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王手放置の反則への正しい対応と失敗しやすい4つのパターン

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将棋の王手放置

将棋には「王手放置」という反則があります。

・王手放置はどういう反則なんだろう?
・相手が王手放置をしたらどうすればいいの?
・どんなときに王手放置になりやすいんだろう?

こういった疑問に、将棋歴10年以上でアマ四段の私が答えます。

目次

王手放置はどんな反則か

王手放置とは一言でいうと、「自分の玉に王手がかかっているのに、それを防がなかった」という反則です。
または、「自分の指した手によって自分の玉に王手をかけてしまった」という場合も王手放置となります。

いずれの場合も、次の相手の番で自分の玉が取られてしまうことになります。ただし、将棋では相手の玉を取って持ち駒にするということはしません。その代わりに王手放置という反則があるわけです。

王手放置への正しい対応:反則を指摘

では、対戦相手が王手放置をした場合、どうすればいいのでしょうか。結論としては、「反則したことを指摘する」のが正しい対応です。

お手本通りの対応をする小学生に出会ったことがあるので、そのときの経験を書きます。

ある大規模な小学生の将棋大会でのこと。私は審判のアルバイトとして、広い会場でたくさん行われている対局を見て回っていました。

すると、ある少年が着席したまますっと右手を高く挙げているのが目に入りました。私がそこに行ってみると、手を上げた少年の対戦相手は涙目でうつむいています。

「どうかしたの?」と私が聞くと、手を挙げていた少年は「自分がこうやって王手をしたら、この子は王手を防がないでこの手を指した」と教えてくれました。「なるほど、これは王手放置の反則だね。そこで相手の玉を取らないで、審判を呼んだわけだね」と私が確認すると、少年はうなずきます。私は「うん、良い対応だね」と手を挙げた少年をホメました。

それから対戦相手の少年に「これは王手放置だからキミの反則負けになるよ。仕方ないよな?」と言うと、少年は素直にコクンとうなずいてくれました。そこで改めて勝敗を宣言して、その場をおさめたのです。

大会であればこの少年のように、すぐに審判や大会の運営者を呼びましょう。反則負けとして処理してくれるはずです。

このとき、対局時計を使用している場合は、時計を一時停止した方がいいです。対局者どうしで話して処理しようとするとトラブルになる場合もあるので、オススメしません。

また、王手放置をしたからといって、相手の玉を取ってしまうのはマナー違反です。玉を取られた側は負けたうえにイヤな思いをすることになるので、しないようにしましょう。

遊びの対局のときは審判はいないので、相手に「王手放置だよ」と直接指摘して、そこで反則負けで決着です。勝った側がかまわないのであれば、「待った」を許してあげて対局をつづけてもいいでしょう。

王手放置で失敗やすい4つのパターン

王手放置で負けるのは避けたいところですが、特に初心者のうちはついついやってしまいがちです。

そこで、失敗しやすいパターンを4つご紹介します。これらに気をつけて、王手放置をしないようにしましょう。

パターン①相手が動かした大駒の利きに気づかない

飛車や角や桂馬で遠くから王手をされると、それに気が付かないことがあります。

玉の近くに相手の駒がくれば王手だとわかりやすいのですが、遠くからだとうっかりしやすいです。特に角のナナメの利きはわかりにくいので要注意です。

相手の飛車や角や桂馬が動いたときには、それが王手になっていないかしっかり確認しましょう。

パターン②相手が動かしたのとは別の駒で王手がかかる

動かしていない駒によって王手になることがあるので、注意が必要です。

これが起こるのは、飛車や角や香車による王手の場合。これらの駒と玉の間にいる駒を動かした結果、飛車や角や香車の利きが玉のところまで通ってきて、王手となる場合があるのです。

