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豊島将之棋聖vs渡辺明二冠、棋聖戦第4局の情報まとめ

 
豊島将之棋聖vs渡辺明二冠、棋聖戦第4局
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

豊島将之棋聖vs渡辺明二冠、棋聖戦第4局

豊島将之棋聖に渡辺明二冠が
挑戦中の棋聖戦五番勝負は、
渡辺二冠の2勝1敗で
第4局を迎えました。

後手番の渡辺二冠の「雁木」に
豊島棋聖が積極的に
攻めていく将棋となり、
渡辺二冠が勝利。

棋聖のタイトルを奪取しました。

豊島棋聖にとっては
これが初のタイトル防衛戦でしたが
防衛に失敗。

一局の流れなど
本局の情報のまとめです。

対局の情報まとめ

ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局
2019年7月9日
豊島将之棋聖(先手)vs渡辺明二冠
新潟県新潟市「高志の宿 高島屋」
持ち時間:各4時間
開始 9:00
終了 19:27
136手まで渡辺二冠の勝ち
消費時間
豊島:3時間59分
渡辺:3時間59分

 

<午前のおやつ>
豊島:新潟県産の桃とさくらんぼ
渡辺:アイスコーヒー

 

<昼食>
豊島:阿賀の姫牛ハンバーグランチ
渡辺:天ざるそば

 

<午後のおやつ>
豊島:フルーツ盛り合わせ
___りんごジュース
渡辺:いちごのショートケーキ
___アイスコーヒー

 

ニコニコ生放送
解説者:
増田康宏六段
聞き手:
安食総子女流初段

 

アベマTV
解説者:
稲葉陽八段
青島未来五段
聞き手:
本田小百合女流三段
千葉涼子女流四段

 

豊島棋聖はこの五番勝負を通じて、
おやつは「フルーツ盛り合わせ」で固定。

最終局でもそれは変わりませんでした。

ただし、午後のおやつは
局面が勝負どころを迎えてから
運ばれてきたこともあり、
最後まで手はつけられず。

カメラが置いてある側に
お皿が置かれていたので、
終局後のインタビューのときにも
手つかずのフルーツがよく見えました。

あとで食べたのでしょうか。

初の防衛戦で追い込まれた豊島棋聖

この1年で3つのタイトルを
立て続けに獲得した豊島棋聖ですが、
防衛戦はこの棋聖戦が初めて

その防衛戦で1勝2敗と
カド番に追い込まれています。

 

去年から、
初タイトルを獲得した若手棋士が
防衛に失敗するパターンが続いています。

菅井竜也さんの王位戦、
中村太地さんの王座戦、
高見泰地さんの叡王戦です。

「タイトルは防衛して一人前」
などと言われることもありますが、
それだけ初めての防衛戦というのは
難しいようです。

挑戦するときは
「負けても失うものはない」
という心境で挑めますが、
防衛するときには
負ければタイトルを失う一方で、
勝ってもただの現状維持。

1年間を初めてタイトルホルダーとして過ごして、
周囲からの注目を浴びてきたため、
かけられる期待も今までより大きくなります。

立場が大きく変わるので
それが心理的に影響して、
負けにつながりやすい
という面があるようです。

 

豊島棋聖は初防衛を成功させるために
このカド番をしのぐことができるのか。

そんな状況で対局が開始されました。

一局の流れ:渡辺二冠の「雁木」

本局は豊島棋聖の先手番。

豊島棋聖は得意の
「角換わり」を目指すと予想されましたが、
渡辺二冠は角道を止めて「雁木」に組み、
「角換わり」を拒否しました。

豊島棋聖としては
得意戦法を外されたわけなので、
どう対応するか時間をかけて考えそうなもの。

ところが、
本局でも豊島棋聖は
序盤でほとんど時間を使いません。

渡辺二冠が「雁木」を指してきた場合も
研究範囲だったようで、
豊島棋聖の研究は
本当に広くて深い
ことに
驚かされます。

 

豊島棋聖が用意した雁木対策は
「左美濃囲い」と「腰掛け銀」の
組み合わせ。

パパっと駒組みを完成させて
どんどん攻めていきます。

ですが渡辺二冠うまく対応して、
豊島棋聖の攻め駒を
押し返すことに成功。

そこからは
渡辺二冠が指しやすい局面が続きました。

 

しかし、
竜を作ってからの攻めの中で
渡辺二冠にミスがあったようで、
逆転。

そうは言っても
形勢の差はずっと小さいまま。

どちらが良いのかもはっきりしない
難しい攻め合いが続いていきます。

そんな中、
豊島棋聖が先に
持ち時間を使い果たしました

相手より多く時間を残しておくことが多い
豊島棋聖にしては、
これは珍しいことです。

 

終盤戦。

豊島棋聖が
59秒まで読まれて
ギリギリで指した
▲9五角が悪手だったよう。

この手をきっかけに
渡辺二冠が優勢に。

豊島棋聖も手段を尽くして
粘りましたが、
渡辺二冠がそのまま
豊島玉を寄せきって勝利。

棋聖のタイトルを奪取しました。

 

豊島棋聖は防衛ならず。

「初めての防衛戦では防衛に失敗する」という
将棋界にある流れを
止めることはできませんでした。

保有タイトル数が逆転

渡辺二冠は棋聖のタイトルを奪取し、
棋王と王将のタイトルと合わせて
「三冠」となりました。

一方の豊島棋聖は
これが初のタイトル防衛戦でしたが
防衛に失敗し、
名人と王位の「二冠」に後退。

この五番勝負の開始時には
豊島「三冠」と渡辺「二冠」による
将棋界の頂上決戦と見られていましたが、
それを制したのは渡辺二冠の方でした。

 

これでタイトル数が逆転し、
渡辺「三冠」がタイトル保持数で
将棋界の単独トップに

渡辺三冠が防衛戦を戦うのは
来年になってからなので、
しばらくは渡辺三冠が
最も多くのタイトルを持つ棋士である状況が
続きそうです。

 

終局後のインタビューでは

「年下の棋士が相手だと、
自分の方が伸びしろもないし
年々衰えていくので
どんどん厳しくなっていく。

そういった状況で
今回勝ててよかった」

と語っていた渡辺新棋聖。

決勝トーナメントが進行中の竜王戦でも
タイトル挑戦に近い位置
にいます。

将棋界はしばらくの間は
渡辺新棋聖を中心に
回っていきそうです。

まとめ

棋聖戦第4局は
渡辺二冠が豊島棋聖に勝利。

これで通算成績は3勝1敗で、
タイトル奪取となりました。

豊島棋聖は初のタイトル防衛戦で
防衛を果たすことができず。

タイトル保持数も
渡辺「三冠」と豊島「二冠」となり、
立場が逆転。

将棋界の勢力図が塗りかわる、
大きな一局でした。

 

 

棋聖戦五番勝負の他の対局については
こちらの記事をどうぞ↓

 

 

 

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将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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