梅澤浩太郎のブログ。目標・理念は「スキルを進化させつづける人になる」。

「嫌われる勇気」の書評・感想~「目的論」を物理学の視点で考察~

 
「嫌われる勇気」の書評・感想
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
1987年12月生まれ。群馬県在住。「スキルを進化させつづける人になる」を目標・理念として活動中。私の過去の経験や学んだことをまとめた電子書籍「私の人生を変えた論理的思考」を今だけ無料でプレゼント中。「将棋マッチ」にて、将棋を教える仕事もしています。

「嫌われる勇気」の書評・感想

こんにちは、梅澤です。

数年前にブームとなった
「嫌われる勇気」。

ずっと気になっていたのですが、
ようやく読むことができました。

心理学者アドラーの教えを
対話形式でわかりやすく解説する本。

常識はずれの斬新な発想が
次々と出てきて、
とても刺激的でした。

 

特に、

「目的が先にあって、
その目的を達成するために
人は感情をつくり出す」

という「目的論」の考え方は
とても興味深かったです。

 

「原因があるから結果がある」という
あたりまえの順番を無視したような、
にわかには信じがたい
「目的論」の理屈。

私の大学院での専門である
物理学の視点を使いつつ、
「目的論」について考えてみました。

すると、
心理学と物理学の間の
「ある決定的な違い」
が見えてきたのです。

「嫌われる勇気」の紹介

「嫌われる勇気」はこちらの本です↓

 

2013年12月の発売から売れつづけ、
ちょっとしたブームになりました。

「嫌われる勇気」というのは、
人の興味を引きつける
いいタイトルだなと思います。

タイトルが良い本の中には
「読んでみたらぜんぜん内容が違うじゃないか!」
と言いたくなる本もあるのですが、
本書はそんなことはありません。

「なぜ嫌われる勇気が大事なのか」
ということがしっかり語られているので、
タイトルに引かれて読んだ人も納得です。

 

また、
「哲人」と「青年」の
2人の登場人物が対話をしていく

という形式になっているので、
読み進めるのがとてもラクです。

哲人が常識的には考えられないような
とっぴなことを言い出すと、
すかさず青年がツッコミを入れて
読者の気持ちを代弁してくれます。

それに対する哲人の答えは
とても明快でわかりやすいため、
自然とアドラー心理学の考え方への理解が
深まっていきます

さすがベストセラーになっただけのことはある
と思わされる、
すばらしい本です。

常識的でなじみのある「原因論」

「嫌われる勇気」のなかで
もっとも私が印象的だったのが、
「目的論」です。

「目的論」と対になるのが「原因論」で、
こちらの考え方のほうが
ふだんなじみがあるものなので、
こちらから紹介します。

 

「原因論」は、

何らかの結果があるとすれば、
それには原因がある

という考え方。

 

これは私の専門の物理学でも
あたりまえに使っている思考法です。

たとえば、
有名なニュートンとリンゴの話で
考えてみます。

あるときニュートンは
木からリンゴが落ちるのを見て、
「万有引力の法則」
を思いついたそう。

 

この場合、
リンゴが落ちたというのが結果です。

そうして観測された結果から、
その原因を考えて
背景にある法則を見つけ出す

これが物理学の
基本的なスタンスです。

 

 

原因があるから結果があるのだ、
という「原因論」は
心理学の世界にもあります。

有名なのがフロイトという心理学者で、
「トラウマ」という考え方を重視しました。

たとえば、
幼いころに両親から虐待を受けたから
大人になっても他者と交流するのが怖い、
といったものがトラウマです。

それは現実にありそうな話ですし、
トラウマという考え方は、
原因を探っていく
物理学の思考とも似ていて、
違和感はありません。

 

ところが、
アドラー心理学の「目的論」は
トラウマのような「原因論」を
はっきりと否定する

のです。

アドラー心理学の「目的論」

「目的論」では、

まず最初に行動の目的があって、
その目的を達成する手段として
感情が作られる

と考えます。

 

「目的論」で
さきほどの例を考えると

他者と交流したくないから
交流が怖いという気持ちになっている、

ということを言っています。

これは私には常識はずれに感じられて、
にわかには信じられませんでした。

でも、「嫌われる勇気」を読み進めていくと、
「目的論」が妥当であることに納得するとともに、
「目的論」のすばらしさもわかってきました。

 

 

「目的論」が主張するとおり、
幼いころに両親に虐待を受けたとしても、
それによって何かが決定するわけではありません。

その証拠に、
虐待を受けた人の全員が必ず
人とうまく交流できなくなる
わけではないはず。

起きている結果を
ひとつの原因だけで説明するのは、
そもそも無理があるのです。

 