これはパターン①よりも気づくのが難しいです。この王手にすぐに気づけるようになれば初心者レベルを卒業したと言えるぐらいのレベルなので、マスターしてきましょう。

パターン③相手の駒の利きに玉が飛び込む

自分で自分の玉に王手をかけてしまうパターン。「そんなことがあるの!?」と思われるかもしれませんが、あるんです。

まず、相手の駒が利いているマス目に玉を動かしてしまう場合。ありがちなのは、遠くにいる飛車や角や桂馬や香車がにらんでいるところに玉を動かしてしまうこと。遠くにいる駒の利きには気をつけましょう。

パターン④玉以外の自分の駒を動かして王手がかかる

自分の玉に王手をかけてしまうときに、パターン③よりも気づきにくいパターンがあります。それは「相手の駒の利きをさえぎっていた自分の駒を動かして、王手になってしまう」というパターンです。

相手の飛車や角や香車が玉をにらんでいるけれど、自分の駒が壁になって守ってくれていた。その壁になっていた駒を動かしてしまったせいで、相手の駒の利きが玉に直通して、王手になってしまうわけです。

相手の駒の利きを事前に確認していないと避けられない王手放置なので、少しレベルが高いですが、見逃さないようにしましょう。

ネット対局での王手放置の扱いはバラバラ

王手放置をすると反則負けになるのが本来のルール。ですが、ネット対局の場合だと、サイトやアプリによってその扱いはバラバラです。

たとえば、「81道場」であれば王手放置をした瞬間に自動で反則負けになるので、ルール通りです。

一方で、「将棋ウォーズ」だと、王手放置をしても反則負けにはなりません。相手の反則に気づいた場合は、相手の玉を取るように駒を動かすと、そこではじめて勝敗がつきます。
ルール通りではないので、おかしい気がするかもしれませんが、これはこれで理屈があります。

どういうことかというと、将棋盤を使ったリアルな対局であれば、王手放置に対局者がどちらも気づかないということが、よくあるからです。その場合、王手放置があったとしても、そのまま対局がつづきます。
ですから、「将棋ウォーズ」のように自動で反則負けにならない方が、リアルな対局に近いと言えるのです。

このように、王手放置が起こったら自動的に反則にするかしないかというのは、どちらにも理屈があるところ。だから、扱いがバラバラになっているのです。

持ち時間が切れても、反則の瞬間に負け

ネット対局で王手放置が自動で反則負けにならないせいで、勝敗がおかしくなる場合があります。私自身もそのせいで悔しい負け方をしたことがあるので紹介します。

将棋ウォーズで持ち時間「切れ負け」のルールで対局したときのこと。残りの持ち時間が1秒のギリギリのところで、私は相手の玉を詰ましました。「ふぅ、ギリギリで勝ったな」と思った次の瞬間、相手の玉が王手放置の位置に移動してきたのです!
でも、将棋ウォーズでは反則負けにはなりません。慌てて相手の玉を取ろうとしましたが、間に合わずに時間切れ。私の負けとなってしまいました。

本来の将棋のルールであれば、王手放置の反則をした瞬間に反則負けです。なので、残り時間が1秒しかなくて時間が切れたとしても、反則負けの方が1秒早かったという扱いになります。

このように、ネット対局だとリアルな対局ではありえないことが起こることもあるのですが、文句を言っても仕方がありません。アプリの独自のルールに合った戦い方をするしかないです。

まとめ

・王手放置とは→「自分の玉に王手がかかっているのに、それを防がなかった」という反則
・対戦相手が王手放置をしたら→「玉を取るのではなく、反則を指摘する」のが正しい
・王手放置で失敗しやすい4つのパターンを気をつけよう
・ネット対局だと王手放置の反則負けがない場合もある

王手放置はわりとよくある反則です。自分がしないように気をつけるのはもちろん、相手の反則を見逃さないようにすることが勝率アップには大切です。

私は将棋をオンラインで教えているので、興味のある方はこちらからどうぞ↓

将棋の王手放置

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