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藤井聡太七段が朝日杯を連覇(2年連続優勝)、すごい3つの理由

 
藤井聡太七段の朝日杯将棋オープン戦の連覇
この記事を書いている人 - WRITER -
梅澤 浩太郎
将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

藤井聡太七段の朝日杯将棋オープン戦の連覇

藤井聡太七段が
朝日杯将棋オープン戦で
優勝しました。

これは本当にすごいことですが、
具体的に何がすごいのかという理由を
以下の3つにまとめました。

①一般棋戦での連覇
②渡辺明棋王と初対局で勝利
③後手番ばかりの中での対応

それぞれについて、
詳しく紹介します。

すごい理由①一般棋戦での連覇

まず最初に強調したいのが、
朝日杯将棋オープン戦は
タイトル戦ではなく
一般棋戦であるということ。

一般棋戦での連覇というのは
本当に難しい
のです。

 

一般棋戦とタイトル戦を
比べてみましょう。

タイトル戦であれば、
いったんタトル保持者になれば
それだけで
来年の番勝負に出られることが
確定します。

あとは挑戦者との番勝負に勝てば、
連覇となるのです。

将棋に勝つ確率を単純に
「2分の1」と考えれば、
50%の確率で連覇ができます。

 

この仕組みがあるため、
タイトル戦であれば
連覇は比較的実現しやすいです。

例えば「棋王戦」では
渡辺棋王が現在6連覇中。

タイトル戦では
こうした3連覇以上も
珍しくありません。

 

一方、
朝日杯のような一般棋戦では
ずいぶん事情が違います。

連覇というのは
タイトル戦に比べると
ずっと少なくなります。

一般棋戦では
1回優勝したとしても、
翌年の扱いは
他の棋士とそれほど変わりません

本戦にシードとはなりますが、
あとは他の棋士達と同じように
トーナメントを勝ち上がって
いかなければならないのです。

朝日杯であれば、
その途中で一度でも負ければ、
そこで即終了。

優勝して本戦シードとなっても
そこから4連勝が必要なので、
単純に考えれば
優勝は「16分の1」の確率です。

 

厳しい予選を勝ち抜いて
本戦に進出してくる
棋士達は強敵ばかり。

1回勝つのだって大変です。

藤井七段の場合は
周囲の期待が高くて、
プレッシャーもかかっています。

その中で
4連勝して連覇というのは、
本当にすごいこと。

朝日杯の連覇は
羽生善治九段に続いて
史上二人目
のことです。

 

優勝の難しさで言うと、
実は去年の方が
今年よりもさらに上でした。

去年の優勝については、
こちらの記事に書いています↓

 

プロ入りしたばかりで
初参加だった去年、
藤井七段は
一次予選からのスタート。

そこから二次予選、本戦と
勝ち進んでの優勝だったので、
なんと10連勝したのです。

今年は4連勝でよかったので、
去年のとんでもなさが
より目立ちます。

 

藤井七段は、
これで朝日杯は
負けなしの14連勝

信じられない強さです。

 

ちなみに冒頭のイラストは
私が自分で描きました。

優勝を決めた後、
インタビューに答える
藤井七段の様子です。

すごい理由②渡辺明棋王と初対局で勝利

朝日杯の決勝戦では、
藤井七段と渡辺明棋王の
初対局が実現しました。

渡辺棋王に勝っての
優勝だということが、
すごい理由の2つ目です。

 

渡辺棋王は
ここ数ヶ月は絶好調。

1月までは15連勝
していましたし、
つい最近行われた
棋王戦と王将戦の3連戦にも
すべて勝ちました

正直、もう手がつけられない
勝ちっぷりだったのです。

そんな渡辺棋王が相手では
いかに藤井七段と言えども
勝つのは難しいかと思われましたが、
終わってみれば快勝

渡辺棋王に
こんなに差をつけて勝つとは、
まったく予想していなかったので
驚きました。

 

藤井七段は
デビューから2年以上がたち、
すでに多くのトップ棋士と
対局しています。

しかし、
今まで渡辺棋王とは
一度も対局がなく、
対戦を待ち望むファンは
多いところでした。

その対戦が
決勝という大舞台で実現したのは、
まるでマンガのような展開です。

 

ちなみに去年の朝日杯では、
準決勝で羽生竜王(当時)との
公式戦初対局

実現したのでした。

そのことについては、
去年こちらの記事に書いています↓

 

