茶王戦、高見泰地叡王と谷川浩司九段による対局とお茶会と対談

茶王戦

「茶王戦」という企画が
2019年1月13日に行われました。

高見泰地叡王と谷川浩司九段が
対局を行い、
さらにその後にお茶会と対談もするという
盛りだくさんで斬新な試み。

出演者の人柄の良さがよく表れた、
素晴らしい企画でした。

「茶王戦」という企画の説明

「茶王戦」には「~キリン生茶presents~」という
副題が付いており、
叡王戦の協賛社であるキリンビバレッジの
「キリン生茶」とのタイアップ将棋棋戦となっています。

叡王のタイトルを獲得した高見泰地叡王が
「誰と対局したいか」と企画段階で尋ねられ、
谷川浩司九段の名前を挙げたことから
「茶王戦」の対局が用意されました。

高見叡王が谷川九段との対局を希望した理由は、
谷川九段が最も影響を受けた棋士だからとのこと。

また、谷川九段九段の
「君たち、悔しくないのか」という発言があり、
それが良い刺激になったとも語っていました。

今回の企画は、
ともに日本の伝統文化である
「将棋」と「お茶」のコラボ
という、
今までにありそうでなかった試みです。

対局場も普段の将棋会館ではなく
「kudan house (旧山口萬吉邸)」
という東京・九段下にある歴史的な建造物。

「九段」という名前は
将棋との関連を感じさせていいですね。

「勝者には初代『茶王』の称号が与えられる」
正式ルールとして紹介されていましたが、
この称号が使われることは
今後あるのでしょうか。

窪田義行七段の「峰王」のように
使われたら面白そうですね。

解説者は藤井猛九段と木村一基九段、
聞き手は香川愛生女流三段

すごく豪華。

人気棋士を結集させたという感じで、
視聴者の期待をよくわかっている人選です。

実際、藤井九段と木村九段の解説が面白くて、
対局の魅力が増していました。

香川女流の進行もお見事。

初めての企画でしたが、
香川女流のおかげでとてもスムーズ
進んでいました。

タレントの「ルー大柴」さんが登場

「お茶」が大きな見どころである今回の企画。

対局後にお茶会があるだけでなく、
対局中にも「茶人」が対局者や解説者に
お茶を振る舞うということは決まっていましたが、
その「茶人」の正体はギリギリまで明かされませんでした。

意外なゲストの方が登場すると番組の冒頭でも触れられて
思わせぶりだったのですが、
対局開始直前に両対局者に生茶が振る舞われたときに、
運び手としてその人は登場しました。

