Clubhouse(クラブハウス)で省略された3つの機能とその意図


Clubhouse(クラブハウス)というアプリが、いま大流行しています。私も2月1日から使い始めました。
私はこれまでに色々なSNSのアプリや音声配信のアプリを使ってきましたが、Clubhouseはすごく独特なアプリだなと感じでいます。
具体的には、機能がものすごく省略されて、シンプルになっているのです。
【Clubhouseの省略された3つの機能】
- 文字での交流ができない
- 過去のアーカイブの保存ができない
- 利用者が制限されている
これらの機能がなぜ省略されているのか、そこにはアプリ運営者のどんな意図があるのか、といった点について考察しました。
この記事を読めば、Clubhouseのどんなところが他のや音声配信アプリと違うのかがわかります。
Clubhouseのことを知って活用していくうえで、役立ててください。
Clubhouse(クラブハウス)とは
はじめに、軽くClubhouseの紹介をします。
Clubhouseは2020年春にアメリカで生まれました。「音声でのSNS」というのがコンセプトです。
アプリ内で音声を発信したい人は「room(部屋)」を作ります。そこに知り合いや見ず知らずの人が参加して、発信者の話を聞くという仕組みです。
そしておもしろいのが、話を聞きに来た人が、会話に参加できるということ。一度も会ったことのない人どうしの会話がはじまって、人とのつながりが生まれていくのが刺激的です。
アプリというのは、便利にするためにどんどん多機能になっていく場合が多いですが、Clubhouseでは意図的に機能が省略されていると感じます。
3つの省略点について、順に紹介します。
①文字での交流ができない
Clubhouseでは、文字による交流がほとんどできないようになっています。
つまり、話している人に向けて文字で話しかけたり、話をしている人が何かのURLを聞いている人に知らせたり、といったことが不可能なのです。
これはかなり思い切った省略に思えます。
音声と文字というのは、そもそも相性の良い組み合わせです。文字であれば、誰かが話をしているのをジャマすることなく、情報をやり取りすることができます。URLなど言葉では伝えにくい情報も、一瞬で伝えられます。
ですからふつうに考えたら、文字での交流はできた方が良いように思えるところです。
ではなぜ、Clubhouseの運営者は、この機能を付けていないのでしょうか?
それは、「画面を見なくても交流できるようにしたい」という、強い意思があるからだと思われます。
もし文字での交流ができるようにしてしまうと、画面を見る必要が出てきます。それまで画面を見ずに皿洗いをしながら配信を聞いていた人も、「このリンク先を見てください」と言われたら、「画面を見なければ!」と思ってしまいます。
あるいは、音声ではなく文字でおもしろいやり取りが行われていて、それが音声で話題になっていたら、画面を見てそれをチェックしたくなります。つまり、画面を見ていない人は、配信を100%楽しむことができなくなってしまうのです。
そういったことをなくして、「画面を見なくても交流できる」ことが、Clubhouseの実現したいことなのでしょう。
文字での交流もできる音声配信アプリの一例として「stand.fm」があるので、興味のある方はこちらの記事もどうぞ↓
②過去のアーカイブの保存ができない
Clubhouseでは、配信のアーカイブを残すことができません。
音声配信をすれば、その配信内容はアーカイブとして蓄積されていくのが普通です。配信者としては、そうして過去の配信内容がたまっていれば、それが資産となります。
Clubhouseのようにアーカイブが残せないと、配信者はフォロワーを楽しませるために、つねに新しい配信をすることを迫られます。これは配信者にとっては大変なので、アーカイブは残せた方が助かるのです。
ではなぜ、Clubhouseの運営者はアーカイブを残せないようにしているのでしょうか?
それは、「リアルタイムで楽しんでほしい」という、強い意思があるからだと思われます。
アーカイブが残るのであれば、リスナーは「いま聞く」ということにこだわりを持ちません。自分の都合のいいときに、アーカイブを再生すればいいからです。しかし、Clubhouseとしては、そうしたアプリの使い方はしてほしくないのでしょう。
実際に私もアプリを使ってみてわかりましたが、アーカイブが残らないことによって、「いま聞く」ということに強いこだわりが生まれまれます。「いまこの瞬間に聞かなければ、二度と聞けない」と思うと、このチャンスを逃したくないと感じるのです。その結果、Clubhouseのアプリが手放せなくなります。
アーカイブが残せないというのは発信者にとっては不便もあるのですが、Clubhouseの中毒性につながっています。
配信のアーカイブを残せないことには、「あくまでリアルタイムで楽しんでもらう」という、Clubhouseの意図があるのです。
③利用者が制限されている
現在のClubhouseでは、利用者が増えすぎないように、わざと制限が行われています。
まず、Clubhouseは招待制です。すでにClubhouseを使っている人からの招待がないと、アプリの利用をはじめることすらできないのです。しかも、1人のユーザーが招待できる人数は2人だけだったりします。
しかも、ClubhouseはiPhoneにしか対応しておらず、Androidのスマホでは使えません。手持ちのスマホではClubhouseが使えないという人が、世界中に大勢いるのです。これはAndroidへの対応が間に合っていないというわけではなく、意図的にそうしているようです。
ではなぜ、Clubhouseの運営者は、わざと利用者が増えないようにしているのでしょうか?
それは、「利用者の質を高く保ちたい」という、意図があるからだと思われます。
Clubhouseの初期のユーザーは、著名人やIT企業の経営者などが多かったようです。すると、その人たちが招待する人も、自然と社会の中でそれなりのポジションにいる、まっとうな人が多くなります。すると、Clubhouse自体が知的なSNSとしての雰囲気を持つのです。
また、iPhoneはスマホの中でも高額な機種です。iPhoneのユーザーには所得の高い人が多いので、そうした人にClubhouseを使ってほしいのでしょう。
質の悪い利用者というのは、聞く人にとって価値のある話はせず、不平不満や文句ばかりを言う人のことです。そうした人が少しでもいると、アプリ全体の雰囲気が一気に悪くなってしまいます。
そして、利用者を増やしていけば、質の悪い利用者も増えることは避けられません。それを少しでも防ぐために、Clubhouseは利用者を制限してるのでしょう。
「利用者の質を高く保ちたい」というClubhouseの意図が見て取れます。
まとめ
Clubhouseで省略された3つの機能の裏にある、運営者の意図を考えてきました。まとめると、以下の通りです。
【Clubhouseの運営者の意図】
- 画面を見ずに交流してほしい
- リアルタイムで楽しんでほしい
- 利用者の質を高く保ちたい
Clubhouseの流行はしばらく続きそうです。私自身も使っていて楽しいアプリで、大きな魅力を感じています。利用者として楽しみつつ、今後のClubhouseの動向を興味深く見ていきます。
こちらは別の音声配信アプリの記事です↓
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