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藤井システムはなぜ「システム」と呼ばれる?~穴熊対策の3つの作戦~

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「藤井システム」という言葉を
聞いたことがある人は
多いかと思います。

藤井システムは将棋の戦法の名前で、
四間飛車の作戦のひとつです。

藤井猛九段が生み出したので
「藤井」と付いています。

「藤井」は
藤井聡太七段のことではないので
注意しましょう。

では、藤井システムの「システム」は
何を意味しているのでしょうか。

これは色々な作戦が
「仕組み化されている=システムになっている」
からです。

相手がどう対策してきても、
「相手がこう指してきたら自分はこう指す」
ということが
あらかじめすべて決まっているのです。

と言ってもわかりにくいと思うので、
藤井システムの穴熊対策を例に
「システム」とはどういうことなのか、
藤井システムが大好きな私が解説します。

目次

藤井システムの定義は実はあいまい

藤井システムについて語っていくわけですが、
どういう将棋のことを
藤井システムと呼ぶのかは、
実はけっこうあいまいです。

広い意味では
四間飛車の序盤の指し方すべてが
藤井システム
と言えます。

すべてが「システム」に
組み込まれていると考えれば、
四間飛車に対して
居飛車側がどんな対策で来たとしても、
それはすべて藤井システムの一部だと
言うこともできるのです。

一方で、
かなり狭い意味で
藤井システムという言葉が
使われることもあります。

狭い意味で使われるときに意味するのは
「居飛車穴熊に対して
四間飛車側が居玉のままで攻める作戦」

という場合。

藤井システムの中でも
この作戦が一番独創的で
インパクトも大きいので、
それだけが藤井システムだ
というとらえ方もあるわけです。

広い意味での藤井システム全体を
解説するのは
話が大きすぎて手に負えないので、
ここでは
居飛車が穴熊を目指した場合
にしぼって解説していきます。

そもそも藤井システムは
居飛車への対抗策として
研究が進められてきた歴史があるので、
そこを押さえるのが大事です。

居飛車穴熊対策に話を絞っても、
藤井システムの作戦は
代表的なものだけで3つあります。

そして、その3つの作戦の
どれを選ぶのかは
「システム」として
あらかじめ決まっています。

この「システム」の仕組みがわかると、
棋士がどんな駆け引きを
しているのかがわかって、
とても面白いです。

では、この3つの作戦を
順番に紹介します。

作戦①居玉のまま攻めつぶす

まずひとつ目は、
居玉のままで攻める作戦

これが上でも書いたように、
藤井システムの一番代表的な作戦です。

この場合は
穴熊を目指す居飛車側に対して
ガンガン攻めていきます。

振り飛車側としては、
こういう展開にしたくて
藤井システムを指していると言えます。

これが指せれば
正直負けても本望、
といったところ。

居飛車側としては、
藤井システムに一方的に攻められるのを
嫌がる人が多いです。

そこで、
居飛車がこの形を避けた場合として
2番目の作戦が出てきます。

作戦②急戦に対応する

2つ目は
居飛車が急戦を仕掛けてきて
それに対応する

という作戦です。

居飛車穴熊に組もうとしたところを
居玉のまま攻めつぶすというのが
1つ目の作戦。

藤井システムがすごく
気持ちがいいように見えますが、
実はそれをするために藤井システムも
ムリをしているという面があるのです。

居玉のまま攻めていくためには、
居飛車が穴熊に組む可能性があるかぎり
玉を動かせません。

ですが玉を動かさないことによって、
藤井システム側は
居飛車から攻められた場合に
危険が大きい
のです。

そのことに目をつけて、
居飛車が藤井システムに対して
急戦を仕掛けてくるというのが
よくある形。

プロの実戦例でもここ数年は、
藤井システムに対しては
居飛車はこ急戦をすることが
一番多いです。

通常の四間飛車であれば、
玉をまずは美濃囲いにしっかり囲って
急戦に備えてあります。

その場合であっても
居飛車から急戦を仕掛けるのは
有力な作戦です。

そんな急戦を玉の囲いができていない
藤井システムに対してやれば、
より効果的だろうというわけです。

ですが藤井システム側も負けじと
急戦に対する対応を
システムの一部として用意
しており、
そう簡単には負けません。

それでも藤井システム側には悩みがあります。

急戦への対策をしたいのですが、
あまり急戦を意識して備えすぎると
今度は居飛車側に穴熊を目指されたときに
しっかり攻めることができません。

藤井システムとしては居飛車が
穴熊できても急戦できても
対応できるようにしておかなければならず、
それが難しいのです。

そのため、
居飛車側の藤井システムへの対策としては
急戦が最も有力と考えられてています。

作戦③急戦を見せた手を逆用する

居飛車側の「穴熊」と「急戦」への
対策を紹介しましたが、
その中間とも言える
第3の作戦があります。

それが
急戦を見せた手を逆用する
という作戦です。

これは穴熊が
「急戦をすると見せかけてから
やっぱり穴熊に囲う」
という指し方をしてきた場合の対抗策。

これが忘れられがちな
藤井システムの指し方なので、
ぜひ知ってもらいたいです。

居飛車側からの急戦が
有力な藤井システム対策であることは
上で書いた通り。

ですから藤井システム側としては、
居飛車が急戦を見せる手を指したら
すぐに玉を動かして
急戦に備えなければいけません

具体的には
藤井システム側が先手の場合、
居飛車は「△7四歩」というのが
急戦を見せる手なので、
この手を見たら玉を動かします。

これを利用した居飛車の対応として、
まず「△7四歩」と指して
藤井システム側が玉を動かすのを見て、
それから穴熊に囲うという
指し方があるのです。

すると藤井システム側は
すでに玉を動かしているので、
居飛車穴熊に対する
居玉のままの攻めが
できなくなっています。

居飛車の巧妙な作戦です。

ですが、
藤井システムでは
この作戦に対する対抗策も
システム化されています。

居玉にこだわらずに
美濃囲いにしっかり囲ってから、
三間飛車に振り直して
「▲7五歩」から仕掛ける
のです。

居飛車側は
穴熊にはいちおう組めるものの、
囲いが完成せずに
金銀がバラバラの状態で
仕掛けられてしまいます。

その結果、
藤井システム側が
有利になることが多くなります。

居玉で攻めるわけではないので、
パッと見ただけでは
この作戦は藤井システムには見えません。

ですが実は
この作戦も藤井システムの一部

居飛車が急戦を見せてから
穴熊に囲いに行った場合の対策も
きちんと用意されているという点で、
藤井システムの「システム」としての素晴らしさが
とてもよく現れています。

なお、この作戦は
マンガ「3月のライオン」の
単行本第2巻に登場。

主人公の桐山零くんが使って、
穴熊に組もうとした松永七段を
戸惑わせています。

藤井システムならではの
駆け引きが表現されていて面白いので、
気になる方はぜひ見てみてください↓

まとめ

藤井システムの居飛車穴熊対策の
3つの作戦を紹介しました。

  1. 居玉のまま攻めつぶす
  2. 急戦に対応する
  3. 急戦を見せた手を逆用する

この3つのどれを選ぶのかが
「システム」として決まっていて、
それをめぐる駆け引きがあるのが
藤井システムの面白さです。

藤井システムが
「システム」と呼ばれるのは
こうした意味があってのこと。

藤井システムの将棋を観戦したり
あるいは自分で指すときの
参考にしてみてください。

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