豊島将之二冠が名人戦挑戦決定!A級順位戦最終局の振り返り

豊島将之二冠が名人戦挑戦決定

豊島将之二冠が
名人戦の挑戦者に
決まりました。

A級順位戦最終局で
久保利明九段に勝利。

去年のA級順位戦からの
豊島二冠のがんばりを
知っていると
「ついにこの時がきたか」
という感動があります。

多くの将棋ファンの
心を揺さぶった
最終局の振り返りです。

対局の情報まとめ

2019年3月1日
第77期順位戦A級 最終9回戦
豊島将之二冠(先手) vs 久保利明九段
静岡県静岡市「浮月楼」
持ち時間:各6時間
開始 9:00
終局 0:24
133手まで 豊島二冠の勝ち
消費時間
豊島:5時間51分
久保:5時間59分

<昼食>
豊島:松花堂弁当(浮月楼)
久保:松花堂弁当(浮月楼)

<夕食>
豊島:ミニカツカレーセット
(冷せいろそば付き)(岩久本店)
久保:ミニカツ丼セット
(冷せいろそば付き)(岩久本店)

今期のA級順位戦の有利な状況

豊島将之二冠の
今期の順位戦の成績は、
最終局前までで7勝1敗

最終局で
久保利明九段に勝てば、
名人戦の挑戦者になることが
決まる
という状況でした。

その豊島二冠を
6勝2敗で追うのが
広瀬章人竜王と羽生善治九段。

この両者が最終局で対戦するため、
どちらかが必ず
7勝2敗となります。

もし豊島二冠が
最終局で負けると、
二人が7勝2敗で
並ぶことになります。

その場合は
広瀬ー羽生戦の勝者と
豊島二冠による
「プレーオフ」の対局が行われ、
その勝者が
名人戦の挑戦者となります。

豊島二冠は
たとえ最終局で負けたとしても、
まだ挑戦者になるチャンスはある

わけです。

ただ、豊島二冠は
昨年のA級順位戦の
「プレーオフ」で、
ひどい目にあっています。

苦しかった昨年のプレーオフ

昨年のA級順位戦でも、
豊島八段(当時)は
最終局に勝てば
名人挑戦が決まる可能性のある
有利な立場でした。

しかし、豊島二が
最終局に負けて、
挑戦者争いは一気に混戦に。

結果として
6人が6勝4敗で並び、
6人によるプレーオフという
過去に例のない事態と
なりました。

プレーオフは
勝ち抜き式のトーナメントで
行われたのですが、
豊島二冠は一気に不利な状況
追い込まれてしまったのです。

トーナメントの組み合わせは
その前年までの成績で決まる
「順位」で決まるのですが、
豊島八段は
「順位」が悪かったため、
挑戦者になるには5連勝が必要
になりました。