去年に続いて
大舞台でトップ棋士と初対局し、
そして勝って優勝。

そういうことが
2年連続で起きるためには、
単に将棋が強いだけでは
足りないでしょう。

藤井七段が「スターになる資質」
のようなものを
持っているのではないかと
感じさせるのです。

すごい理由③後手番ばかりの中での対応

すごい理由の3つ目は、
後手番ばかりでも勝ったこと。

藤井七段は普段から
振り駒で後手番になることが
多い印象がありますが、
今期の朝日杯は
特にひどかったです。

なんと、4局すべてで後手番

将棋では先手番の方が
後手番よりも勝率が高いので、
だれもが先手番がほしいところ。

それなのに
4連続で後手番というのは、
本当に不運なことです。

 

準決勝と決勝では、
藤井七段が後手番になったことが
戦型にも大きく影響しました。

藤井七段の得意戦型と言えば
「角換わり」ですが、
後手番になったせいで
「角換わり」が
避けられてしまったのです。

準決勝の行方尚史八段との対局では
「矢倉」に誘導されましたし、
決勝の渡辺棋王との対局では
「角換わり」を拒否されて
「相雁木」の戦型になりました。

 

どちらも相手に誘導された
戦型になったので、
作戦負けになる心配が
ありました。

そんな状況で
藤井七段は相手の狙いに
うまく対処して、
互角以上の戦いに
持ち込んだ
のです。

 

以前はインタビューなどで
「序盤に課題がある」
と話すことが多かった藤井七段。

今期の朝日杯を通して、
序盤の完成度が
以前よりも高まっている
ことが
感じられました。

おまけの話:観戦と対局の環境変化

私は去年も、
ネットで朝日杯を観戦をしました。

今年も同じように
ネットで観戦していると、
観戦の環境が変わったことに
気付いたのです。

去年にはこんな記事書いています↓

 

去年はネット上の3つのサイトで
無料で動画中継が
見られたのですが、
今年は無料なのはアベマTVのみ

ニコニコ生放送での放送はなく、
主催者の朝日新聞社のページは
有料でした。

朝日新聞社のページでは
映像だけでなく
棋譜を見るのも有料。

これには少し驚きました

 

朝日杯将棋オープン戦は、
まだ棋譜中継が
それほど多くなかった時期から
積極的に無料中継を
たくさんしてくれた棋戦
です。

そんな朝日杯が今年から
有料となったことに
時代の流れを感じます。

朝日新聞社
有料にした方がいいと
判断したのは、
藤井七段の存在が
大きいのだと思います。

「藤井七段がいるのであれば
有料会員になってでも観戦しよう」

と考える人は多いと
予想できますからね。

 

対局の環境も変わりました。

朝日杯はもともと
準決勝と決勝を
公開対局で行うことが
特徴の棋戦。

世間やメディアからの
注目度の高い藤井七段が
去年に大活躍した影響で、
今年は公開対局の機会が
増えました。

準決勝と決勝だけでなく
本戦のすべての対局が
公開対局
になったのです。

準決勝では、
ステージ上のとなりどうしで
2局の対局が
同時に行われるという、
見たことのない状況に。

 

藤井七段の影響力は
とても大きいです。

今後も、
藤井七段の人気が
あるからこその変化
というのが、
将棋界の色々なところで
起こるのではないかと
私は予想しています。

まとめ

藤井聡太七段による
朝日杯将棋オープン戦の連覇が
いかにすごいことなのか、
その理由について書きました。

藤井七段が
これだけ注目をあびる中で、
プレッシャーに負けずに
結果を出し続けていることは
本当に驚き。

去年は羽生竜王、
今年は渡辺棋王を破っての
優勝ということで、
インパクトは絶大です。

 

今年の優勝により、
藤井七段は来期も
本戦シードが確定。

3連覇を目指す戦いになります。

来年の朝日杯では
どんなドラマが生まれるか、
楽しみですね。

 

 

藤井聡太七段の記事は
こちらにまとめてあるので、
合わせてどうぞ↓

 

 

 

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将棋講師。棋力はアマ四段。 インターネット上で将棋を教われるサイト、将棋マッチを開設・運営しています。 1987年12月生まれ。群馬県在住。 このブログでは自分でイラストを描きつつ情報発信中。叡王戦を支援しています。 将棋を始めたころからずっと、一番好きな棋士は藤井猛九段。 海外旅行が好きで旅行記も書いています。

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