アドラー心理学では、
人と交流ができなくなっているのは
何か「目的」があるからだと考えます。

 

例えば、

人と交流できずに自室にこもっていれば、
親が心配して、注目して、丁重に扱ってくれる、

それが目的だったりします。

 

そうした目的があるうえで、
「自分は両親に虐待を受けたから、
人と交流できないのだ」
と考えれば都合がいいから、
それを採用しているだけなのです。

 

つまり、

いまの自分というのは
過去の経験によって自動的に決まるのではなく、
経験にどんな意味を与えるかによって
自分で決めることができる

わけです。

 

 

この考え方がすばらしいのは、
自分がどんな人間なのかを
いまからいくらでも変えることができるから。

 

過去に両親から虐待されたとしても、
その経験をどう扱うかは
自分がどんな「目的」を持つかによって
いくらでも変えられます

「人と明るく交流する」
という目的を持ったとすれば、
虐待された経験など
無視してしまえばいいのです。

あるいは、
「虐待はつらい経験だったけれど、
おかげで人間関係の大切さがわかった」
ととらえ直すこともできます。

 

このように、
「目的」を意識することで
自分を自由に変えられるというのが
「目的論」の考え方なのです。

物理学は「客観」、心理学は「主観」

私自身は
アドラー心理学の「目的論」の考え方に
納得することはできたのですが、
「目的論」が物理学とは相いれない
という思いは残るところです。

これにどう折り合いをつけるかと
考えづづけたところ、
私の中である結論が出ました。

物理学と心理学の
決定的な違いに気づいたのです。

 

それは何かというと、

物理学は「客観」の世界だが、
心理学は「主観」の世界である

ということです。

 

 

ニュートンのリンゴの例で言えば、
「リンゴが木から落ちた」
というのは、
客観的な事実であり、
人の主観が入り込むスキはありません。

世界の誰が見ても、
さらにいえば違う時代の人が見ても、
リンゴは地面に落ちるものです。

逆に
「リンゴが空にのぼっていく」
などということは起こりません。

さらには、
リンゴの位置、速度、質量、エネルギー
なども誰が観測しても同じです。

 

物理学はこうした「客観」に
基づいた学問であるため、
場所や時代に関係なく成り立つ物理法則
が存在できるのです。

こうした「客観」の世界では、
原因があるから結果があるという
「原因論」が正しさを持ちます。

 

 

一方で、
心理学は「主観」の世界です。

虐待の例でいえば、
「幼いころに虐待があった」
というのは客観的な事実であるとしても、
その経験をどうとらえるかは
「主観」によります

 

「主観」は人によって違うため、

「もう誰も信じられない」
あるいは
「親は信じられないけど、友人は信じられる」

というのは、どちらもありえます。

 

物理学のように
「いつ誰が見ても必ずこうなる」
と決まっているわけではないのです。

 

 

だから、
物理学では正しい「原因論」が
心理学では成り立たなかったとしても、
それはおかしいことではありません。

私たちは「原因論」のほうが
なじみがあるので
人の心理や感情を考えるときにも
それを使ってしまいがちですが、
それが唯一の視点ではない
のです。

「目的論」も同時に存在できます。

 

私はこのことに気づいたので、
「目的論」の考え方を
自分の中に矛盾なく
受け入れることができました。

まとめ

・「嫌われる勇気」では、対話形式でアドラー心理学が学べる
・物理学やフロイト心理学における「原因論」の考えでは、
「何らかの結果があるとすれば、それには原因がある」
・アドラー心理学における「目的論」の考えでは、
「まず最初に行動の目的があって、その目的を達成する手段として感情が作られる」
・物理学は「客観」の世界、心理学は「主観」の世界、という違いがある

 

私にとっては、
「目的論」という新しい視点を得られたことが
「嫌われた勇気」を読んで得た
最大の収穫でした。

これからは
物理学で使い慣れた「原因論」だけでなく
「目的論」もマスターして、
両方を使っていきたいです。

 

 

主観と客観については
こんな過去記事も書いたので、
よかったらこちらからどうぞ↓

 

 

 

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私は大学で物理学を専攻して
大学院にも進学しつつ、
将棋部に入って
アマ四段まで将棋を鍛えました。

メーカーに就職して技術者として
3年働いたあと、
エンジニアリング会社に転職。

転職先を3年半ほどで辞めて起業し、
現在は思考法や将棋を教えています。


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最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

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