最終局に勝っていれば
1勝するだけで
挑戦者になれた有利な立場から、
一気に挑戦者争いの
最下位に落ちてしまったのです。

それでも豊島八段は
がんばりました。

2018年3月は
挑戦者として「王将戦」を戦う
忙しいスケジュールの
合間をぬって対局し、
A級順位戦のプレーオフで
3連勝したのです。

しかし、連勝もそこまで。

4局目に
羽生善治竜王(当時)に敗れ、
名人戦挑戦は
実現しませんでした

しかも、
久保利明王将(当時)との
「王将戦」にも負け、
タイトル挑戦も失敗
となってしまいました。

豊島二冠には、
昨年のA級順位戦のプレーオフの
苦い思い出が
まだ鮮明に残っているはずです。

今期の順位戦最終局を
迎えるにあたって、
豊島二冠としては
「なんとしても勝って
名人戦挑戦を決める、
プレーオフにはしない」

という強い思いが
あったのではないかと
私は推測します。

豊島二冠の
苦しい時期については、
こちらの記事にも
書きました↓

一局の流れ:細い攻めをつないで勝利

①戦型は「角交換振り飛車」

豊島二冠の先手で対局開始。

豊島二冠は初手から
2手連続飛車先を突き、
久保九段に得意の
「ゴキゲン中飛車」
指させないようにします。

対してそれでも久保九段は
それでも「ゴキゲン中飛車」に
こだわろうとしました。

その結果、
戦型は「角交換振り飛車」の
前例が少ない形に。

②2時間5分の大長考で仕掛ける

お互いに駒組みを進め、
12時に昼食休憩に入りました。

13時に対局再開。

再開後、すぐに久保九段が指した
駒組みの一手に対し、
豊島二冠が長考に入ります。

その考慮時間は30分を超え、
1時間を超え、
ついには2時間も超え、
結局、一手に2時間5分を消費

持ち時間が6時間と長い
順位戦とはいえ、
2時間を超える長考というのは
珍しいです。

まだ戦いの始まっていない局面で
これだけ時間を消費するのは、
後で持ち時間が足りなくなる
心配があるので
かなり怖いはず。

それなのに、
この名人挑戦がかかった
大事な一局で
こんな大長考
をするあたり、
豊島二冠はかなり度胸があるなと
感じました。

③豊島二冠が激しく攻めて勝勢

豊島二冠が大長考をして
指した一手は、
ついに戦いを起こす手。

それまでは
お互いに自分の陣形を
整えているだけでしたが、
その一手をさかいにして
一気に激しい将棋に

豊島二冠は
飛車を捨てて
久保陣に攻めかかります。

久保九段は
「美濃囲い」を崩され、
玉の守り駒がなくなって
むき出しの状態に
なってしまいました。

一方、豊島二冠の玉は
無傷の「高美濃囲い」に
しっかり守られたまま。

あとは攻めさえつながれば
勝てそう
という局面で、
豊島二冠は
たくみな指し回しで
それを実現します。

駒損をしながらも
しっかり攻めが
つながる形を作り、
これで豊島二冠の勝勢。

ニコニコ生放送での
将棋ソフトの評価値でも
4000点ほどあり、
豊島二冠の勝ちが
間違いなさそうな
局面になりました。

④久保九段の驚異的な粘り

豊島二冠の勝利で
もうすぐにでも決着。

多くの観戦者が
そう思いましたが、
そこからが長かった。

久保二冠が
驚異的な粘りを見せたのです。

玉をうまく逃していき、
なかなか決め手を与えません。

すぐに玉が
詰みそうな局面を
ギリギリでしのいでいきます。

玉の守り駒が
なくなった局面からも、
どんどん手数が
伸びていきました。

⑤粘りを振り切って豊島二冠の勝利

いったん勝勢になっても、
手数が伸びていくうちに
形勢が逆転していくというのは
将棋ではよくあることです。

しかし、
本局は違いました。

手数が増えていっても、
豊島二冠は
その形勢をしっかりキープ

確実に久保九段の玉を
追い詰めていきます。

そして最後は
ついに受ける手がなくなり、
久保九段が投了。

133手で豊島二冠の
勝利
となりました。

豊島二冠の
「高美濃囲い」は
戦いが起こった局面と
同じ姿のまま、
無傷で残りました。

久保九段は
一手も攻めの手を
指せないまま、
一方的に攻められ続けての敗戦。

悔しい負け方です。

そういう展開に持ち込んだ
豊島二冠の攻めが
素晴らしい一局でした。

佐藤天彦名人との名人戦へ

豊島二冠が久保九段に
勝ったことで、
プレーオフにはならず、
豊島二冠がすんなりと
名人挑戦を決めました。

昨年は最終局で負けて
プレーオフに
なってしまいましたが、
今期は違いました。

これで今年の名人戦は
佐藤天彦名人vs豊島将之二冠

豊島二冠が
ついに名人戦の舞台に
やってきたのです。

豊島二冠は
タイトルに挑戦するものの
獲得できなかった時期が長く、
「無冠の帝王」などと
呼ばれた時期もありました。

それが
昨年についに初タイトルを
獲得したと喜んでいたら、
あっという間に
3つ目のタイトルを
獲ろうとしています。

信じられない展開です。

豊島二冠と佐藤名人は、
以前からお互いを意識する
ライバルのような関係。

2011年度の新人王戦では
決勝三番勝負を戦い、
そのときは豊島さんが
2勝1敗で勝っています。

今回の名人戦は、
そのとき以来の番勝負です。

その後、佐藤名人は
2016年から名人戦を3連覇

タイトル獲得経験のない
豊島さんに対して、
いったんは実績で
大きな差をつけました。

しかし、豊島さんは
2018年に棋聖と王位のタイトルを
たて続けに獲得して、
現在は二冠王

新人王戦を戦ったときには
大した実績のなかった両者が、
今回の名人戦では
「名人」と「棋聖と王位の二冠王」
として対決することになりました。

何年もの時間を経て、
将棋界のトップ棋士となった両者。

名人戦七番勝負が
どんな戦いになるのか注目です。

まとめ

豊島二冠の
A級順位戦最終局について
振り返りました。

豊島二冠にとって
苦しかったであろう
時期を知っているからこそ、
今回の名人戦挑戦には
感動しました。

佐藤天彦名人との
名人戦が
今から楽しみです。

豊島二冠については、
こちらの記事も
合わせてどうぞ↓

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