将棋の順位戦の降級点、仕組みを図でわかりやすく解説

将棋の順位戦の降級点の仕組み

将棋の順位戦の降級点の仕組みはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、図を使ってできるだけわかりやすく解説します。

読み進めれば、降級点が付く仕組みと消す条件が理解できるでしょう。

(追記)
2020年度から仕組みが一部変更されたので、それを反映した2021年度の最新版にしてあります。

目次

降級点とは何か

最初に、将棋界における順位戦と降級点の全体像を解説します。

順位戦の仕組み

順位戦は以下のような構造になっています。

順位戦の仕組み

そして、順位戦の各クラスごとにリーグ戦が行われます。

その成績によって、所属するクラスが1年に一度だけ変わります。昇級したり降級したりする棋士がいるのです。

まず昇級については、各クラスの成績上位者から毎年決まった人数が昇級します。

各クラスからの昇級人数
  • B級1組:2人
  • B級2組:3人
  • C級1組:3人
  • C級2組:3人

また降級については、A級からは下位2人、B級1組からは下位3人が降級です。

毎年決まった人数が降級
  • A級:2人
  • B級1組:3人

降級点があるのはB級2組、C級1組、C級2組のみ

ここまでは単純なのですが、話が複雑なのがB級2組、C級1組、C級2組の降級の決め方です。

これらのクラスでは、「降級点」という仕組みが使われています。この仕組みは言ってしまえば、成績が悪かった棋士がいきなり降級にならないように作られたものです。

順位戦で下位の成績となってもすぐに降級とはならず、代わりに「降級点」が付きます。この降級点が決まった点数だけたまったときに、はじめて降級となるのです。

B級2組とC級1組では降級点が「2点」たまると降級となります。イメージしやすいように図で表しました。

B級2組とC級1組の降級点の仕組み

まず降級点を持っていない状態から始まって、成績が悪い年があると降級点が付いて「1点」を持ちます。

それだけなら大丈夫なのですが、その「1点」を持った状態で、さらに翌年以降に「1点」が付くと降級となってしまうのです。

また、C級2組の場合は「3点」がたまると降級となります。図にすると以下の通りです。

C級2組の降級点の仕組み

この場合、「2点」を持った状態でさらに「1点」が付くと降級です。3点たまるまで降級しないので、B級2組とC級1組の2点よりも余裕があります。

ただC級2組は順位戦の一番下のクラスであり、そこから降級すると「フリークラス」となってしまいます。

「フリークラス」に落ちるというのは、棋士にとっては大変なことです。「フリークラス」に落ちて10年経つと、「引退」となってしまうからです。

そうした事情があるため、C級2組では「降級点が3点たまるまでは降級しない」という、余裕を持たせた仕組みとされているわけです。

降級点が付く仕組み

では、具体的にどれくらい成績が悪いと、降級点が付くのでしょうか。

降級点が付く人数は、順位戦の成績が各クラスの下位の一定割合と決められており、以下の通りです。

降級点が付く割合
  • B級2組:下位25%(4人に1人)
  • C級1組:下位22.2%(4.5人に1人)
  • C級2組:下位22.2%(4.5人に1人)

——————
(追記)

2020年6月29日に行われた棋士総会で、C級2組の降級点の割合の変更が決定されました。2021年度(第80期)から4.5人に1人となっています。

——————

各クラスの棋士の人数は年度によって変わるので、降級点が付く人数も変動します。

たとえばC級2組で人数が53人であれば、53 × 0.222 = 11.8人で、人数は切り捨てで計算すると決まっているため、降級点が付くのは11人です。

このように各クラスで計算して、その年の順位戦が始まる前には降級点が付く人数が決定されます。第80期順位戦(2021年度)の人数をイメージしやすいように図にするとこうなります。

将棋の順位戦における降級点の人数

昇級するのが3人と少ないのに対して、降級点は多くの棋士に付くことが図から読み取れます。

毎年誰かに必ず降級点が付くわけで、それを逃れようと厳しい競争になるのです。

降級点を消す3つの方法

降級点はたまるだけでなく、消すことも可能です。降級点を消すには、以下の3つの方法があります。

方法①昇級したり降級したりする

昇級や降級によってクラスを移動すれば、降級点はすべて消えます。

C級2組で降級点が2点たまっていたとしても、昇級さえできればそれまでの降級点は関係なくなるわけです。

また何年かして以前のクラスに戻ってきたら、降級点を持っていない状態からスタートします。

方法②勝ち越す

順位戦で勝ち越せば、降級点を1つ消せます。

B級2組、C級1組、C級2組では順位戦は1年に10局なので、6勝4敗以上の成績ならいいわけです。

方法③2年連続で指し分ける

2年連続で指し分けの成績であれば降級点を1つ消せるという決まりもあります。

指し分けというのは、全10局であれば5勝5敗のことです。

2年連続で5勝5敗の成績になれば、降級点が1つ消せます。

C級2組の特別ルール

この降級点を消す方法には、C級2組でだけ例外があります。

C級2組では、ひとつ目の降級点は昇級や降級でしか消せないのです。

一度でも降級点を取ってしまうと、その後でどれだけ勝ち越しても降級点を持った状態から抜け出せません。

なぜこんな決まりがあるのかはわかりませんが、棋士にとっては厳しいルールですね。

まとめ

順位戦の降級点の仕組みについてまとめました。

降級点というものは将棋界の順位戦に独特な仕組みなので、私も最初はよくわかりませんでした。

ただ、いったん仕組みがわかると将棋観戦がもっと面白くなります。順位戦の降級点争いで、棋士の必死さがより伝わってくるのです。

この記事で降級点についてわかるようになれば、うれしいです。順位戦の仕組みについては、こちらの記事も合わせて読むと、さらに理解が深まるかと思います。

他のタイトル戦の仕組みについては、こちらをどうぞ。

将棋の順位戦の降級点の仕組み

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