こんにちは、梅澤です。
私は将棋が趣味なのですが、
昔から将棋が囲碁と同じようなものとして
扱われるのが
気になっていました。
先日も友人に将棋の話をしていたら
途中でなぜか囲碁の話にすり替えられ、
「私は将棋の話がしたいのに・・・」
とさびしく思いました。
私は囲碁を打つこともできるので、
両方を比べられます。
すると私にとっては、
将棋と囲碁はぜんぜん違うのです。
とはいえ、
その感覚をとっさに人に説明するのは難しく、
いままでできないままでした。
そこで今回、
将棋と囲碁の違いを
私なりに改めて整理してみました。
将棋と囲碁の3つの違い
まず結論から。
ゲームとしての性質の違いに注目すると、
将棋と囲碁の違いは以下の3つです。
②将棋:敵を見る、囲碁:土地を見る
③将棋:使う、囲碁:作る
これらについて、
順番に説明します。
違い①将棋:戦争、囲碁:陣取り合戦
将棋:戦争
囲碁:陣取り合戦
まず、将棋と囲碁では
「現実世界の何をゲーム化したものなのか」
という点が違います。
将棋は、「戦争」をゲーム化したもの。
敵軍の大将を殺す、あるいは捕らえる
というのがゲームの目的です。
将棋では、
「玉将(王将)」という駒が
軍の大将に見たてられます。
一方で、囲碁は「陣取り合戦」。
土地が誰のものかを争う、
それが囲碁というゲームです。
ゲームの目的は、
より多くの土地を確保すること
です。
囲碁では、
盤上に引かれた線の交差する場所が
土地に見たてられます。
戦争にしても土地の奪い合いにしても、
人類の歴史のなかで
数かぎりなく行われてきた争いです。
将棋や囲碁が
そうした争いをゲームにしたものだ
という認識を持っているだけで、
これまでとは違って見えるでしょう。
将棋は「戦争」で
囲碁は「陣取り合戦」だということは、
一般的にもよく言われていることです。
ですが、あとの違い2つは、
自分なりに考えた視点です。
違い②将棋:敵を見る、囲碁:土地を見る
将棋:敵を見る
囲碁:土地を見る
将棋は戦争のゲームということもあって、
「敵を見る」ことに特徴があります。
別の言い方をすれば、
戦いを起こすために
敵がいないと成り立ちません。
相手の大将が存在しなければ、
ゲームを終わらせることすら
できないのです。
一方で、囲碁は
敵が存在しなくてもゲームは成立します。
もし敵がいないのであれば、
存在する土地すべてが
争いなく一人のものになって、
それで終わるだけ。
とても平和です。
実際、こんなことがありました。
私が囲碁のルールを覚えたばかりの
子どものころのこと。
私が弟と囲碁をしたところ、
どちらも碁盤の自分の近くの側にだけ
石を置いていきました。
その結果、
まったく戦いが起こらないまま一局が終了
したのです。
そんな碁ばかりやっていても
おもしろくはないでしょうが、
ルール上はなんの問題もありません。
なぜこんなことが起こるかというと、
囲碁において大事なのは「敵」ではなく、
「土地」だから。
囲碁は「土地を見る」わけです。
将棋では土地(盤上のスペース)というのは、
ただ単に駒を置く場所
という意味しかありません。
このように、「敵」と「土地」の
どちらが大事なのかという点が、
将棋と囲碁の大きな違いなのです。
違い③将棋:使う、囲碁:作る
将棋:使う
囲碁:作る
将棋は、すでにある駒を「使う」ゲームです。
飛車や金将など、
駒の種類ごとに動きが決まっており、
それらの個性をうまく利用することによって
勝利を目指します。
一方で、
囲碁で使う石はどれも同じです。
自分と相手とで「黒」か「白」か
という色の違いがあるだけで、
将棋の駒のように
いくつも種類があるわけではありません。
囲碁では、
どれも変わらない石をどこに置くかによって、
個性を「作る」のです。
それぞれの役割を作ってやって、
多くの土地を確保することを目指します。
このように、
将棋の「使う」と囲碁の「つくる」で
感覚には違いがあります。
この感覚の違いは、
どちらのゲームを好きになるか
ということにも
大きく影響していると
私は感じます。
まとめ
以下の3つの点から説明した。
違い①将棋:戦争、囲碁:陣取り合戦
違い②将棋:敵を見る、囲碁:土地を見る
違い③将棋:使う、囲碁:作る
将棋も囲碁もやったことがない
という人には
どちらも同じに見えるかもしれませんが、
実際にやってみると
その違いが実感できると思います。
こうして違いを整理したので、
私も今後、
とっさに人に話したくなったときにも
スムーズに説明できそうです。
将棋と囲碁の
どちらが好きになるかは
感覚しだいなので、
やってみないとわかりません。
私は将棋が
自分に合っている感じがしたので、
そのまま熱中しました。
ぜひ将棋も囲碁も
試しにやってみてください。