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将棋ソフトの評価値の活用の現状、ニコニコ生放送の対局中継にて

 
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梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

将棋ソフト評価値はニコニコ生放送の対局中継で
たくさん活用されています。

対局中、視聴者はソフトの評価値で
形勢の動きをわかりやすく知ることができます。

さらには対局中の解説でも評価値が利用され、
感想戦にも影響。

そんなソフト活用の現状についてまとめました。

ソフトの評価値で将棋の形勢が一目でわかる

将棋ソフトでは、
形勢が「評価値」として数字で表示されます。

ニコニコ生放送では
ソフトの評価値が色々な場面で活用され、
今ではなくてはならないものになっています。

中でも、将棋の形勢が誰でもわかるのは画期的です。

対局中にソフトの評価値を表示することによって、
将棋が強くない人でも
将棋の形勢が一目でわかる
ようになりました。

 

画面の左右に対局者が向き合って座り、
上部に色付きのバーで評価値が表示された様子は、
まるで対戦ゲームの体力ゲージのようです。

ソフトの評価値は形勢が良い側は「253」など正の値、
形勢が悪い側は「-253」などと負の値になります。

この数字が色付きのバーで示され、
互角であれば色の境目が中央に位置します。

どちらかが有利になって形勢に差が付くと
一方の色のバーが長くなり、
もう一方が短くなります。

このバーがあると、
どちらがどのぐらい有利なのかが
視覚的に理解できる
のです。

 

そして、ソフトの評価値が大差になると
一方の色でバーが埋め尽くされます。

その状態になると、
もう逆転のしようがないぐらい差がついたんだなと
誰でも判断できます。

対局中の検討で活用される評価値

ニコニコ生放送では、
対局中の「検討」のときにも
ソフトの評価値が活用されます。

検討というのは、
「この局面から、もしこう指したらどうなるか」
というのを調べることです。

評価値を確認したい場合には通常の大盤ではなく、
「電王盤」と呼んでいる
パソコン上の盤面で検討を行います。

 

通常の大盤での解説では、
駒を動かしながら検討したとき、
検討で現れた局面がどちらがどれぐらい有利なのか、
棋士が判断して視聴者に伝えないといけません。

検討中に現れるたくさんの局面の形勢判断を
正確に行うのはプロ棋士といえども難しいですし、
形勢を表現するには「優勢」や「有利」などの言葉
使わないといけません。

でも、将棋に詳しくない人にとっては、
「優勢」や「有利」と言われても
その2つの言葉の意味がどう違うのかがわかりません。

観戦している人にとっては、
「どちらがどれぐらい勝ちに近づいているのか」が
よくわからないという問題があるのです。

 

一方、電王盤を使って検討した場合、
検討で現れた局面での評価値が数字で表され、
しかも「色付きのバー」でも表現してくれる
のです。

意味がわかりにくい言葉を使わなくても、
将棋のルールさえわからない人でさえ、
どちらがどれぐらい有利なのかがわかります。

「読み筋」で評価値の理由を探る

将棋ソフトを利用したときに便利なのが、
「読み筋」を示してくれる点です。

ソフトの評価値の計算過程はとても複雑なので、
「なぜその数字なのか」という理由を
人間は完全には理解することができません。

そんなときに助けとなるのが「読み筋」です。

「読み筋」には、
その局面から先手と後手がお互いにどんな手を指すのが
最善かが示されています。

「読み筋」を見ることで、
評価値がその値である理由
ある程度知ることができます。

 

例えば対局中に、
「先手が300点、後手が-300点」、
つまり先手が有利だという評価値が出ていたとします。

でも、解説の棋士は同じ局面を見て
「後手が少し有利」と解説するかもしれません。

ソフトと棋士で判断が違うわけですが、
こういったことはよくあります。

 

そんなとき、解説の棋士は
ソフトの「読み筋」を確認します。

するとその「読み筋」の中に、
解説の棋士が考えていなかった好手
含まれていることが多いです。

今の局面から数手進んだ局面で
思いもよらなかった好手があるとすると、
今の局面での形勢判断も変わってきます。

 

ソフトが示した先手の「好手」を見て、
解説の棋士がさっきまで話していた
「後手が少し有利」という見解を取り下げて
「先手が有利」と見解を修正する

こういった光景を、
ここ数年はよく見るようになりました。

感想戦でも評価値の影響が大きい

対局後の感想戦でも
ソフトの評価値の信頼は絶大です。

ニコニコ生放送では
対局後の感想戦も最後まで放送される場合が多く、
対局中に棋士がどんな手を頭の中で考えていたのかを
見ることができます。

 

その感想戦の場に、
対局中に解説をしていた棋士が参加することもあります。

そのとき、「ソフトがこういう手を示していたのですが」というと、
対局者も「その方がよかったですか」と一気に食いついてきます。

そして、解説者からソフトの「読み筋」を聞くと、
「そう指すべきでしたね」と
自分が実際に指した手よりも
ソフトが示した「最善手」の方が優れていたと
認める場合が多いです。

 

解説者がソフトの手だとは言わずに
「この手はどうですか」と指摘すると、
「それはソフトの手ですか」と聞き返されます。

ソフトが推奨した手かどうかによって、
その手を見る目が変わるようです。

指摘された手がソフトの手であれば、
その手が「正解」と見てまず間違いがないだろう
考えているのかもしれません。

 

もっと直接的に、
「この局面で評価値は何点でしたか」と
解説者に聞く棋士もいます。

自分の形勢判断には
「これで良いはずだ」などの主観がどうしても入ってしまうため、
客観的に見た形勢を知りたくて
解説者にソフトの評価値を聞いているのでしょう。

まとめ

将棋ソフトの評価値が活用されることで、
中継の視聴には将棋の形勢がわかりやすくなりました。

プロ棋士の検討や感想戦でも、
評価値は大きな力を持つようになってきています。

 

そんなすごい力を持つからこそ、
評価値をどう活用するかという点には
意見が分かれる部分もあります。

次回は、「将棋ソフトの評価値を常に表示させるべきか」
という問題について書きます。

 

(追記)書いた記事がこちらです↓

 

 

 

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