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「3月のライオン」14巻の感想2~「ハチミツとクローバー」の話~

 
「3月のライオン」14巻の感想
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「3月のライオン」14巻の感想

「3月のライオン」14巻の感想のその2。

14巻では「ハチミツとクローバー」の
キャラクターが登場し、
「ハチクロ」ファンにはたまらない
コラボが実現。

それはうれしいこととして、
なぜ「ハチクロ」とのコラボが
14巻という遅いタイミングになったのか、
自分なりに考えてみました。

ネタバレがあるので、
それでもかまわない人だけ
お読みください。

 

感想その1はこちらの記事で、
感動のラストシーンについて書いているので
合わせてどうぞ↓

「ハチクロ」のキャラクターが登場してうれしい

「3月のライオン」14巻はこちら↓

 

「ハチミツとクローバー」は、
「3月のライオン」の前に
作者の羽海野チカさんが長期連載していた作品。

「3月のライオン」と同様、
アニメ化や実写映画化もされた大人気作です。

 

私は「3月のライオン」が好きになってから
同じ作者の漫画ということで
「ハチミツとクローバー」も読んでみたのですが、
すぐに大好きになりました。

なので、14巻に「ハチクロ」の
登場人物たちが出てきてくれて
本当にうれしかったです。

最終話の後に「ハチクロ」の
彼ら彼女らがどうなったのか、
「3月のライオン」14巻の中で
ストーリーの続きを垣間見ることができたのも
良かったですね。

「職団戦」には私も出場経験あり

「ハチクロ」のキャラクター達が登場したのは
「職団戦」という将棋の大会。

これは実在しており、
正式には「職域団体対抗将棋大会」という大会で、
毎年春と秋の2回行われます。

「職団戦」の会場には
東京都内の色々な場所が使われますが、
14巻で描かれた会場は「東京体育館」です。

千駄ヶ谷駅のすぐ近くにあります。

千駄ヶ谷駅は
プロ棋士の対局が行われる「将棋会館」の
最寄り駅だということもあって、
将棋との縁を感じる体育館です。

 

実は私自身も
職団戦には選手として何度か出場
しており、
「東京体育館」で行われた大会にも参加しました。

冒頭の写真は、そのときに撮影したものです。

 

大会に参加したからこそわかるのですが、
「3月のライオン」で描かれている職団戦は
すごくリアルです。

会場内の風景や設備はもちろん、
テーブルやイスの配置、対局中の雰囲気、
さらには参加者に配られるお弁当まで
すべてが実物そっくり

いつもながら、
羽海野チカさんが
しっかりとした取材をもとに
「3月のライオン」を描いてくださっていることが
伝わってきます。

「あとがき」で明かされた羽海野チカさんの構想

14巻のマンガ本編の後の
「あとがき」のようなページの中で、
羽海野チカさんが今回の「ハチクロ」の
キャラクターの登場について語っています。

「3月のライオン」の中でいつか職団戦を描き、
そのときに真中と花元先生と野宮さんの3人に
登場してもらうつもりだったと。

「ハチクロ」の連載中から
職団戦のことまで考えていた
という、
なんとも遠大な構想には驚きました。

その間、なんと12年ですからね。

 

たしかに私も、
「ハチクロ」の9巻の
将棋を指している場面の表紙には
違和感を感じていました。

こちらです↓

 

私は将棋が好きなので
この9巻の表紙を見たときには
「この巻にはこんな場面があるのか!」
と興奮しました。

しかし、期待して本編を読み進めても、
この3人で将棋を指しているシーンは
どこにもなかった
のです。

ですが、今回の羽海野チカさんの
「あとがき」を読んで納得。

9巻の表紙の対局風景は
「3月のライオン」への
伏線だったわけですね。

私の違和感はようやく解消されました。

コラボするまでに12年もかかったのはなぜか

私が不思議に感じるのは、
「なぜ『ハチクロ』とコラボするのに
12年もかかったのか」

ということです。

もっと早い段階で
「ハチミツとクローバー」のキャラクターたちを
「3月のライオン」の物語の中に
登場させることだってできたはずです。

そうすれば、
「ハチクロ」をずっと読んできたうえで
「3月のライオン」も読み始めた
羽海野チカさんのファンを
すぐに喜ばせることができたでしょう。

 

