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「ねほりんぱほりん」将棋の奨励会の回とニコ生実況番組の感想

 
「ねほりんぱほりん」将棋の奨励会の回
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

「ねほりんぱほりん」将棋の奨励会の回

「ねほりんぱほりん」で
将棋の奨励会を退会した人が
ゲストに招かれました。

そのテレビ番組に合わせて、
ニコニコ生放送では
瀬川晶司六段と
元奨励会員の甲斐日向さんによる
実況番組が放送。

自分の一番の感想は
「両方を同時にみるのは大変」
ということですが、
どちらもとても面白い番組でした。

「ねほりんぱほりん」はEテレの番組

将棋ファンには
見たことがない人も多いであろう
「ねほりんぱほりん」という番組。

毎週水曜の夜11時から
「Eテレ」で放送されている
30分間の番組です。

タレントの山里亮太さんとYOUさんが、
毎回変わる訳ありゲストから
普段は話題にできないような際どい話を
「根掘り葉掘り」聞き出します。

大きな特徴なのが
Eテレらしく人形劇の形をとっていることで、
顔出しNGのゲストはもちろん
聞き手のお二人も人形の姿で出演します。

冒頭の画像は
私が描いた聞き手のお二人の人形です。

 

そして、今回のテーマは
「勝負の厳しい世界、
将棋の奨励会で夢破れた男たちの人生」。

奨励会に入ったもののプロになれなかった
2人のゲストが登場して、
どんな苦労があったのかなどを語っていました。

よく取材がゆきとどいていて、
将棋に詳しい人が見ても違和感のない
しっかりした内容となっており、
とても面白い番組でした。

 

番組の内容の一部は
公式ページで詳しく紹介されています↓

ニコニコ生放送の実況番組

「ねほりんぱほりん」の放送時間に合わせて
ニコニコ生放送で放送されたのが、
「棋士と元奨励会員と見るTV実況」

棋士の瀬川晶司六段と
元奨励会員の甲斐日向さんが出演して、
「ねほりんぱほりん」を見ながら
コメントするという番組です。

こちらは約1時間半の放送時間があり、
以下のような構成でした。

「ねほりんぱほりん」放送前トーク:30分
放送中の実況:30分
放送後トーク:23分

 

この番組の出演者として
瀬川六段と甲斐さんを選んだというのは、
運営の人のセンスが光ります。

瀬川六段は年齢制限で奨励会を退会した後、
特例の「プロ編入試験」によって
プロ棋士になったという
異色の経歴を持ちます。

その経緯についてはご自身が
「泣き虫しょったんの奇跡」に
詳しく書いており、
この作品は去年に映画化もされました。

 

 

一方の甲斐日向さんは
昨年に奨励会を年齢制限で退会
となったばかり。

同じEテレの
「NHK杯テレビ将棋トーナメント」に
記録係として出演していたので、
将棋ファンにはおなじみの方です。

プロ棋士にはなれなかったという点は
「ねほりんぱほりん」に登場する
元奨励会の人たちと同じ立場なわけで、
その心情は誰よりも理解できるでしょう。

ただ、自分と同じく夢破れた人の姿を見て
コメントをするというのは、
心がえぐられる仕事なのではないかと
私は心配になってしまいます。

結果的にプロ棋士になれた瀬川六段とは
立場が対照的です。

 

瀬川六段と甲斐さんは
以前から将棋の研究仲間であったらしく、
かなり親しい間柄。

他の棋士や奨励会員とともに
シェアハウスで寝泊まりしたことも
あったとのこと。

そんな気心の知れたお二人のトークで、
和やかな雰囲気で番組は進んでいきました。

両方を同時に見るのは大変

今回「ねほりんぱほりん」と
「棋士と元奨励会員と見るTV実況」を
見てみて感じたのは、
「両方を同時に見るのは難しい」
ということ。

「ねほりんぱほりん」の放送中は、
視聴者はそちらの内容に
集中してしまいます。

すると瀬川六段と日向さんの話を聞けず
逆に話を聞こうとすると
「ねほりんぱほりん」の内容が
頭に入ってこなくなってしまいます。

 

