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佐藤天彦名人vs豊島将之二冠、名人戦第2局の情報まとめ

 
佐藤天彦名人vs豊島将之二冠、名人戦第2局
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

佐藤天彦名人vs豊島将之二冠、名人戦第2局

挑戦者の豊島将之二冠が
先勝して迎えた名人戦第2局。

後手番の佐藤天彦名人が
豊島二冠の「角換わり」を
受けて立ちましたが、
中盤戦でリードした豊島二冠が
危なげなく勝利。

これで豊島二冠の2連勝です。

本局の情報をまとめ、
一局の流れを消費時間に注目して
振り返ります。

対局の情報まとめ

2019年4月22日、23日
第77期名人戦七番勝負第2局
佐藤天彦名人vs豊島将之二冠(先手)
山口県萩市「松陰神社 立志殿」
持ち時間:各9時間
開始 9:00(22日)
終了 19:59(23日)
107手まで 豊島二冠の勝ち
消費時間
佐藤:8時間59分
豊島:7時間59分

 

1日目
<午前のおやつ>
佐藤:クレープ(バナナチョコ)
___ホット紅茶
豊島:フルーツの盛り合せ
<昼食>
佐藤:むつみ豚丼
___りんごジュース、冷たい水
豊島:むつみ豚丼
___温かいお茶
<午後のおやつ>
佐藤:「いちご山」(萩椿)、フルーツ少量
___ホット紅茶、りんごジュース
豊島:フルーツ盛り合わせ
___

 

2日目
<午前のおやつ>
佐藤:クレープ(バナナチョコ)
___りんごジュース(氷なし)、ホット紅茶
豊島:フルーツ盛り合わせ
<昼食>
佐藤:インド風スパイシー長州鶏カレー(萩歴)
___りんごジュース(氷なし)
豊島:うな重(元一)
___温かい緑茶、夏みかんジュース(氷なし)
<午後のおやつ>
佐藤:特製生クリーム使用・いちごのショートケーキ(あまぬま屋)
___りんごジュース、ほっと紅茶
豊島:フルーツ盛り合わせ(あまぬま屋)
___
<夕食の軽食>
佐藤:サンドイッチ
___りんごジュース
豊島:サンドイッチ
___りんごジュース

 

■ニコニコ生放送

<1日目>
解説者:
加藤一二三九段
聞き手:
山田久美女流四段
メールテーマ:
「平成の将棋大ニュース」

 

<2日目>
解説者:
中村修九段
聞き手:
飯野愛女流初段
メールテーマ:
「将棋のココがわからない」

 

■アベマTV

<1日目>
解説者:
橋本崇載八段
金井恒太六段
聞き手:
中村桃子女流初段
山根ことみ女流初段

 

<2日目>
解説者:
田村康介七段
佐々木慎六段
聞き手:
和田あき女流初段
塚田恵梨花女流初段

 

「りんごジュース」に注目

対局中の食事について。

両者とも第1局からブレず、
佐藤名人はりんごジュース
豊島二冠はフルーツ盛り合わせ
ひたすら注文。

 

珍しいと思ったのが、
2日目の夕食休憩時に
豊島二冠にもりんごジュース
提供されたこと。

夕食休憩での
サンドイッチは対局者が
注文するものではなく、
名人戦の恒例の食事です。

それを考えると、
りんごジュースも
豊島二冠の注文というわけではなく、
ホテルの配慮などで
用意されたものなのかもしれません。

いつもりんごジュースを飲んでいる
佐藤名人にはありがたいですが、
豊島二冠としては
お茶などの方がよかったでしょうね。

後手番のときの戦型選択

本局は豊島二冠が先手番。

千日手となった第1局の指し直し局では
豊島二冠が先手だったので、
まるで2局連続で先手番のように見えます。

将棋では先手番の方が少し有利です。

第1局の指し直し局で
後手番で負けた佐藤名人としては、
第2局もまた後手番というのは
苦しい流れ。

 

また、第1局が千日手になったことは、
戦型の選択にも影響しています。

第1局の指し直し局では
佐藤名人は「横歩取り」を選びました。

豊島二冠が先手のときには
「角換わり」を目指してくることは
事前に予想できるので、
それを受けて立つか
避けて変化するかという選択になります。

第1局では佐藤名人は
「角換わり」を避けて
「横歩取り」に変化したわけです。

 

ただ「横歩取り」という
持ち玉を見せたことによって、
豊島二冠は佐藤名人の「横歩取り」を
警戒するようになったはず。

そのため第2局では、
警戒されている中でも
佐藤名人が第1局で負けた
「横歩取り」をまた選ぶのか、
それとも「角換わり」を選ぶのかが
注目でした。

 

始まってみれば、
佐藤名人が選んだのは
「角換わり」を受けて立つ方でした。

今後も佐藤名人が
後手番のときには
「角換わり」を受けるか、
それとも他の戦型にするかが
ポイントになるので、
意識していると
観戦するときに楽しめます。

 

「横歩取り」については
こちの記事に詳しく書きました↓

一局の流れ:豊島二冠の快勝

一局の流れを
持ち時間に注目しながら
振り返ります。

戦型は「角換わり」の中でも
「相腰掛け銀」となり、
第1局の千日手局と
途中までは同じように進みます。

 

先手の豊島二冠が
9筋の位を取ったことで、
そこからは第1局とは違う将棋に。

1日目の午前中は
佐藤名人が持ち時間を使いながら指し
豊島二冠は研究範囲なので
ささっと指すといういつもの展開。

佐藤名人は「真理追求型」で、
序盤から納得のいくまで考える。

豊島二冠は「勝負師型」で、
終盤に時間を取っておくために、
事前研究通りの局面であれば
あらかじめ決めておいた手をすぐに指す。

これが両対局者のスタイルなのです。

このまま消費時間に差がついて
1日目が終わるかと思われましたが、
小競り合いが始まってからは
豊島二冠も時間を使うように。

結局、ほぼ同じくらいの消費時間で
豊島二冠が封じ手をして、
1日目が終わりました。

 

2日目は封じ手に対して
佐藤名人が一手指したところで
豊島二冠が1時間35分の長考。

豊島二冠に誤算があったようで、
局面も佐藤名人のペースに。

しかし、
佐藤名人にもミスが出ます。

64手目△45銀と
桂馬を食いちぎった手が
攻め急ぎすぎの手と見られ、
それをとがめた豊島二冠が
逆転して優位に立ちます

 

その後は
佐藤名人は苦しい長考が続き、
残り時間には1時間半以上の
差が付きました。

リードしてからの
豊島二冠の指し回しは正確で、
逆転の余地を与えません。

持ち時間を1時間残して、
佐藤名人を投了に追い込みました。

 

ちなみに
佐藤名人は投了のときに
「負けました」とはっきりと言うので、
見ていて気持ちがいいですね。

投了はとても悔しいので、
プロアマ問わずあいまいな投了をする人も
多いのですが、
佐藤名人の投了は良い見本だと思います。

まとめ

名人戦第2局は豊島二冠が勝ち、
七番勝負は2勝0敗となりました。

角換わり相腰掛銀けの将棋で、
中盤でリードしてからは快勝。

一方、佐藤天彦名人は
本来の力を出し切れていない印象。

第3局はゴールデンウィーク明けなので、
それまでに調子を取り戻せるか。

次局も楽しみです。

 

 

名人戦七番勝負の記事はこちら↓

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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