この14巻でも
「ハチクロ」のキャラクターたちは
物語の話の流れの中に
深く関わってくるわけではありません。

この程度の登場でいいのであれば、
極端な話、
第1巻で登場させることだって可能
です。

まず、零くんが審判の仕事で
職団戦に行くという場面を作ります。

そして、たまたま零くんが審判をした対局の中に
「藤原デザイン」のチームがいて、
そのチームの会話を小耳にはさむ。

こういうシーンを
数ページ描くだけで実現できます。

 

とはいえ1巻の時点では零くんが心を閉ざしていて
物語の雰囲気も暗いので、
今回のような「ハチクロ」のキャラの
ドタバタ劇をそのまま描くのは難しそうですが。

でも、零くんの心がほぐれてきた5巻以降であれば、
今回のような感じで
「ハチクロ」の人たちが登場しても
違和感はありません。

14巻ではまったく登場しませんでしたが
二海堂晴信くんを職団戦の会場に送り込めば
すぐに雰囲気が明るくなるので、
「ハチクロ」のキャラクターが
出てくる環境が簡単に整いそうです。

 

私はべつに、
もっと早く「ハチクロ」のキャラクターを
「3月のライオン」に出してほしかった、
と言いたいわけではありません。

ただ、コラボがここまで遅くなったのが
不思議なだけです。

漫画の連載というのは
人気がなくなれば打ち切られてしまう
厳しい世界
です。

「3月のライオン」は早い段階から人気あったので
連載打ち切りになるのは考えにくいですが、
それでもあまりもたもたしていると、
「ハチクロ」のキャラを登場させるタイミングを
永久に逃す可能性だってありました。

 

そういう危険をおかしてまで、
どうして14巻まで「ハチクロ」との
コラボを遅らせたのか

その理由を自分なりに考えてみると、
ある「アイデア」が浮かびました。

まずは、その「アイデア」の前提について
思い出してみましょう。

置きざりにされた川本家の「家」の課題

私の頭に浮かんだのが、
川本家の「家」のことです。

14巻の前半はずっと、
零くんが計画した
「島田八段か林田先生を
あかりさんとくっつけよう」
という話が展開しました。

ここで話の勢いに飲まれて忘れがちなのが、
「あかりさんのお相手」とセットになる
「もうひとつの課題」があったことです。

それこそが、11巻の終わりの方で提示された
川本家の「家」の課題なのです。

 

11巻でひなちゃんとの結婚について
おじいちゃんと話をした零くん。

そのとき、零くんはひなちゃんと結婚すれば
あかりさんが取り残されることに気づき、
真剣にあかりさんのことに思いを巡らせます。

そのときに零くんがまっさきに考えたのが
「家」の問題でした。

零くんが集めていたカタログやパンフの
内容から推測するに、
今の川本家の「家」をリフォームして二世帯住宅にして、
ひなちゃんが結婚しても
あかりさんやモモちゃんと一緒に住み続けられないかと
考えていたようです。

 

「あかりさんのお相手」については、
その後で零くんが
「入れモノだけじゃ駄目なんだ!!」
とひらめいた考えに過ぎません。

そして、そのひらめきが
14巻のあかりさん、島田さん、林田先生の
3人の話につながったわけです。

つまり、「家」の課題の方が
「あかりさんのお相手」の話よりも
順番としては先にあったのです。

 

でも、「あかりさんのお相手」については
色々なお話が続いている一方、
「家」の課題については
11巻で零くんがカタログやパンフで
勉強していたころから話が進んでいません

「川本家」×「藤原デザイン」というアイデア

そこでです。

ここからが私の「アイデア」というか
勝手な妄想ですが。

川本家の「家」を
職団戦に登場した「藤原デザイン」が手がける

というのはどうでしょう。

これならば、
ハチクロの登場人物達が
ごく自然な形で物語の中に入ってきます

おお、我ながらグッドアイデア。

 