なんと、タレントの「ルー大柴」さん

ニコニコ生放送の画面は
コメントで騒然となりました。

ルー大柴さんは退室時、
カメラ目線で「生ティー」とささやくという、
おちゃめなことをしていました。

これには高見叡王も谷川九段も笑っおり、
緊張感あふれる対局室の雰囲気が
一気になごんでいました

その後、ルー大柴さんは
「貫庵大柴宗徹」というお名前で
活躍している茶人であると紹介されました。

2006年からお茶を始め、
2013年には遠州流で「師範」
名乗ることを認められたとのこと。

この企画ではあくまでも「茶人」として出演しており、
解説者のお茶の作法を説明したり、
対局後のお茶会では対局者にお茶をたてたりと
大活躍されていました。

また、大盤解説にも出演し、
「ルー語」と呼ばれる独特の言い回し
笑いを巻き起こす場面も。

金と銀は「ゴールド」と「シルバー」、
飛車は「フライ車」、歩は「ウォーク」など
言いたい放題。

それに合わせてとっさに解説する
木村九段もうまくて、
視聴者は大いに盛り上がっていました。

一局の流れ:珍しい矢倉の形

本局は持ち時間は2時間
切れたら一手60秒の秒読みです。

振り駒の結果、谷川九段の先手となりました。

戦型は相矢倉に。

谷川九段としては
「最近の公式戦は角換わりばかりなので」
という思いがあって矢倉にしたと
終局後に語っていました。

高見叡王としても
矢倉は得意戦法なので、
相矢倉は望むところでしょう。

相矢倉とは言っても、
お互いにがっちり囲うわけではなく、
先手は4筋、後手は6筋の位を取る
珍しい形
になりました。

中盤戦ではお互いに指し手が難しい押し引きが
続きました。

そして迎えた終盤戦。

高見叡王らしい勝負手が出て、
混戦を一気に抜け出しました。

谷川九段が▲2四飛と角を切った手に対して、
ダダで取れるその飛車を取らずに
△3五角と打った
のがすごい手。

実際、その数手後には
ソフトの評価値も逆転して、
高見叡王良しに。

そして、そのまま高見叡王が押し切って
勝利となりました。

将棋駒は高見叡王の希望により、
特別に双玉のものが使用されました。

通常であれば
タイトルホルダーである高見叡王が
「王将」を使用しますが、
谷川九段を相手に「王将」を使いたくないという
高見叡王の配慮があったようです。

また、茶王戦ならではのこととして、
お茶の色を意識して、
画面上の色々な場所で緑色が使われていました。

例えば、ひふみんアイのときの縁取りや
対局者の様子を小窓で移したときの枠も緑色で、
細かい配慮が面白かったです。

対局後のお茶会

対局後には両対局者が並んで、
貫庵大柴宗徹さんが点てたお茶を
味わいました。

ひとつのお茶碗でお茶を回し飲みをする
お茶会のスタイル。

さきほどまで戦っていた両者が
丸く収まる
という狙いがあって、
双方にひとつずつのお茶碗ではなく
お茶会のスタイルにしたようです。

谷川九段も高見叡王も
かなり緊張している様子でしたが、
茶人の方の説明を聞きながら
作法通りにお茶を味わっていました。

高見泰地叡王と谷川浩司九段の対談

お茶会の後は、
高見泰地叡王と谷川浩司九段の対談です。

まず最初に高見叡王から谷川九段に
聞きたいことがあるということで、
その話題に。

その質問というのは、
「長く活躍する中で、
棋士として大事にしていることは何か」

ということ。

谷川九段の答えとしては、
年齢を重ねると将棋界での自分の立場が変わってくるが、
将棋を自分の一番の中心として持っておく
ということを大切にしているということでした。

そして、「自分が一番強い」という自信を持つことが、
将棋を続けていくうえでの
心のよりどころとしてあるとのこと。

また、若い人が自分のことをどう思っているかというのが、
自分がどこまで現役を続けているうえでの
重要な基準としてある、とも語っていました。

谷川九段は若手棋士の中でも
広瀬章人竜王のことを以前から気にしており
これまで脇役に回ることが多かったが、
竜王を獲って主役になってくれてうれしいという思いも
明らかにしていました。

対談の中では谷川九段から高見叡王に、
これからもがいたり苦しむことがすべて成長になる
エールが送られました。

高見叡王はタイトルホルダーとしての責任と思って、
この半年間は取材なども全て受けてきたとのこと。

これから叡王戦の番勝負までは
今まで以上に将棋に集中して、
悔いがないように備えたいと語っていました。

まとめ

「茶王戦」の企画について書きました。

「茶王戦」がどんなものになるか
始まるまではよくわからないままでしたが、
両対局者の人柄がよく表れた、
素晴らしい企画になっていました。

ニコニコ生放送の番組の最後にある
「本日の番組はいかがでしたか?」
という恒例のアンケートでも
「とても良かった」が97.0%と非常に高い割合。

「将棋」と「お茶」という
2つの日本の伝統文化の融合を目指した企画として、
大成功だったと思います。

また来年も開催されないかと、期待してしまいますね。

この記事を書いた私、梅澤浩太郎は
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