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「清廉」八王子将棋クラブに関する将棋世界の連載、その魅力を紹介

 
「清廉」八王子将棋クラブ
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「清廉」八王子将棋クラブ

将棋世界で連載されている
「清廉」という連載が面白いです。

「清廉」は八王子将棋クラブと
クラブに関わる人々の過去を振り返る
連載読み物。

現役棋士の少年時代のエピソードや
貴重な写真がたくさん登場します。

「清廉」がどんな連載なのか、
そしてその魅力は何なのか、
読んだことがない人にもわかるように
解説しました。

「八王子将棋クラブ」とは

まず「八王子将棋クラブ」とは、
東京都八王子市にあった
有名な将棋道場です。

八王子将棋クラブは
羽生善治九段をはじめとして
数多くのプロ棋士
を出しており、
将棋界ではよく知られています。

 

席主の八木下征男さんが
このクラブを始めたのが
1977年3月15日。

以後、3回の場所の移転をへて、
2018年12月24日に
41年間の歴史に幕を閉じました。

営業を終了する際には
大きな話題となり、
クラブにゆかりのあるプロ棋士も
たくさん訪れました。

「清廉」とは

「清廉」の連載の正式名称は以下の通り。

清廉
_八木下征男と八王子将棋クラブの四十一年ー

 

「清廉」というのは
聞き慣れない言葉です。

「清廉」の意味を
辞書の「広辞苑」で調べると
「心が清くて私欲のないこと」
とありました。

八木下さんの人柄を表すのに
この言葉がぴったりだということ
なのでしょう。

この連載の文章は
文章は記者の北野新太さんが
書いています。

 

連載が始まったのは
2019年3月号から。

最初は
「短期連載」であることが
強調されていました。

それが今月発売の
2019年9月号までで
もう7回目

べつに「短期」と
強調する必要はないぐらい
回を重ねてきています。

おそらく、
読者から評価の高い連載なので
最初の見込みより
長く連載するように変更したのでは、
と私は予想しています。

 

連載では毎回、
話題の中心となる人物が
移り変わってきています。

現在までの流れは
以下の通りです。

第1回:八木下征男、羽生善治(対談)
第2回:八木下征男
第3回:羽生善治
第4回:羽生善治、伊藤真吾
第5回:阿久津主税
第6回:天野貴元
第7回:中村太地

 

子どものころに
八王子将棋クラブに通っていたという棋士は
他にもたくさんいます。

それぞれの棋士の話を
掘り下げていけば、
この連載はまだまだ続けられそうです。

棋士の少年時代のエピソード

「清廉」の一番の魅力は、
現在活躍中のプロ棋士の少年時代
いきいきと描かれていることです。

「あの棋士は過去に苦労があったんだな」
「こんな一面もあるんだな」
というエピソードがたくさんあり、
とても興味深いです。

 

北野新太さんの文章では
運命やめぐり合わせが
強調されているのも面白いところ。

「もしこの出会いがなければ」
「もしあのとき、雨が降っていなければ」
という「もし」を折り込みながら
話が進んでいくので、
ストーリー性があって引き込まれます

 

棋士の少年時代の性格は
今とあまり変わっていないというのも
興味深いです。

例えば
阿久津主税さんはやんちゃで、
中村太地さんは真面目。

「三つ子の魂百まで」
という言葉がありますが、
やはりそういうものなのですね。

席主の八木下征男さんの半生

「清廉」は八王子将棋クラブの席主の
八木下征男さんの半生
振り返る内容にもなっています。

連載の第2回では
八木下さんがクラブを開くまでの経緯が
詳しく紹介され、
私はとても共感しました。

 

八木下さんは
中学卒業後にすぐに就職し、
その後は転職を繰り返します。

その後、
「好きな将棋の道場をやろう」
と決意して、
両親の反対も押し切って
八王子将棋クラブを始めたのです。

私自身も
就職→転職→個人事業主
という流れの経験をしているので、
八木下さんの当時の悩みもわかる気がして
親近感がわきました。

 

八木下さんがクラブを開いたのが
34歳のとき。

それからの41年間の人生は
八王子将棋クラブと共にあったわけで、
クラブについての話を書けば、
それは自然と八木下さんについて
書くことにもなります。

「清廉」を読んでいると、
優しい心を持った八木下さんの人間性
に強くひかれます。

そんな八木下さんの半生を追っていけるのも
「清廉」の連載の良いところです。

貴重な資料をもとに書かれている

「清廉」の連載が
これだけ面白い理由としては、
たくさんの貴重な資料をもとに書かれている
ということが大きいです。

八木下さんは1983年5月以降、
「八将タイムス」
という道場の新聞を発行し続けました。

その巻数はなんと
1570号に達します。

 

「八将タイムス」に載せるため、
八木下さんは膨大な対局結果を
すべて手書きで残してきました。

それが残っているため、
後に棋士となった少年の対局の記録を
今でも振り返ることができるのです。

おかげで例えば、
奨励会時代の阿久津主税さんは
平手での対局成績が79勝無敗だった、
という信じられない記録が
埋もれずに残っています。

 

対局記録だけでなく、
写真やイラストの資料も貴重です。

「清廉」では
棋士の少年時代の写真が
たくさん使用されています。

【写真提供】八木下征男
と表記があるので、
それらは八木下さんが
撮影したものなのでしょう。

貴重な写真の数々を
このような形で見られるのは
とてもうれしいです。

 

記事中には
「八将タイムス」に載った
八木下さんの描いたイラストも
紹介されているのですが、
これがとても良いですね。

後に棋士となる少年の似顔絵
もあります。

当時の写真と見比べると
特徴がとらえられていて
とても上手であることがわかりますし、
個性がよく表れています。

八木下さんの
子どもたちへの温かいまなざし
が感じられて、
素晴らしいイラストばかりです。

まとめ

「清廉」は昨年12月に閉じた
八王子将棋クラブを振り返る
将棋世界の連載。

クラブ出身の現役棋士は数多く、
そんな棋士たちの少年時代の姿が
いきいきと描かれています。

写真などの貴重な資料もたくさん紹介され、
将棋ファンにはたまりません。

「清廉」に興味を持った人は、
ぜひ将棋世界で読んでみてください。

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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