梅澤浩太郎のブログ。目標・理念は「スキルを進化させつづける人になる」。

「挑戦する勇気」をくれた藤井猛九段の一局

 
藤井猛九段
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
1987年12月生まれ。群馬県在住。「スキルを進化させつづける人になる」を目標・理念として活動中。私の過去の経験や学んだことをまとめた電子書籍「失敗しない思考法」を今だけ無料でプレゼント中。「将棋マッチ」にて、将棋を教える仕事もしています。

藤井猛九段

こちらの文章は、
「第2期“書く将棋”新人王戦」
に応募した作品です。

最終選考まで残ったものの、
入選にはいたりませんでした。

詳しくはこちらの記事↓

 

せっかく書いた作品なので、
ブログで公開します。

冒頭のイラストも自作です。

テーマは
「忘れられない推しの名局」
です。

では、どうぞ。

 

 

——————-

私の忘れられない一局は、
2010年7月30日に行われた
第58期王座戦の挑戦者決定戦。

藤井猛九段と深浦康市王位の対局です。

 

藤井九段の大ファンである私は、
この対局から
「挑戦する勇気」
をもらいました。

そして、
もらった勇気は私の人生を変えたのです。

藤井猛九段にあこがれて将棋をはじめた私

私が藤井九段をはじめて知ったのは
高校生のとき。

将棋はシロウトながら、
なんとなく毎日読んでいた
新聞の将棋欄でのことです。

当時、
「朝日オープン将棋選手権」
で勝ちまくっていた藤井九段。

観戦記のなかの紹介文で、
いつも出てくる言葉がありました。

 

それが「藤井システム」

なんだかカッコいい言葉に、
私はなぜか引きつけられました。

藤井九段が勝ち進むにつれて、
情報量も増えていきます。

藤井システムは藤井九段が
ほぼ一人で生み出した戦法であることや、
竜王を3連覇した実績があること。

さらには私と同じく
群馬県出身であることを知り、
ますます好きになりました。

 

 

私は2006年に東北大学に入学。
自分でも藤井システムを指してみたい
と思い、将棋部に入りました。

藤井九段へのあこがれから
将棋をはじめた私でしたが、
周りの部員は圧倒的に強い人ばかり。

最初は負けてばかりで辛かったです。

 

そこで救いになったのも、
藤井猛九段の存在でした。

将棋部員には藤井ファンがたくさんいて、
藤井システム(四間飛車)の指し方を
ていねいに教えてくれたのです。

また、
藤井九段が書いた定跡の本
を何度も繰り返し読んで勉強しました。

 

こうして私はどんどん強くなり、
他の部員ともいい勝負ができるように。

藤井システムも指せるようになって、
将棋がどんどんおもしろくなりました。

「藤井矢倉」を生み出す挑戦

私は大学将棋部にいる間もずっと、
藤井九段を応援。

新聞だけでなく、
将棋世界などの雑誌や、
当時はじまったばかりのインターネット中継も、
もらさずチェックしました。

 

ただ、私が大学生だった4年間は、
藤井九段が勝てなくて苦しんでいた時期
と重なります。

藤井システムが
居飛車党の棋士に徹底的に研究されて
通用しなくなり、
藤井九段はもがいていました。

代わりに
振り飛車穴熊やゴキゲン中飛車などを
試してみても、
イマイチしっくりきていない様子。

順位戦ではA級にいたものの、
毎年のように降級争い。

応援する側としてもガマンの時期でした。

 

私にとっては、
竜王戦3連覇などの実績は過去の話。

藤井九段のタイトル戦をナマで観戦して、
応援したい。

それが私の夢でした。

でも、苦悩する藤井九段を見ていると、
その実現は難しそうに思えました。

 

 

そんな藤井九段が、
あるときからとつぜん、
居飛車を指し始めました

しかも、
負けても負けても指しつづけて、
少しずつ形を変えていきます。

流行していた矢倉とは違う、
オリジナルな作戦。

藤井九段は手痛い負けを重ねながらも、
その戦法の完成度を高めていきました。

 

その戦法はやがて
「藤井矢倉」
と呼ばれるようになりました。

藤井システムを生み出した藤井九段が、
またしても新戦法を編み出したのです。

 

これまで極めてきた振り飛車から離れて
居飛車で勝負することが、
どれだけ勇気のいることか。

新しい戦法を生み出すために
どれだけの努力と時間と敗戦が必要なことか。

想像できないほどです。

 

そして、
藤井九段の努力がついに実を結んだのが
2010年の王座戦トーナメント。

藤井矢倉を武器に勝ち上がり、
挑戦者決定戦に進出したのです。

その一局が行われたのは、
私が大学を卒業したタイミングでした。

王座戦の挑戦者決定戦

タイトルホルダーである
深浦康市王位との大一番。

私はネット中継にかじりついて
応援していました。

 

