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佐藤天彦名人vs渡辺大夢五段、叡王戦本戦2回戦の情報まとめ

 
佐藤天彦名人vs渡辺大夢五段、叡王戦本戦2回戦
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

佐藤天彦名人vs渡辺大夢五段、叡王戦本戦2回戦

佐藤天彦名人と渡辺大夢五段の
叡王戦の対局。

渡辺五段が最後の最後で
「詰めろ逃れの詰めろ」
の一手を指し、
佐藤名人の玉を
「頓死」させて勝つという
劇的な決着となりました。

クリスマスイブの夜に
視聴者は大興奮。

対局の流れや食事など
情報をまとめました。

対局の情報まとめ

2018年12月24日
第4期叡王戦本戦 2回戦
佐藤天彦名人vs渡辺大夢五段(先手)
東京・将棋会館「香雲」
持ち時間:各3時間(チェスクロック使用)
開始 15:00
終了 21:59
107手まで渡辺五段の勝ち
消費時間
佐藤:3時間0分
渡辺:3時間0分

 

夕食
佐藤:豚の生姜炒め弁当(東京厨房)
渡辺:豚の生姜炒め弁当(東京厨房)

 

解説者:
渡辺明九段
聞き手:
山口恵梨子女流二段
メールテーマ:
「今年一年間に身の回りで起こった寂しい話」

 

今日は休日で
しかもクリスマスイブ
ということで、
普段食事を注文しているお店は
すべて営業していなかった

ようです。

そのため注文の際に
対局者に渡される
メニュー表も
いつもの冊子ではなく、
カラーで印刷された
ただの紙でした。

選択肢は
「お弁当」か「サブウェイ」かの
2つの選択肢しかない状況。

両対局者とも
「お弁当」にしたようですが、
いつもの定食などの
メニューに比べると
質素な感じがして、
対局者が気の毒に思えました。

佐藤天彦名人と渡辺大夢五段

佐藤天彦名人は本戦1回戦で
強敵の中村太地六段を破りました

佐藤名人は先週に
くやしい敗戦があったばかり。

棋王戦で挑戦者決定戦まで
勝ち進んだものの、
広瀬章人八段(当時)に敗れて
あと一歩のところで
タイトル挑戦に手が届かなかった

のです。

だからこそ、
この叡王戦では
今度こそタイトルに挑戦したい
という思いが
強いことでしょう。

 

対する渡辺大夢五段は、
本戦トーナメントの抽選で運が良くて、
2回戦からの登場。

抽選の結果、
佐藤天彦名人と中村太地王座(当時)が
まず1回戦でつぶし合い、
勝った方が2回戦で渡辺五段と
対戦することになったのです。

他の棋戦では絶対に現れない、
奇妙な組み合わせのトーナメント。

タイトルホルダーを差し置いて
1回戦がシードになったのは
ラッキーでしたが、
その代わり本戦の初戦でいきなり
名人という大きな壁が
立ちはだかります。

両者の過去の対戦成績は
佐藤名人の1勝です。

 

渡辺五段は
高見泰地叡王の兄弟子。

しかも、
高見叡王が誕生したときの
五段予選で
直接対戦したという
縁もあります。

その上、
そのときの高見叡王と
まったく同じ勝ち上がり方

五段予選を突破しており、
ものすごい縁を感じます。

 

私は今期の叡王戦が始まるまで
渡辺大夢五段のことは
よく知らなかったのですが、
白鳥士郎さんの
インタビュー記事で
色々な情報を知りました。

まだ読んでいない人は、ぜひどうぞ↓

一局の流れ:横歩取りから最後に大逆転

戦型は後手番の佐藤名人が
「横歩取り」を選択。

今、プロで流行している
戦型と言えば
「角換わり」ですが、
佐藤名人は後手番で
「角換わり」を指すのを
避けているように見えます。

1回戦の中村王座との対局でも
5筋を歩を突く独自の作戦で
角換わりを避けましたが、
その作戦は
うまくいっていませんでした。

それならば、
本局は独自の作戦ではなく
「横歩取り」で行こう
ということなのでしょう。

 

