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清麗戦五番勝負が本日開幕!4棋士で争った本戦の振り返り

 
清麗戦の本戦の振り返り
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

清麗戦の本戦の振り返り

清麗戦の五番勝負が
いよいよ今日から開幕。

清麗戦は今年に作られたばかりの
新しい将棋の女流棋戦です。

初の「清麗」をかけて戦うのは
里見香奈女流五冠と甲斐智美女流五段。

実績十分の二人による
重厚なタイトル戦となりましたが、
このひとつ前の勝敗によっては
まったく雰囲気の違う五番勝負に
なっていたはず。

里見さんと甲斐さんを含む4棋士で争った
本戦を振り返ります。

清麗戦に独特の予選の仕組み

清麗戦がどんな棋戦かということは
こちらに詳しく書きました↓

 

清麗戦の最大の注目ポイントは
その予選システム。

予選はトーナメント戦や
リーグ戦ではなく、
「6勝で通過、2敗で失格」
という独自の仕組みなのです。

1回負けただけで
即終了となってしまう棋戦が多い中で、
「1回負けてもまだチャンスがある」
というのが特徴。

この独特のシステムの結果、
勝ち上がった女流棋士の顔ぶれも
普段と違うものになりました。

 

ちなみに
予選の対局の棋譜はすべて
清麗戦中継サイトで
見ることができます。↓

ベスト4のメンバーを2つに分類

予選を勝ち上がったのは
以下の4人です。

中村真梨花女流三段(6連勝)
里見香奈女流五冠(6勝1敗)
甲斐智美女流五段(6勝1敗)
頼本奈菜女流初段(6勝1敗)

 

この4人を見ると、
2つのグループに分けたくなります。

まず、里見さんと甲斐さんは
タイトル戦での実績十分

新しいタイトルの初代保持者に
ふさわしい貫禄を備えていると言えるでしょう。

一方、中村さんと頼本さんは
タイトル獲得経験が一度もありません

もしこの二人のどちらかが
今回タイトルをとれば、
新しいスターが誕生!
という感じになります。

叡王戦のような「下剋上」の期待

頼本さんはタイトルに
挑戦したことがありません。

タイトルを獲った経験がない棋士が
いきなりスターになった棋戦と言えば、
男性棋戦の「叡王戦」が
思い浮かびます。

叡王戦において、
初のタイトル挑戦で
いきなりタイトルを獲得したのは
高見泰地七段。

そのときは
叡王戦がタイトル戦に昇格したばかりで
タイトル保持者がまだ不在の状態であり、
まさに今回の清麗戦と同じ状況です。

 

また、中村さんは
過去に3回のタイトル挑戦の経験があります。

叡王戦において
三回タイトル挑戦に失敗して
四度目で初タイトルを獲ったのが
永瀬拓矢叡王。

ここでも叡王戦との
共通点を感じてしまいます。

 

叡王戦では実績十分の棋士をさしおいて
若手が初タイトルを獲得するという、
「下剋上」が起きています。

中村さんと頼本さんが
本戦に出場したことで、
新しい棋戦らしい「下剋上」が
清麗戦でも起きるのではないか、
という期待が持てました。

本戦の組み合わせ

本戦に残った4棋士の中から、
本来であれば
1人の挑戦者を決めるところ。

ですが、
今年はまだタイトル保持者がいないので、
4人の中の2人で五番勝負を行います。

予選を抜けたら
あと1勝するだけでタイトル戦
なわけで、
他の棋戦ではまずありえない状況です。

となると重要なのが、
あと1戦の組み合わせ。

本戦はこのような組み合わせで
行われました。

甲斐智美女流五段vs中村真梨花女流三段
里見香奈女流五冠vs頼本奈菜女流初段

 

どちらの組み合わせも
実績十分な棋士vs初タイトルを目指す棋士
という対決になりました。

もし中村さんと頼本さんが
それぞれ勝ち上がって
タイトルを争うことになれば、
叡王戦がタイトル戦に昇格したばかりのときと
ちょうど同じような状態。

「勝った方が初タイトル」
という面白い状況が生まれます。

 

ところが、
結果として勝ち上がったのは
甲斐さんと里見さんでした。

将棋の内容をみると、
甲斐さんも里見さんも完勝

格下の相手に中盤で大きなリードを奪い、
力を発揮させないまま
ゆるみなく押し切る将棋。

タイトル獲得を重ねてきたお二人らしい、
安定感バツグンの勝ち方でした。

 

中村さんと頼本さんとしては、
「せっかくここまで勝ち進んだのに」
と悔しい気持ちが大きいことでしょう。

タイトル戦まであと1勝というところで
最後に当たった
甲斐さんと里見さんという壁は、
分厚すぎました。

里見さんと甲斐さんの実績比較

本戦に進んだ4人の中で
里見さんと甲斐さんは
「実績十分の二人」として
同じグループとして考えました。

けれども、
この二人だけで改めて比較すると、
実績には大きな差があります。

というか、
里見さんの実績が
圧倒的過ぎる
のです。

 

まず、里見さんは現在女流五冠。

この清麗戦以外の
6つのタイトルのうちの
5つを独占しているわけですから、
とんでもない強さです。

タイトル獲得の合計数も
36期という驚くべき数字。

現在の女流棋界では
里見さんは圧倒的な存在なのです。

 

甲斐さんもタイトル獲得は7期
と十分な実績があるのですが、
スーパースターである里見さんと比べては
さすがに見劣りします。

ただ、甲斐さんに
希望の持てるデータもあります。

里見さんがタイトル戦で敗れたのは
過去に6回あるのですが、
その中で2回里見さんに勝った棋士が
一人だけいます

それが甲斐さんなのです。

また、この清麗戦予選での
里見さんの1敗は、
甲斐さんに負けたもの。

そういったことを考慮すると、
女流棋界で里見さんを倒せるとすれば
甲斐さんが一番可能性があるかもしれません。

 

ほぼすべてのタイトル戦で
番勝負を戦い続けている里見さんに対して、
甲斐さんのタイトル戦は
2015年以来でひさしぶり。

この年は
女流王位と倉敷藤花の二冠だった甲斐さんが、
里見さんに2つタイトルを
どちらもストレート負けで奪われました

甲斐さんにとってこの清麗戦は、
4年越しのリターンマッチとも言えます。

今日から始まる清麗戦五番勝負。

ひさびさのタイトル戦での
里見さんと甲斐さんの対決は、
どんな将棋になるでしょうか。

まとめ

清麗戦は今年から始まった
新しい女流タイトル戦。

独特な予選システムのため、
本戦に進んだのはたった4棋士。

中村真梨花女流三段と
頼本奈菜女流初段による五番勝負が実現して
両者が初タイトルを狙う展開もありえました。

しかし、
実際に五番勝負を戦うことになったのは
実績十分の
里見香奈女流五冠と甲斐智美女流五段。

今日から始まる両者の対決が楽しみです。

 

 

清麗戦については
こちらの記事も合わせてどうぞ↓

 

 

 

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