するリーダーが必要

世界中の科学者、技術者、起業家らの努力のおかげで、すばらしいテクノロジーがすでにあります。2030年までの間に、さらなる進化がつづくことは間違いないでしょう。あとは、その技術要素を実際に使えるかどうかが問題です。

 

この問題が解決されるか否かは、「リーダーがコンバージェンスを理解して意思決定できるか」しだいだろうと私は思っています。新しい技術を使うようになるには、組織のリーダーの意思決定が必要です。リーダーとは企業であればCEOですし、国であれば政権幹部です。

「これまで使っていたものを捨てて、新しい技術を導入する」と決めるのは大きな決断で、これができるようになるためには、その技術をよく理解している必要があります。しかし、リーダーは「その新しい技術の一面しか見えない」ということになりがちです。

人には誰でも、よく知っている得意分野があります。なので、新しい技術を見るときには、その得意分野の中だけで考えてしまいがちなのです。

 

ですが実際には、あらゆるエクスポネンシャル・テクノロジーは、コンバージェンスを起こしています。ある技術を理解するには、自分の得意分野以外のエクスポネンシャル・テクノロジーの面からも見ないといけません。そうしてこそ、その新しい技術の価値を正当に評価して、意思決定ができるのです。

本書の著者のように、幅広い分野について知る人というのは本当に少ないです。いまの科学技術はそれぞれの分野が高度で難しくなっているので、誰もが専門性を高めないと最先端で勝負できなくなっています。そのせいで、科学者や技術者の「タコツボ化」が進んで、広い範囲を見ることができる人が減っているのです。

 

これからの時代のリーダーには、自分の得意分野以外の知識がますます求められます。

「コンバージェンスを理解して意思決定するリーダー」がどれだけ増えるのか、そのリーダーが社会の中でどれだけ重要な地位にいるのか。それが「2030年」が予言する未来が実現するかどうかのカギになりそうです。

まとめ

「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」は、とてもおもしろい本でした。

「エクスポネンシャル・テクノロジー」が「コンバージェンス(融合)」することで変化が加速する、というのが本書の主張です。

人の「損失回避性」が本書が予言する未来の実現をジャマしますが、コンバージェンスを理解して意思決定するリーダーが多くなれば、世界は近いうちに大きく変わるでしょう。

 

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