このブログのアクセスを確認していたら
「ネット将棋棋力下がる」
というキーワードで検索して
アクセスしている人がいました。
どこのどなたかはわかりませんが、
「ネット将棋をやると弱くなるのではないか」
と心配しているようです。
今回はこの疑問に答えてみます。
スバリ、
「ネット将棋で棋力が下がる場合はある」
というのが私の結論です。
それはネット将棋で
悪い「クセ」がついてしまうことに
原因があります。
これはどういうことなのか、
詳しく説明します。
ネット将棋とは
ネット将棋とは、
インターネット上で対局する将棋
のことです。
数年前まではネット将棋といえば
パソコンで対局するもので、
有名なネット将棋としては
「将棋倶楽部24」や「81道場」
があります。
現在ではパソコンより
スマホのアプリで
ネット将棋をするのが主流。
「将棋ウォーズ」や「将棋クエスト」が
代表的どころです。
将棋は一人ではできないので、
相手が必要。
リアルな場で対局するとなると
自分が将棋を指したいときに
相手を探すことが大変なのですが、
ネット将棋なら
いつでもどこでも手軽に対局ができるのが
大きなメリットです。
ネット将棋は
基本的には素晴らしいもの。
適切に利用すれば
棋力を上げることができるのは
間違いないです。
将棋が強くなるには
たくさん実戦を積むことが大切で、
そのためにネット将棋は
大いに活用できます。
ただ、「適切に利用」というのが
意外と難しいのも事実です。
棋力が下がる「クセ」
ネット将棋によって
棋力が下がってしまう場合もあります。
それは、
「深く考えずに指すクセ」
がついてしまったときです。
ネット将棋は
リアルな場で指す場合に比べて
手軽に対局できるのが魅力。
持ち時間も短い場合が多いので、
一局がすぐに終わります。
この「手軽さ」のおかげで
次から次へと対局することが可能です。
しかし、そのせいでただひたすら
目先の勝ち負けだけを追い求める
という状態におちいりがち。
棋力の向上には
「よく考えて次の一手を選ぶ」
ということが必要なのに、
それをしなくなってしまうのです。
将棋が強くなるのには
実戦をたくさんやるのが大切とはいえ、
ろくに考えていない将棋では
いくら対局をこなしても
上達にはつながりません。
むしろ、
ネット将棋にハマる前には
一手一手を真剣に考えていたのに、
ネット将棋のせいで
それができなくなれば、
棋力が下がることもあるわけです。
レーティングや達成率
ネット将棋には
目先の勝ち負けばかりを気にしやすくなる
仕組みがあります。
それは、ほとんどのネット将棋にある
「レーティング」や「達成率」
という数字の存在。
勝てばこの数字が増え、
逆に負ければ減ります。
そして決められた数字を超えると
昇級や昇段をするという
仕組みになっているのです。
「レーティング」や「達成率」が
あることによって、
ネット将棋には「数字を増やす」という
独特な面白さが加わっています。
ただ、「レーティング」や「達成率」は
勝敗にしか関係がないので、
その数字にとらわれていると
将棋の棋力を高めることにつながらない対局が
多くなりがちです。
負け続けて悪循環になった私の経験
ネット将棋で棋力が下がるような
将棋を指してしまいやすいのは、
連敗をしているときです。
私にも経験があります。
私が大学生のときには
ネット将棋といえば
「将棋倶楽部24」が
ダントツで人気。
そこで私は毎日のように
対局していました。
棋力を上げるために
やっていたのですが、
レーティングの数字を
上げるのが楽しくて、
それが目的になっている面も
ありました。
そのころは
「将棋倶楽部24」のレーティングが
将棋の強さを客観的にはかる数字
のように扱われていたのも
熱心にやっていた理由のひとつです。
「○○大学の△△さんは強いらしいよ」
「どのくらい強いの?」
「レーティング2800らしい」
「それは強敵だ」
というように将棋部員の会話に登場する
信頼のおける数字だったのです。
そういうわけで、
私も自分の強さを認めてもらうためにも
レーティング上げをがんばっていました。
ネット将棋を繰り返す中で、
勝っているうちは
しっかりと考えながら対局ができて、
棋力の向上につながっている
感覚がありました。
問題は連敗したときです。
例えば3連敗すると、
レーティングは一気に下がります。
そのレーティングは
1週間かけてコツコツ上げてきたぶん
だったりします。
すると、
「レーティングを取り戻さないと」
と焦って、
すぐにまた対局をすることに。
しかし、焦ってイライラしながらの対局では
冷静に考えることができず、
また負けることが多いです。
するとさらに焦って、
次の対局をすぐにやるのを
抑えることができません。
悪循環です。
そうこうしているうちに
深夜0時を過ぎて
1時になり2時になり、
眠気とネット将棋のやり過ぎで
意識ももうろうとしてきます。
結局は眠気と体力の限界で
どこかのタイミングで
やめざるをえなくなるのですが、
そのころには大幅に負け越して
レーティングも一気に下がっています。
そんな経験を何度もしました。
そんな夜には
対局を10局ぐらいしたとしても、
強くなっている感じは
まったくしませんでした。
むしろ、ろくに考えないまま
とにかく早く決着をつけようとする
「荒い手」が多くなって、
将棋が弱くなっていました。
そのときの経験から、
「ネット将棋で棋力が下がる場合はある」
と私は実感しています。
まとめ
ネット将棋のせいで
棋力が下がることはあります。
それは
「深く考えずに指すクセ」
がついてしまう場合です。
気軽に対局を繰り返せるネット将棋で
「レーティング」や「達成率」
を気にし過ぎると
目先の勝ち負けばかりを気にして
このクセがつきやすいので、
注意が必要です。
では、注意と言っても
具体的どうすればいいのでしょうか。
私が実践して効果的だった
ネット将棋のやり過ぎを止める方法を
こちらの記事に書いたので、
合わせてお読みください↓