2つの番組を
同時にこなさなければいけないのは、
瀬川六段と甲斐さんも同じこと。

「ねほりんぱほりん」を見ながら、
とっさに気の利いたコメントをしていくのは
難しいことです。

それでもお二人はがんばって
話をしようとしていましたが、
話している間にも
番組中の話題はどんどん変わってしまいます

だから、コメントが番組の内容に
表面的に反応するだけになってしまっていて、
深い話までは聞けなかったのが残念です。

「天空の城ラピュタ」の実況との違い

テレビを見ながら
ニコニコ生放送で実況をする番組を見るのは、
私は初めてではありません。

以前に映画「天空の城ラピュタ」で
同じようなニコ生の番組を見たことがあるのですが、
こちらは「両方を同時に見る大変さ」を
あまり感じませんでした

 

その理由ははっきりしていて、
私が「天空の城ラピュタ」を
過去に何度も見たことがあったからです。

そして、この映画を何度も見たことがあるのは
私だけではなくて、
そのニコ生の実況番組を見ていた人は
たいていが同じ状態だったことでしょう。

過去に見たことがあると
映画の内容はすでに頭に入っているため、
テレビ画面はあまり見る必要がなく、
ニコ生の番組の内容に集中できるのです。

 

番組に出演していた人も、
「ラピュタ」が大好きで
何度も繰り返し見ている人ばかり。

その場で映画をじっくり見る必要はなく、
どのシーンでどういうコメントをしようというのも
あらかじめ考えておけます。

山場のシーンまでどれぐらい時間があるかも
わかっているので、
深くつっこんだ話をする時間を
確保することも可能。

テレビで放送されている内容は
ただ単にコメントのタイミングを合わせるために
チェックする程度でよく、
実況の内容を充実させることに
集中することができる
のです。

 

一方、今回の「ねほりんぱほりん」の場合は、
視聴者も出演者も初めて見る映像

しかも、瀬川六段も甲斐さんも
「ねほりんぱほりん」という番組を
見ること自体が初めてだと語っていました。

せめて他の回を見たことがあれば、
この番組がどういう流れで進んでいき
どういう切り口でゲストに話を聞くのか
ということぐらいは
頭に入っているところですが、
それすらない状態。

これでは、番組の内容に対して
気の利いた実況を期待するのは
無理な話
です。

瀬川六段と甲斐さんが話すだけでも面白い

それでも、ニコニコ生放送の
「棋士と元奨励会員と見るTV実況」は
面白い番組でした。

それはなぜかというと、
瀬川六段と甲斐さんが
奨励会の思い出を語り合うだけで
面白かった
からです。

 

言ってしまえば、
今回の企画は「ねほりんぱほりん」という
Eテレの番組がなくても
十分に成立していました。

「ねほりんぱほりん」は
瀬川六段と甲斐さんを
ニコニコ生放送にひっぱり出すための
きっかけに過ぎなかったように感じます。

「ねほりんぱほりん」の代わりに
お二人からうまく話を引き出す
司会者役の人
がいれば、
むしろもっと面白い番組に
なったのではないかと思えました。

 

「棋士と元奨励会員と見るTV実況」では
甲斐さんが司会進行役をしていましたが、
それは前日になって
いきなり頼まれたとのこと。

そのせいもあって、
番組開始直後は甲斐さんは
ガチガチに緊張しており、
台本を読み上げるだけで
精いっぱいといった感じでした。

それが番組が進むにつれて
リラックスして率直な語りが
聞けるようになってきました。

そして番組が終わるころには甲斐さんが
「いい感じになってきたのに、
これで終わりなのか」

と言うほどに。

 

そして瀬川六段が
「これから飲みに行こう」と声をかけて、
行く流れになったところで番組は終了。

これからもっと面白い話が
聞けそうなところだったのに、
もったいなかったです。

まとめ

「ねほりんぱほりん」は
とてもしっかりした内容の番組で、
素直に楽しめました。

「棋士と元奨励会員と見るTV実況」では
瀬川六段と甲斐さんの興味深い話が聞けて、
こちらも面白かったです。

奨励会を話題にしてくれたEテレと
実況番組を企画してくれた
ニコニコ生放送には感謝です。

 

ただ2つの番組を同時に見るのは大変。

むしろテレビ実況がなくても、
こうして将棋関係者が集まる機会を
ニコニコ生放送でうまく用意するだけで
面白い番組が作れそうだなと思いました。

今後もニコニコ生放送では
面白い将棋企画を考えてくれるでしょうから、
期待しています。

 

 

 

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梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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