藤井九段の先手、矢倉の出だしで対局開始。
やはりエース戦法である藤井矢倉の投入かと
誰もが思いました。

でも、そうではありませんでした。

藤井九段は居飛車でありながら、
角を動かさないまま美濃囲いに囲った
のです。

いまでこそ当たり前に指されていますが、
当時はめったにない形です。

 

さらに、藤井九段は角道を開けて、
角の利きを最大限に活かして敵陣に攻めかかりました。

これは藤井システムを思わせる攻め。

藤井システムと藤井矢倉を融合させたような、
見たことのない作戦です。

 

ついに完成したかに思われた藤井矢倉を、
この大事な一局でさらに変えるとは。

それも、
過去に極めた作戦のエッセンスを使ってです。

藤井九段のこれまでの挑戦の歴史が、
この一局に結集している。

そう私は感じ、
これまでの藤井九段の戦いの数々が
心によみがえってきて、
胸がいっぱいになりました。

 

 

さらに、
この将棋で忘れられない一手があります。

藤井九段の攻めに対応しながら、
深浦王位の金が前に出てきてた局面。

攻めを抑え込まれるかもしれないピンチです。

どうするのかと見ていると、
藤井九段は信じられない手を指しました。

美濃囲いの金をグイッと前に出て、
抑え込もうとする金に
ガツンとぶつけたのです

 

大事な守りの金を自分からはがす、
大胆な一手。

「なんとしてでも勝つ」という
藤井九段の気合いを感じました。

 

そして、
この勇気ある手によって、
藤井九段の攻めはもう止まらなくなったのです。

藤井九段はひたすら攻めつづけ、
終わってみれば一手も受けの手を指さないままに勝利。

藤井システムと藤井矢倉の融合が
大成功した一局でした。

 

 

この勝利の結果、
藤井猛九段は羽生善治王座への挑戦権を獲得。

ずっと応援してきた藤井九段が
タイトル挑戦を決める瞬間が見られて、
涙が出るほどうれしかったです。

私の夢である
「藤井九段のタイトル戦のナマ観戦」
が実現して、
タイトル戦の間は本当に幸せな日々でした。

 

とはいえ、
当時の羽生王座は悪魔のような強さで、
五番勝負は藤井九段の3連敗

残念な結果でしたが、
藤井九段のタイトル戦でのハレ姿を見て、
私はますますファンになりました。

藤井猛九段がくれた「挑戦する勇気」

後日談。

私は藤井九段からもらった
「挑戦する勇気」
のおかげで、
人生の大きな決断ができました。

それは転職と起業です。

 

私は新卒で入った会社が自分に合わないと感じて、
3年で転職。

さらに、転職先の会社も3年半ほどで辞め、
起業をして現在にいたります。

ガマンして会社に行きつづける
毎日を変えることができて、
本当によかったと思っています。

 

ただ、
せっかく大学を出て良い会社に就職したのに、
それを辞めるのは勇気がいることでした。

起業するときも、
それまで職場でがんばってきたことが
ムダになると考えると、
挑戦するのが怖くもなりました。

 

そのとき私が一歩を踏み出せたのは、
藤井九段の挑戦しつづける姿が、
ずっと心の中にあったから

です。

それが大一番だとしても、
失敗に終わるかもしれなくても、
やってみなくちゃいけないんです。

 

 

過去にとらわれてはいけない。

挑戦をつづけろ。

そのことを、
私は王座戦挑戦者決定戦の一局から教わり、
人生が変わりました

また、
藤井九段にあこがれてはじめた将棋は、
大学を卒業後も私のいちばんの趣味でありつづけ、
毎日をより楽しくしてくれています。

 

これまで藤井猛ファンでいて
本当によかったです。

これからも私は
藤井猛九段を応援しつづけます。

 

——————-

 

リンク集

いかがでしたでしょうか。

文中で取り上げた
藤井猛九段と深浦康市王位の
王座戦挑戦者決定戦の棋譜は、
無料で公開されています。

藤井九段の熱い将棋を
ぜひ見てみてください。

スマホでは見られないかもしれないので、
パソコンからどうぞ↓

 

また、中継ブログもあって、
当時の熱気が伝わってきます↓

 

この作品が
最終選考まで残れたのはよかったです。

一方で、
入選にいたらなかったのはなぜなのか、
何が足りなかったのか、
そんなことを考えたのがこちらの記事なので
合わせてどうぞ↓

 

藤井猛九段に関する記事は
こちらにまとめてあります↓

 

 

 

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