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「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」の書評・感想

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「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」の書評・感想

「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」を読みました。狭い専門分野に特化するのではなく、幅広い経験をすることが大事だというのが、本書のいちばんのメッセージです。

 

私自身、昔の専門分野である物理学から離れて、専門特化とは真逆の生き方をしています。そのことに不安もあったのですが、この本から勇気をもらいました。

専門家に対して引け目を感じる人に読んでほしい本です。

 

この記事では、本書の内容を紹介しつつ、私自身の経験や意見をお話します。最後まで読めば「この本を読んでそんなふうに考える人がいるんだ!」と気づきが得られるでしょう。

目次

「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」とは

「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」は、こちらの本です↓

 

著者はデイビッド・エプスタイン。彼自身が幅広い経験をしており、学生のときは環境科学の調査をしていたのに、深夜犯罪担当の記者となり、その後はスポーツ誌のライターとなっています。

本書のメッセージを簡単にまとめると、以下の通りです。

 

  • 早い時期から専門分野に特化しても効果は薄い
  • ある部分では最適でも全体では最悪かもしれない
  • まったく違う分野での経験が問題解決には必要
  • 短期的な成果を求めると長期的な成果が損なわれる
  • よく知っている方法のせいで他の方法が見えなくなる

 

こうした主張が、様々なデータや具体的な事例を元にして、ていねいに語られていきます。一般的な常識とは真逆の主張も多いのですが、読者が持つであろう疑問や反論に答えてくれているので、とても説得力があります。

物理の研究者として専門特化の現場を見た経験

私は東北大学とその大学院の修士課程で物理学を専攻し、超伝導という現象の仕組みを解明するための実験をしていました。そのころから感じていたのは、どの研究者も専門に特化し過ぎているということです。

大学の中には理学部、その中には物理学科があり、さらにその中の物性物理学の実験分野、その中に私たちの研究室がありました。

そんな環境で、研究室のメンバーはみな、自分の専門しか見ていませんでした。となりの研究室で行われていることでさえ、よく理解できないのです。つまり、各研究室は穴を深く掘り進めてはいるけれど、周りはまったく見えないような状況でした。

物理物理学の実験分野という狭い領域の中でさえ、そんな状況でした。周囲から「物理学者」と呼ばれる人でさえ、よく知っているのは物理の中でもごく狭い範囲だけ。それはおかしいと私は思っていたのですが、むしろ研究者の間では、専門特化している方が良いというような雰囲気がありました。

ごく狭い領域のことだけやっている人こそ一流で、幅広い領域のことをやっている人は「なんでも屋」とか言われて、バカにされている感じだったのです。本書では「専門特化ばかりではダメだ」と、はっきり言ってくれているので、すっきりしました。

 

一方で、専門特化ばかりする研究者が無知で悪いのだとは思いません。実際、特化しないと最先端の研究競争には勝てないこともわかるからです。

研究予算を確保するには、国内外の研究者との競争(誰が新発見をするかなど)に勝たねばならず、そのためには幅広い分野について学んだり、回り道をしている余裕はないのが実際のところです。

 

今後、画期的な発見をしたり、社会の大きな問題を解決するためには、RANGE(レンジ)が必要だという本書の主張には納得しました。

では研究者にレンジを身に着けてもらうにはどうすればいいのかというと、レンジを評価する仕組みが必要だろうと思います。専門分野の研究成果だけでなく、他の分野と共同研究をしたり、お互いにアドバイスをし合ったりすることを評価するのです。

簡単なことではないと思いますが、ますます専門特化が進む状況を変えるには、科学業界全体における評価基準を根本から改革する必要がありそうです。そうしないと頭の良い研究者は、求めたれた成果を達成するために、自らの研究の形を専門特化という方向にどんどん最適化してしまいます。

多様な経験をしてきたので活かしたい

私は大学院修了後、転職を挟んで6年半ほど、技術者として働きました。けれど、技術者として働くこと自体が合っていないと感じて、2年ほど前からは個人でビジネスをしています。

私はこれまでに色々なことをしてきました。例えば、以下の通りです。

  • ブログでのアフィリエイト
  • 将棋のマッチングサイトの運営
  • オンライン将棋講師
  • 論理的思考についての本の執筆・公開
  • メールマガジンの運営
  • 論理的思考の独自教材の販売
  • 将棋の音声配信
  • 将棋のKindle本の出版
  • Webライターとしての仕事
  • スマホアプリ作成

 

自力で稼げるようになろうと、チャンスがありそうだったり、興味があることに積極的に挑戦してきました。その結果、やっていることがバラバラで一貫性がなくなったことに、不安を感じていました。

ですがこの本では、こうした私の働き方や生き方を「それで大丈夫だ」と言ってもらえた気がしました。私もまだ33歳ですので、いずれ専門性を磨いていけばいいのかなと思います。

 

すでに物理学という軸はあるので、別の専門性を磨いて加えれば、それだけで2つの軸が持てます。さらに、これまでのビジネスの経験を加えれば、最初から専門特化している人とは違う活躍ができるはずです。

ビジネスの世界で、自分なりの戦い方を探っていくつもりです。

アナロジーを使うように意識する

この本で大きな学びになったのは、「アナロジーを使うことが大きな価値を生む」ということです。

色々な経験をすることが大切とは言っても、なんとなく経験を重ねるだけでは、それをうまく活用できないと私は感じてました。そこで意識するべきなのが、アナロジーです。

 

アナロジーとは、さまざまな事象の間に共通点を見つけ出すこと。この話をするとき、本書では天文学者のケプラーの話がされていました。

ケプラーは当時、誰も考えもしなかった「引力」という力を発見しました。それは、すでに知っていた光、磁力、潮流などのアナロジーを片っぱしから使うことで、思いつけたのです。

 

私は幅広く多くのことを知っておくことの意義を、勘違いしていました。「広い範囲をカバーしておけば、問題となる事柄がその範囲内に収まる可能性が高まるから有利」なのかなと思っていたのですが、そうではないんですね。

アナロジーは、まったくの未知の事柄について考えるときにこそ、力を発揮します。それまでに経験した範囲内に、考える問題があるかどうかは関係ありません。今までの経験を総動員して、色々なアナロジーで問題にアプローチすることが大事なんですね。

 

経験があればそのぶん、多くのアナロジーが試せます。また、ひとつの専門に凝り固まっていなければ、より気軽に多様なアナロジーの間を行ったり来たりできます。

本書で学んだことを活かして、今後はアナロジーを使うことを意識していきたいです。そうしてこそ、人生を迷走しているかのような私の強みが発揮されるのだと思います。

まとめ

「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」の主張は、とても納得できるものでした。

幅広い経験や知識を持つことが、これからの時代にはますます重要になってくるでしょう。

ひとつの分野を徹底して極めた人に引け目を感じている、私のような立場の人は、とても勇気をもらえる本です。

まだ読んだことのない人は、ぜひどうぞ。

 

 

 

 

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