藤原デザインが川本家の「家」を
手がけるのだとすれば、
ハチクロの登場人物たちの出番が
14巻まで遅れた理由も説明がつきます

なぜならば、
今の川本家の「家」を
どうにかするのであれば、
それは誠二郎(妻子捨男)の問題を
解決した後でないといけないから。

誠二郎が昔のまま変わらない家に
いきなり上がり込んできて、
家をのっとろうとする。

その話を描いた後でないと
「今の川本家の『家』をリフォームする」とか
「中古物件をリフォームしてから引っ越す」
などとといったお話は描けません。

 

だからこそ、
このタイミングでの職団戦であり、
「藤原デザイン」と
ハチクロのキャラ達の登場
なのです。

「ハチクロ」の彼らがより深く物語に関わるか

そもそも、ハチクロのキャラを登場させたことには
何かストーリーを進めるうえでの
意味があるのではないかと、私は思うのです。

そう思う理由のひとつが、
「藤原デザイン」の共同社長である毬男と類二

 

この二人はこんなに大きく
漫画に登場する必要はなかったはずです。

羽海野チカさんが
職団戦で真中と花元先生と野宮さんの3人
登場させたかったという話は、
「あとがき」に書かれていた通り。

あの3人の登場には理由があります。

では、あのオカマキャラの毬男と類二は。

駒橋高校と藤原デザインの対戦を描くだけなら、
社長二人を登場させる必要はないでしょう。

 

だとすれば。

もしかしたら、この二人も
「3月のライオン」の物語に
今後も登場するのかもしれません。

毬男と類二の丁寧な描写は、
ハチクロのキャラクター達が
より深く「3月のライオン」に関わってくる前触れ

だとは考えられないでしょうか。

アイデアの実現の可能性は低い

「川本家」×「藤原デザイン」という
アイデアについて色々書きました。

こういった話が
今後「3月のライオン」の中で展開すれば、
もっと「ハチクロ」のキャラクター達の姿が見られて、
とても楽しそうです。

では、このアイデアが実現する可能性は
どれぐらいあるでしょうか。

 

正直、私は実現する可能性は
ほとんどない
と思います。

というのも、14巻の中には
「藤原デザイン」が今後も登場する伏線が
まったく見当たらなかったからです。

それに、羽海野チカさんは
「ハチクロ」は「もう完結した話」だと
考えているように思えます。

これ以上「ハチクロ」の登場人物たちに
「3月のライオン」の物語を
かき回されるのは良くない

と羽海野チカさんは考えている気がするのです。

 

となると、気になるのが
14巻での毬男と類二の活躍ぶりの理由ですが。

これはおそらく羽海野さんの単なる遊び心、
というか羽海野さんが
「描きたくなってしまったから描いた」
というだけの気がします。

山崎さんを変な服装で登場させたのも、
おそらく同じ理由でしょう。

スタイルが良くて
どんな服でも似合ってしまう山崎さんのことが、
羽海野チカさんも
ハチクロのアシスタントさん達も
大好きだったようですので。

まとめ

言いたかったことをまとめると、
以下の通り。

「ハチクロ」とのコラボに
時間がかかったのが不思議

その理由を自分なりに考えた

川本家の「家」を「藤原デザイン」が
手がけるためではないか

その通りならうれしいが、
それは単なる自分の妄想であろう

 

「3月のライオン」14巻での
「ハチクロ」とのコラボは、
作者の羽海野チカさんのみならず
「ハチクロ」のファンにとって、
本当にうれしいことでした。

私も「3月のライオン」と「ハチクロ」が
ますます好きになりました。

今後も物語の続きが楽しみですね。

 

「3月のライオン」14巻の感想は
こちらの記事にも書いています。

感動のラストシーンについて
考えてみたので、
合わせてどうぞ↓

 

 

「3月のライオン」14巻はこちら↓

 

 

 

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