横歩取りに対する
先手の対策としては
「青野流」が現在では
最有力と言われていますが、
渡辺五段は「▲3六飛」とする
昔ながらの指し方を採用。

中盤で渡辺五段が「▲1五角」と
端に角を打つ
思い切った手を指したのですが、
意外にもこれで形勢は互角。

その後も激しい攻防が続きましたが、
佐藤名人の方が有利な状況のまま、
最終盤へと突入していきました。

 

そして、
最終盤で事件が起きました。

101手目に渡辺五段が
自玉への「詰めろ」を
解除するために指したのが
「▲8六歩」という手。

それに対して
佐藤名人は「△8九歩成」と
さらに詰めろを掛けました。

この手を見て解説の渡辺棋王は
「これは佐藤名人の勝ちになった」
と断言。

 

しかし。

次の渡辺五段の
「▲8三角」を見て、
渡辺棋王は
悲鳴を上げました。

なんと、
その角のタダ捨てから
佐藤名人の玉がぴったり詰んでしまった
のです。

一瞬で起きた、
劇的な大逆転でした。

 

この展開には
視聴者もアツくなり、
コメントは大盛り上がり。

渡辺「大夢」という
名前にちなんで
「まさにビッグドリーム」
だとか
「このまま挑戦あるで」
「渡辺五段のファンになった」
といった渡辺五段の
健闘をたたえるコメントが
あふれていました。

 

「▲8六歩」が
「詰めろ」を解除しただけでなく
佐藤玉への「詰めろ」にもなってる
「詰めろ逃れの詰めろ」だったのが、
佐藤名人としては誤算でした。

「▲8六歩」に対して
佐藤名人が自玉への詰めろを
解除する手を指していれば、
佐藤名人の勝ちは
揺るぎませんでした。

ただ秒読みの中で
「▲8六歩」が
「詰めろ逃れの詰めろ」
であることを読み切るのは困難で、
渡辺五段の勝負術をたたえるべき
かと思います。

 

「詰めろ逃れの詰めろ」などの
終盤の用語については、
こちらの記事で説明しているので
合わせてどうぞ↓

解説は渡辺明棋王、テーマは「寂しい話」

本局の解説は渡辺明棋王。

タイトルホルダーが解説とは
豪華ですね。

渡辺棋王は佐藤名人とは旧知の仲
なので、
本局の解説にぴったりです。

渡辺棋王の解説は
明快でわかりやすいので
人気がありますし、
私も好きです。

 

渡辺棋王は自身のブログや
マンガ「将棋の渡辺くん」のおかげで
自身の趣味が
将棋ファンに広く知られているため、
「競馬」「ぬいぐるみ」
に関するお便りが
たくさん届いていました。

聞き手の山口恵梨子女流二段は
先日の「ポケモンカード」の大会
出場していたので、
それに関するお話もありました。

藤井猛九段の自宅の
普段は将棋の研究会を
している部屋で
「ポケモンカード」の
研究会をしたという話など、
藤井ファンとしては
面白い話が
色々聞けて面白かったです。

 

今回はメールテーマが変わっていて、
「今年一年間に
身の回りで起こった寂しい話」

というものでした。

あえてクリスマスイブに
このテーマで
メールを募集するというところに、
ニコニコ生放送の運営の方の
ブラックユーモアが
感じられます。

このテーマのメールを読むたびに
番組の雰囲気がちょっと暗くなってしまい
運営さんの狙い通りには
なったと思いますが、
このテーマは
やめた方がよかったのではと
私は感じました。

 

ただ、そんな沈んだ空気を
渡辺五段の大逆転
が吹き飛ばしてくれました。

「クリスマスイブに
この将棋が見られてよかった」

など、明るいコメントがたくさん。

やはり将棋の内容が面白いと、
番組全体が熱気で包まれて
明るくなりますね。

まとめ

佐藤天彦名人と渡辺大夢五段の
叡王戦の対局について
お伝えしました。

佐藤名人がついに勝ちになったか
と思ったところで
佐藤玉に詰みが生じているという、
大逆転で決着した一局でした。

観戦していて
とても面白かったです。

 

渡辺五段にとっては、
名人に勝ったというのは
大金星と言っていいでしょう。

このまま弟弟子の
高見叡王のように
頂上まで駆け上がるのか、
注目です。

 

 

渡辺五段の次の対局の
記事です↓

 

佐藤天彦名人については、
こちらの記事も
合わせてどうぞ↓

 

 

叡王戦の記事は
こちらにまとめてあります↓

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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